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きき酒師の勉強会『夏酒』

以前受けたセミナーの記録
2018/08

今回のテーマは「夏酒」

◆夏酒テイスティング

今回は、下記写真の15種類の夏酒をテイスティングして、その特徴と傾向、効果的な提供方法を探ります。
これぐらいの種類を真剣にテイスティングすると結構疲れます。

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口に含む前にまずワイングラスで、色合い、粘性、香りの強さ、特徴、複雑性などを確認し記録していきます。

その後、口に少量含み空気を入れてから吐き出し、口を閉じたまま鼻から息をはくと香りが取れます。

品質が健全か、アタック、テクスチャー、具体的な味わいや、含み香、余韻、その他、いくつもの項目をチェックしコメントを記録していきます。

これをひたすら繰り返します。

その後、今年の夏酒の特徴など意見を交わしました。
と言っても、この15種類だけで今年の夏酒を語るのは、ちょっと極端ですが。

それでも傾向が出ているのは間違い無くて、殆どのお酒が、フルーティーな吟醸香があり、ここちよい酸味を持っています。苦味でドライ感が出てるのも多いです。

下の写真は愛好家層にすすめたいお酒とビギナー層にすすめたいお酒のアンケート結果。ビギナー層はばらけてますね。
9番の天狗舞は酒質設計が違う感じで、熟成香に近い香りが最初に来るので、ビギナー層にすすめたいという人がほとんどいないですね。マニア向けって感じでした。

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提供方法では、氷を入れてロックにしたりソーダで割ったりと言った飲み方も提案されているようです。

◆後半は嗅覚、味覚トレーニング

40種類の香材を使用した嗅覚トレーニング、20種類の水溶液を使用した味覚トレーニングをします。

・まずは香材サンプル40種

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こんな感じです。

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最初はブラインドで、その後答え合せをしてから再度ひとつひとつ確認します。

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最初は穴の開いた蓋で覆われています。開けると中はこんな感じです。

今回使われた香材サンプル40種は以下です。

・まずは酵母由来〈吟醸香〉の14種
 りんご(ふじ)、スイカ、幸水梨、バナナ、メロン、パイナップル、バラ(香料)、レモン、冬瓜、ペパーミント、火打ち石、カプロン酸エチル、酢酸イソアミル、酢酸エチル

・続いて乳酸菌又は乳酸由来の4種
 生クリーム、ヨーグルト、バター(発酵バター)、フレッシュタイプチーズ

・原料由来の8種
生米、上新粉、炊飯、米麹、甘酒、酒粕、豆乳、ココナッツオイル

・熟成由来12種
黒糖、干しぶどう、樫(オーク)、アーモンド、干し椎茸、醤油、黒胡椒、丁子(クローブ)、プアール茶、ごぼう、蜜蝋、昆布

・生老香、老香2種
 イソバレルアルデヒド、ポリスルフィド

◆続いて水溶液サンプル20種

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ひとつひとつ口に含み、吐き出し、コメントを書いて行きます。

使用した水溶液サンプル20種は以下です。

・水4種
屋久島縄文水10mg/㍑、エヴィアン304mg/㍑、エンシンガー・スポルト1828mg/㍑、サントリー山崎の水(微炭酸)90mg/㍑ 数値はミネラル量です。
これだけのミネラル量の違いは、柔らかい、硬いと分かりやすいです。

・甘味2種
 ブドウ糖、果糖

・酸味2種
 乳酸、りんご酸
 正直あまり違いが分かりませんでした。機会があればもう一回じっくりチャレンジしてみたいですね。

・苦味1種
 オウレン

・渋味1種
 タンニン
苦味と渋味近いものがありますが、比べてみると、渋味の方がまったり口の中に残る感じがあります。

・旨味2種
 アミノ酸(グルタミンソーダ)、コハク酸

・塩味3種
 海水塩、岩塩、精製塩

・アルコール5種
5%、10%、15%、30%、40% 15%あたりから結構な強さを感じます。日本酒が15%ぐらいなので、甘味や旨味とかいろんな成分が入っているので、まろやかさとか出てるんでしょうね。

◆その後、日本酒と焼酎の基本的なテイスティングトレーニング。

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因みに、上の写真は全部日本酒です。白い紙などを後ろにあてると色がそれぞれ違うのがよく分かります。


そんなわけで長い1日でした。

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