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生成AIの現状



1.生成AIブームが始まり1年

1-1.はじめに

はじめに2023/12/16の「第84回 Machine Learning 15minutes! Broadcast」で発表した内容をNoteで記載しました。1年間の振り返りのみ記載します。Gemini対Chat-GPTについては別途記載する予定です。

1-2.ChatGPTが出てから1年が経過しました。

Chat-GPTがリリースされてから1年間が経ちました。
リリースされた当時は少し便利そうだと思っていましたが、
まさかここまで広がるとは想定していませんでした。
ここまで生成AIがブームになるとは想定していませんでした。

1-3.生成AIは、2023年流行語大賞

 ユーキャンが12月1日に発表した、2023年の「新語・流行語大賞」のトップテンに「生成AI」が入り、メディアアーティストの落合陽一さんが受賞しました。本人は、「アルトマン」ではないのか?とコメントされています。
今までのAIでここまで話題になったのは初めてだと個人的には思っています。
参考URL:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2312/01/news152.html

2.この1年で何が変わったのか

2-1.作るAIから使うAIへ

「AIを"作る"時代」から「AIを"使う"時代」へ。のキャッチフレーズをAINOWの編集長おざけんこと小澤健祐氏の言葉が私としては今年の流行語だと思っています。

簡単に説明すると以下のようになると個人的に思っています。

今まで:車のエンジンと運転を機械学習エンジニアとデータサイエンティスト等のML理論が分かる人がコントロールしていた。

生成AIが出てから:車で例えるとマニュアル車が増えてきて、ML理論が分からない人でも使えるようになった。ただし、モデルのチューニングは、ML理論が分からないと難しいのが現状です。

2-2.生成AI協会やコミュニティが増えた

①一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)
 生成AI(ジェネレーティブAI)を活用する人材の知識・スキルを可視化し、企業活動における普遍的なビジネススキルの一つとして社会実装することを目的とし、2023年5月10日(水)に設立
詳細は、以下のURLを参照ください。

②生成AI研究会
 生成系 AI の出現は、ビジネスでの活用にとどまらず、人間社会全体に様々な形で革命的な影響を及ぼすことが予想されます。このインターネット出現以来のデジタル革命のパラムシフトに対して、傍観するのではなく、様々な活用による社会課題の解決に向けて積極的に関わっていくことが望まれます。そこで世界規模で発信提供される情報を持ち寄り、共有し、今後の活用方策や課題を探る場として生成AI 協会(略称 GAIS:Generative AI Society)を立ち上げました。
上記は、FBのグループもあります。

詳細は、以下のURLを参照ください。

③SHIFT AI
 「日本をAI先進国に」を掲げAIのビジネス活用を学べるメディア・コミュニティ「SHIFT AI」を運営している株式会社SHIFT AI(東京都渋谷区、代表取締役 木内翔大)は、2023年6月28日(水)に「日本をAI先進国に」AIのビジネス活用を学べるメディア・コミュニティ「SHIFT AI」の入会申し込みを開始。
基本は有料コミュニティとなります。
サイバーエージェントグループのAI SHIFTとは違うので注意!!

詳細は、以下を参照ください。

①~③以外にもコミュニティが出てきており生成AIが激化していることが分かります。①~③は、絡んでいるのはAINOW編集長のおざけん氏ですね。彼のプレゼン力は勉強になっています。

2-3.生成AI検定試験

①JDLA
 日本ディープラーニング協会(JDLA)主催の生成AIの検定試験です。JDLAは、G検定とE資格など老舗の資格試験を作成している組織です。理事長は、東京大学の松尾豊教授となっています。

詳細は、以下を参照ください。

②一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)
 生成AIコミュニティであるGUGA主催の生成AIの検定資格試験です。
値段はJDLAに比べて少し高い。

詳細は、以下を参照ください。

JDLAは、老舗のためわりとML関連の方が受ける傾向があります。逆にGUGAの方は、一般的な方が受ける傾向があります。
資格試験も激化してきている。

2-4.生成AI活用してきている人

2023年になって生成AIを活用している人が増えてきていますが、以下の傾向であるように考えられます。(あくまでも個人的な考えです。)

・AIを使い始めてから半年程度ぐらい
・Transformer等の計算リソースを使っている認識が無い
・従来の機械学習モデルを理解していない

どちらかというと理論よりもプロンプトに対しての興味が強い
「AIを"作る"時代」から「AIを"使う"時代」へ。突入しているように見える。
AI民主化と言われているものが少しずつ近づいている

2-5.日本生成AIが進んでいるか

日本の生成AIが現状進んでいるかというと以下の通りとなる。
・現段階では、まだ研究段階のため生成AIが社会実装が進んでいない
・生成AIについての業務活用も使えていない
・画像生成も活用出来ていない

日本企業では、現在も導入が進んでいないのが現状です。

進んでいない理由は、以下の通りです。
・ハルシネーションやセキュリティのリスク上があるため使用 に躊躇している
社内に生成AIの有識者がおらず、イメージ出来ていない
・著作権の問題があり、どのようにしていいか分からない。
日本は、失業出来ない仕組みのため出来にくい

一方で海外の導入状況は、以下の通りです。
・ヨーロッパやアメリカではデザイナの価値が下がっている
・アメリカでは、モデル開発の競争も激しい
・失業者が増えてきているとの報告もある
・Googleが苦戦しており、レイオフが進んだ


海外ではある程度生成AIを活用しているように見える。海外の場合日本と違って失業等が多いため進みやすいというのもある程度分かる。

ただ、日本も2024以降は大企業でも予算が出たりして生成AIを活用するか等は検討されると思われるので、来年辺りは生成AIの人材が不足する可能性がありそうです。
以下のXの投稿はそのように説明されていますのでご覧ください。

2-7.生成AIの派閥

AIコミュニティにも記載しましたが、ML理論派とML理論を知る必要が無い派閥が出てきているようにこの1年間感じています。
簡単に言うと新AI業界と旧AI業界に分けられてきているように感じられる。
モデルは一から作りたい派とAPIで良いという派閥が分かりやすいかもしれません。私は、最初からAI業界に携わったわけではないので、どちらでもないというが回答です。
この新AI業界と旧AI業界で派閥が出ているように思えます。
ビジネス的には、新AI業界の方が強のではと個人的に現在感じています。
AINOWのおざけん氏もXで以下のように投稿されています。


2024年も派閥争いが激化する可能性があります。

2-8.State of AI2023のレポート

State of AIとは、英国のAIに特化したベンチャーキャピタル「Air Street Capital」が2018年から毎年発行している、AIの現状を、豊富な統計データとともに網羅的にまとめたレポートです。

以下の分野で分かれています。
研究: テクノロジーの最新進展とその能力について
産業: AIの商業応用とビジネスへの影響
政治: AI の規制、その経済的影響、および AI の進化する地政学
安全性: 高度なAIシステムがもたらすリスクの特定と軽減について
予測: 今後12ヶ月での出来事と、2022年の実績評価

内容としては、ほぼ生成AI(LLM)に関するレポートが多かったように感じます。このレポートも色んな観点で作成されますが、生成AI(LLM)に関する内容が作成されるのは驚きました。それだけ生成AI(LLM)が発展していた1年だったのではないでしょうか?

抜粋して、今後1年間起こることは以下の通りです。

  1. ハリウッド級の映像制作で、生成AIが利用

  2. 生成AIメディア会社が、2024年のアメリカ大統領選における不正利用で調査される

  3. 自己改善するAIエージェントが複雑な環境で最先端の技術や成果を上回る

  4. テクノロジー関連の新規株式公開(IPO)市場が活況を取り戻す

  5. 生成AIのスケールアップ競争が加熱

  6. 独禁法の観点からMicrosoft/OpenAIの取引に調査が入る

  7. グローバルなAIガバナンスの進展は限定的

  8. 金融機関によるGPU債務ファンドの立ち上げ

  9. AIが生成した曲が、ビルボード トップ10にランクイン

生成AI(LLM)に関する内容が主だったので2024年も激化すると予想しています。

詳細は、以下を参照してください。

3.2024年について

3-1.個人的な予想構図

LLMについては以下の通りとなる予想します。
・GeminiやGPTを使った改善
・オープンソース等の独自モデルをファインチューニングした改善
・GoogleのPLaM系のドメインに特化したモデルでの改善
分かれていくと予想されている。既存のモデル作成企業は、
更に窮地に立たせる可能性がありそうです。

マルチモーダル化が進み、GeminiやGPTの活用が増えてくると思います。sunoのような音楽生成も出てきておりどこまで進化するのか予想が出来ずらいです。

3-2.生成AI活用状況

生成AIの活用状況は、以下の通りとなると予想します。

・活用が進んで、ある程度の作業削減が出来る
・活用を推進するが、仕事に追われ改善が進まない
・そもそも推進すらしない。

格差が生まれる可能性があります。

4.まとめ

Chat-GPTがリリースされてから1年が経過しました。
様々なツールやクラウドサービスが出てきていますので社会変革が起こる可能性がありますので引き続き自己研鑽含めて進めていきます。

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