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[小説]アイロボ

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2020年10月の記事一覧

[アイロボ]4章1 孤独 優介

確か僕がこの家にきたのはまだ優介が2歳の頃だっただろうか?
その頃のロボットは一般家庭に普及し、僕は子育て機能がつけられてここにきた。
父親は、弁護士。母親は会計士。
なんとも堅物な組み合わせだ。
2人とも仕事が多忙で、優介は保育園に預けられていたもののかなりの時間を2人で過ごしていたんだ。
優介はここにきたばかりの頃は無邪気でやんちゃな男の子だったと思う。
走り回って声を上げて僕は手をやいた。

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[アイロボ]4章2 孤独 優介2

こうして俺の隣にばあさんがいてもうばあさんの声を聞く事も出来ないと思ったらさもう涙を止められなかった。
道行く人も驚いていたさ。
こんな老いぼれじじぃが涙を流しているんだからさ。
それでも涙を止める事が出来なかったんだ。
それから俺は公園にいかなくなった。
だってばあさんを思い出して辛いんだ。
俺にとってはやっぱりばあさんは大きな存在だったんだよ。

辛かったさ。
感情を出せるようになってから悲し

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[アイロボ]4章3 孤独 優介3

私が小さい頃、父が大切にしていたこの時計を壊した事があったんです。
普段めったな事じゃ怒らない父がこの事には凄く怒って、私家飛び出してこの公園にきていたんです。
1人でこの公園にきたのは、その時がはじめてだったんです。
酷く混乱してて心細くて不安だった。
いつも父ときていた時は楽しかった公園にいる事が酷く怖かったんです。

しばらくして父がきました。
何も言わずに私の隣に座って暫くずーっと私の隣に

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