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【おすすめ本の紹介】1%の努力(ひろゆき)

(えみる)こんばんえみえみ。
(山田)今日おすすめするひろゆきの新刊『1%の努力』は一度書店で手に取ったんですが、ぱらぱらめくって戻してしまったんです。
(えみる)あんまりピンとこなかったんだ?
(山田)ええ。その夜に、RSS購読しているブログでちょうどその本が紹介されているのを見かけて、結局、購入することにしました。結果として読んでよかった本なのですが、このブログがなければ読めていなかったでしょうね。

(えみる)このnoteも、誰かにとってのそれになれるといいね。


2000年代に「2ちゃんねる」「ニコニコ動画」を成功させ、今は英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人をしつつ、パリで余生のような暮らしを送るネット界の超有名人・ひろゆき。その「謎の生い立ち」に焦点を合わせ、人生において「どこ」が頑張りどころだったのか、ターニングポイントでどんな判断をしてきたのか。その「考え方の考え方」の部分を掘り下げる。

正直なところ、ひろゆきの生い立ちにはあまり興味はなかったのですが、実際読んでみると、それほど気になりませんでした。主張を支えるために引用されているだけで、『可哀想な自分語り』な感じがないのが好印象。

幼少期、最底辺の団地暮らしでのエピソードから始まるのですが、それもかなりポジティブに書かれています。はたらかない大人を多く見てきたことで、はたらかないことに違和感がない、というように。ひろゆきらしい。

時間に追われ、将来の心配をし、みるみる「つまらなくなっていく」大人たちへ。

ひろゆきらしいさっぱりとした意見が並んでいて、読んでいて爽快。
思考がクリアになる感じがあります。

例えば、人生観。

たとえば、僕は、人生に「生きる意味」は存在しないと考えている。
虫や細菌に生きる意味がないのと一緒で、地球上の生物は地球の熱循環システムの一部としての機能を果たしているだけだ。
ただ、そう考えることで、「じゃあ死ぬまでにできるだけ楽しく暮らすほうがいいな」と思うことができる。

例えば、『銃・病原菌・鉄』の読み方。

僕はおすすめの本を聞かれると、『銃・病原菌・鉄』(草思社)を迷わずあげる。
その本は、「ヨーロッパやアメリカの白人が世界を席巻したのはなぜなのか?」という問いに証拠を交えながら答えを出していく。結論を書くと、「ヨーロッパからアジアに続くユーラシア大陸が東西に長かったからヨーロッパの人が覇権を取った」となる。

ギリシャやローマがあったからではなく、ガリレオやニュートンがいたからではなく、それらは因果が逆で、『大陸が横に長い』という素地があったから、そういうものが育まれ得たのだ。

そこから僕が導き出した答えは、「人類の努力は、ほぼ無意味だ」ということだ。
いくら人間が頑張っても、大陸の形を変えることはできない。
五つの大陸でなぜ人は異なる発展をとげたのか。
世界の富と力ははぜ現在のように偏在するようになったのか。
人類の歴史を動かしてきたものを、歴史学や考古学のみならず、
分子生物学、進化生物学から地理学、文化人類学、言語学、宗教学等
多様な学問領域の最新の知見を縦横に駆使することで明らかにする。

(えみる)一度読んだことはあるけど、『ほぇー、すごいなー』と思っただけで、そこまで自分の言葉に落とし込めなかったな。
(山田)すごく長いから、読み終えた達成感だけが残っている感じですね……。死ぬまでに『銃・病原菌・鉄』読めたからいいか、みたいな。
(えみる)ゲームの実績解除みたいな。


人生の壺に入れる大きな岩に「睡眠」を選んだということは、「サラリーマン生活がでいない」ということだ。
朝早く出社することを諦めて、できないことがはっきりすると、それでもなんとか生きられるように逆算して物事を考えられる。

(山田)できないことをできないと言い切れるの、羨ましい……。
(えみる)山田、最近、そういう本ばかり読んでるね。

ひろゆきは氷河期世代だったので、成長バイアスや日本はすごい幻想に惑わされずに、自分で調べて自分のロジックを組み立てたんでしょう。なんとなくひねくれものみたいなイメージがあるのですが、いま思えば、言いづらい正論をスパッと言っているのが目立っていたのかもしれません。

基本的には性善説でいようという章があって、少し驚きました。
たしか『Think Clearly』にも書かれていたと思うので見覚えのある実験なのですが、AIによる「囚人のジレンマ」ゲームを行ったときに、最も得をするのは、「裏切られたときだけ、やりかえす」というムーブ道徳とか倫理とか持ち出さず、こういう論拠で性善説を語るのは、ひろゆきらしくて笑ってしまいました。


結論として。
大陸のかたちは変えられない。才能やセンスも生まれた環境に寄るところが大きい。変えられないものと変えられるものをきちんと見極めた上で、どうせ意味なく死ぬ人生の幸せを最大化するために『1%の努力』で効率のいいい生き方をしていきましょう、という感じ。

変えられるものを変える勇気を、変えられないものを受け入れる冷静さを、そして両者を識別する知恵を与えたまえ(アメリカの神学者、ラインホールド・ニーバーの祈りの言葉)

この本では引用されていませんが、この言葉を思い出しました。

そんな本でした。
ひろゆきに興味のないひとでも、凝り固まった思考をクリアにしたいひとにおすすめ。厚みは多少ありますが、読みやすいですよ(*´ω`*)

昨日の記事はこれ!

いま読んでる本は、ありません!

(えみる)ないの!?
(山田)強いて言うなら、ジャンププラスのアプリで『めだかボックス』読んでいます。さすがの西尾維新原作、勢いと説得力と台詞のセンスがものすごい。いつも無料部分だけ読むので、例の球磨川くんが出てくるあたりから進まない。あの、『自分がジャンプに連載されている漫画のキャラであることを理解している子』の話を読みたいのですが。

箱庭学園内に設置された目安箱は、24時間365日、生徒の誰もが、どんな悩みでも投書できる、通称“めだかボックス”! 生徒達のあらゆる悩みを解決する為に完全生徒会長・黒神めだかの奮闘の日々が始まった!!

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