見出し画像

物書き目線でのchromebook体験記

ずっとChromebookが気になっていて、物書き目線での体感レビューを探していたのですが、プログラマやブロガー目線でのレビューが多く、参考になる記事があまりなかったので、人柱になりました。人の呼吸を使います。よろしくおねがいします。

画像1

画像2

大きさはお手持ちのクリブーと比較してください。

さて、購入したChromebookについて、スペックがCeleron N3350でRAMが4GBで、みたいなことを書くことはできますが、そもそもOSがWinではなく、ChromeOSという独自のものであるため、あまり意味を持ちません。そのため、物書きが『体感』として感じたことを書きたいと思います。

購入したChromebook

名機と名高いC223を購入しました。
2万円前半で購入できるのが最大の魅力で、時給21,500円のバイトを一時間やるだけで購入ができます。これは安い。また、公称11時間のバッテリーの保ちと、999gという軽量感が魅力です。

参考にしたのは、以下のサイト。C223以外にも掲載されているので、興味のある方はぜひ。特にChromebookはASUSはじめ4ブランドしか存在しないので、いい意味で選択肢が狭いのが特徴です。

いま使っているSurfaceの問題点。

体感レビューをする前に、まずわたしの立ち位置と求めていたものを説明させてください。4年前にSurfaceを購入し、それを使っているのですが、以下の点が我慢できなくなってきました。

○バッテリーが劣化して、作業によらず(デュエル中の電卓表示でも!)二時間くらいか保たない。
○電源アダプタが独自の規格のもので、手持ちのガジェットと共有できない(USB-C給電であれば、スマホやイヤホンと共有できる)
○キーボードとの端子の接触が悪くていらいらする。
○性能面で気になることが目立ってきた。特にmtgアリーナがまともに動かないのは驚いた。いまやスマホ(Xperia5Ⅱ)のほうが性能がいい。
最近気づいたのだけど、Win11に移行できない構成だった。

Win10はまだ数年使うことができますが、WinにせよMacにせよマシンの価格が非常に高く、気軽に買い替えられるものではありません。正直、快適に文字が書ければいいので『いっそポメラか』と思いながら、格安マシンを探していたところ、Chromebookに出会いました。

Chromebookについて

○めちゃくちゃ安い(これがなにより大事!)
○独自OSであるため、見た目のスペックに比べて動作が軽快。
○ウィルス対策はOS組み込み。その代わり、自動更新ポリシーの期限が存在する。
○Androidアプリが(一部)使える。使えなくても、ブラウザが対応しているサービスなら利用できる。
○バッテリーが超長持ち。USB-C給電。
○Googleアカウントに紐付けられるため、Chromebook同士の乗り換えがアカウントの入力ひとつで完了する。

などの利点があります。

最近ではmacOSをシェアで抜いたなんて話もあり、純粋にガジェット好きとしても気になっている代物でした。

またGIGAスクール構想により、膨大なマシンが小中学生に供給されていることも見逃せません。これは短期的に安くなることを意味しますが、長期的には、『ChromeOSで学んだ世代』というものが出来上がるので、単価の安さも相まって市場的な供給もそちらに傾くであろうという読みです。

タイピングについて

画像3

キー幅17mmで、まったく問題ありません。快適そのものです。
本当は英字キーボードがよかったのですが、いやに縦に細いエンターキーでもミスタイプすることなく打てています。キーボードとして安っぽい感じはたしかにあるので、気になる人は気になるかも。

『Everythingボタン』について

画像4

虫眼鏡ボタンが、左端のTabキーとShiftキーのあいだにあります。これは『Everythingボタン』といい(マジで)、スマホでいうところのアプリドロワーの展開の機能となります。chromeOSの欠点としてデスクトップに何も置くことができないので、アプリの呼び出しはこれで行います。

また、これを利用したショートカットキーも多くあり、特に+Vボタンの、『クリップボードの履歴5件を表示してペースト』がワーキングメモリの少ない山田としてはめちゃくちゃ便利……。

デスクトップが無意味

これは慣れの問題です。概ねChromeのブラウザベースで作業となるため、notion、todoist、twitter、Amazonのタブをピンどめしておけば、だいたいのことは済みます。Twitterをピンどめしたのが、終わりの始まりだったことは言うまでもありません。
(それでもデスクトップにウィジェットくらいは置けてもいいと思いますが)

オフライン時の挙動について

ブラウザのchromeベースであることから『オフラインでは無力なのでは』という心配もありましたが、これもオフラインで機能するテキストエディタがふつうに存在するため、杞憂でした。電車や喫茶店で書くときにはむしろそれは強みで、ネットワークに繋がらないゆえに、他のエンタメを排して、まさにポメラ的運用しかできなくなるのです。誘惑に弱いえみるさんにとって、これは大事なこと。

バッテリーについて

実はこっそり言いますが、このC223はメルカリで買ったため、前の人の使用状況によるところがあります。それを前提に、新品を買えばこれよりは上、という感覚で聞いてください。

めちゃくちゃ頼りになります。公称の時間は保たない気がするのですが、たぶん7時間くらいの作業に耐えるはずです。また、スリープ時のバッテリーの消耗は一晩経っても1%もないくらいなので、モバイルガジェットとしてかなり信頼ができます。

USB-C給電ができることも大きく、PD対応のモバイルバッテリーを携帯と共有できるので、仮にバッテリーが尽きたとしても対応できるというのは気持ちの上で重要なことです(7時間執筆するわけないとわかっていても)

PD(パワーデリバリー)は、もともとデータ転送のために規格を設定したUSBで給電をするガジェットが増えてきたので、新たに設定された大容量給電に対応した規格です。ほんとに速くて便利。

PDといえば、みんな大好きAnkerですね。わたしはこれを使っています。

起動の速さについて

クっソ速い。
ロック解除はお手持ちのスマホと同じ速度、chromeOS自体の立ち上がりもWinとは比べものにならないほど非常に速くストレスがありません。

何がいいかと言うと、『さて書くか』となったときにそのやる気を損なう前に作業に入れることです。入りさえすれば作業興奮で書き続けられると思うので、たまに浮かび上がってくるそのタイミングを逃さないことが大事。起動に時間がかかると手持ち無沙汰でスマホをいじったり、わたしのようにワーキングメモリが弱いと、作業までに話しかけられたりするとやるべきことを忘れてしまうので、これは大事。

Androidスマホとの連携について

Androidスマホとの連携機能として、以下のことが可能です。
○LINEなど、スマホの通知を受け取り、返信できる。作業から手を離さずキーボードで打てるので地味に便利。
○スマホ側のロックが解除されると、Chromebook側も解除される。
○テザリングの設定が楽。
○Nearby Shareで写真のやりとりが楽。

杞憂だったこと:chromeOSゆえの問題

chromeOSゆえに、当然のようにWinかMacで運用することが想定されているものが使えないおそれがありました。マウスやキーボード、プリンタなどです。が、試しに色々やってみたところ、案外使えました(いまのところ、Win用アプリを除き使えなかったものはありません)。

特にみんな大好きLogicoolのM570の受信機が機能したのは僥倖でした。USB-A端子が1つ存在するのは無駄だと思っていたんですが、このためだったのか……!とため息をつきました。

ブラウザの高速化について

Chromebookは性質上ほとんどの作業をChromeで行うため、ブラウザの性能がほとんどマシンの性能に直結します。

chromeでのウェブページの表示がいまいち遅いような気がしていて、スペック上仕方ないかと思っていたのですが、次の拡張機能を入れたら爆速になりました。よきよき。chromeは各種拡張機能が使えるのがいいですね。

話はそれますが、拡張機能の中で『save to notion』を使えるのは神です。すべてのものを記録するnotionというサービス。使ったことがある人にしかこのご利益はわからないと思いますが、これはほんとに便利。読書ログ、ちょっとしたウェブのログ、欲しいものリストなど、どんどんnotionに放り込んで整理をしています。ブラウザにさえアクセスできれば何でもできるので、notionを使い始めたのもchromebookを検討した理由のひとつです。


タッチパネル非対応について

(本来自分はその使い方は想定していないのでいいのですが)C223はクラムシェル型ゆえ、タッチパネル非対応です。これは字面よりも影響が大きくて、タッチパネルでないとインストールできないアプリが使用できないことを意味します。例えば、Kindle。試してないのでもしかしたら治っているのかもしれませんが、いまどきのAndroidアプリはタッチパネルを前提とした開発を当然していると思うため、思わぬ不具合があるかもしれません。

fnキーについて

キーボード上最上段のキーが明るさや音量のキーに割り当てられていて、fnキーの番号が振られていません。というか、そもそも左下のfnキーが存在しません。同じ写真を使いまわしてすみません……。

画像5

これはカタカナ変換するとき困ると思っていたのですが、fnキー的な振る舞いをするような設定がありました。これをすると明るさや音量は『Everythingボタン』と該当のキーの同時押しになります。問答無用でカタカナ変換するするときはfnキーとの同時押しを要求されるLogicoolのモバイルキーボードよりはマシなのですが、fnキー的な運用がそもそも前提とされていないために、どれがF7なのか迷うことがあります(たいてい適当に押して右にずらして押し直しています)。

テスト。なるほど、明るさを上げるキーがF7でした。


他に購入を検討したChromebookについて

購入する際に検討した他の機体は、このCM3(Detachable)です。

これはC223と同等の重量であり、スペックとしては上。2in1であることが特徴で特に横置きも縦置きもできることが目玉なのですが、Surfaceの端子の不具合を経験している山田にとっては、これはデメリットに働きました。あと、4万円台で思っていたよりも高かったのが気になってしまって……。

が、先の『save to notion』という拡張機能はスマホではできないため、家の中でブラウジングしながら気になったらクリップ、必要に応じてキーボードと合体というムーブは2in1であればうまく機能するのかなと最近思っています。Surfaceとはちがい一台あたりのコストも安く、ポリシーの期限も存在することから長く付き合う前提でもないので、接触が悪くなるまで使わないでしょうしね。

次にAmazonのセールなどで予算との折り合いがつけば、こちらに乗り換えたいくらい気になっている一品です。

画面の大きさについて

文字を打つ分にはまったく気になりませんが、たとえば、複数窓を立ち上げて作業をやりたいときなどは画面が広いといいなあと思ってしまいます。例えばこの記事を書くのに、Amazonなどを引用するときとか。

予算に余裕があって、自分の机がある方は、サブディスプレイを購入することをおすすめします。一時期MacBook Airでやっていたんですが、ノートパソコンを母艦として外付けディスプレイとブルートゥースキーボードでデスクトップライクに使用すると便利だと思います。

そんなわけで、物書き目線でのChromebookレビューでした。皆さんの参考になれば幸いです。また、こういうところで気になるなんてことがあれば、コメントいただけると回答できる範囲でお答えします。

(山田)それで、この素敵なパソコンを手に入れて原稿は進みましたか?(えみる)まあ、いいじゃん。

よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!(*´ω`*)