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千と千尋の神隠し / 紅の豚

千と千尋の神隠し

10歳の千尋
転校することになり不満げ
おとうさんとおかあさんは少し田舎だけど
なかなかいい家に住めるので楽しそう。
迷ってもひきかえせないたちのお父さん、
あまり先のことを考えないお母さん。

テーマパークのような不思議な町で、
豚になってしまったお父さんとお母さんを助けるために、
白という少年に助けられ、千尋は仕事を探す。
「この世界には決まりがあるんだよ」
湯婆になんとか雇ってもらうことになり、
千尋は湯殿の下働きになる。
きちんと挨拶すること、
お礼を言うこと、
あきらめないこと、
一生懸命やること。

白は自分の名前を探して、魔術を学ぼうとしている。
遠い昔から知っているはずなのに、思い出せない。
自分を押し殺し、傷ついて、懸命にこの世界で生きている白
千尋は彼の力になりたい、助けたいと思う。
自分が必要な分以上は欲しがらない。
必要のないものは欲しがらない。
本当に大切なもののために一生懸命生きる。
おとうさんとおかあさんを元に戻すために、
白を助けるために、千尋は電車に乗る。

千尋は白を思い出す、白は自分の名を思い出す。
幼いころに出会い、いつも見守り見守られている。
たとえ、今ここで手を離して、離れ離れになっても、
いつかきっとまた出会える。
そう確信できる。

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10歳のころ転校した。
転校するのはいやだった。
自分が育った環境。
友達と遊んだ川、山。
すべてから遠くはなれて、
まったく新しい環境につれていかれる。
新しい環境で、新しいものと出会う。
部屋から見える池、大きな森。
私たちはいつも自然に見守られて生きている。
たとえ離れ離れになっても、
その川が、池がなくなっても、
そこで遊んだ記憶は消えない。
記憶に守られている。
いつかまた、きっと出会える。
そう確信できる。

紅の豚 Porco Rosso

宮崎駿さんの描く世界が好きです。
未来少年コナンを見て、幼心に、鼻をつまんで海の底まで潜れる人を好きになろうと思ったほど。
そして、大人の男性のかっこよさを教えてくれたのはこのPorco Rosso.

ファシスト政党が台頭する1920年代イタリアが舞台。
呪いをうけて豚になったポルコ・ロッソは、第一次大戦後のアドリア海の飛行艇乗りで賞金稼ぎ。
空賊たちの天敵で、彼らが雇ったアメリカ人飛行艇乗りを呼び一騎打ちさせられることに。

なぜ彼が豚になったのかはわからないけれど、孤独で気ままな生活を送るポルコ。
そんな彼を気にかけるジーナや純粋に思うフィオを残して、彼は豚ではなくなっても孤独のまま生きる。
「ファシストになるよりは、豚でいたほうがましだ」
社会も義理も愛情も引き換えに、飛ぶことを選んだ男の生きかた。
このせつない物語をせつなく見せないアドリア海の青。
少年のまま大きくなった男たち、肝っ玉の据わった女たち。
ロマンです。

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トトロに泣いた、という人を好きになった。
その人は兵役に取られて一年半軍隊に行った。
私は遠いところにいて、二週間に一度電話をするだけ。
ユーゴスラビア情勢が悪化していた頃で、真剣に心配したが、
本職の軍人でないものがそんなところに行くはずもなく、
国内の基地を転々としていたようだ。

一年半ぶりにあった時、彼は頭を丸刈りにされていた。
けんかの仲裁に入って殴られた右耳が少しおかしいといっていた。
国民の義務ということで仕事をやめて兵役についたから、また職を探さなくちゃいけない。
20代の一年半は大きい。
奥さんや子供がいても兵役につかなくてはいけない人もいた。
アメリカのテロ事件の後、急に切り上げになり、その年の終りで兵役は廃止となった。

日本にはないけれど、ほとんどの国で行われていること。
それは闘うことをやめない人間に課せられた義務であり、その国では当たり前のこととして受け入れられている。
ふと、私たちはポルコと一緒かもしれないと思った。
闘わないと宣言したからには、豚になるしかない。
あんなにかっこよく、いさぎよくは生きてないけれど。
「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ」
ちょっとぐさっとくる言葉になった。

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フィオのようにまっすぐな女の子でありたい。
ジーナさんのようにあたたかく包み込むような、それでいて凛とした女性になりたい。
宮崎アニメを見ると心がしゃんとする。
コナンもポルコも必ず助けに来てくれる。
でもラナもフィオも自分の身は自分で守れるのだ。
信頼に満ちた関係にあこがれる。

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