個人から絵仕事を請けたい人が、出すべき情報について

 最近、個人間での絵仕事依頼が盛んでしょうか。そのためのコミッションサイトも増えてるみたいですね。
 そのせいか、仕事募集したいけど来ない~という人の叫びもよく耳に入るようになりました。以前は「どのように依頼すればよいのか?」という話が多かった気もするんですが、コミッションサイトができたおかげでしょうか。
 でも慣れない者同士が、お金のやりとりをするわけです。一歩間違うとトラブルのもとですし。できればスムーズに話を進めたいですよね。

 私は物書きとして同人活動を続けていますが、その中で多くの絵描きさんとやりとりさせていただきました。
 依頼後のやりとりの話なら、たとえばトオノさんが作成された「絵師さん依頼ハンドブック1&2」(https://kyozy-tohno.booth.pm/items/1022641 https://kyozy-tohno.booth.pm/items/1022642)等に詳しく載っています。
 ですので、今回は私がどうやって絵描きさんを探しているのかを念頭に置き、絵描きさん側に「こういう情報を出して欲しい」ということメインに記事を書きます。

その1 好きなもの、得意なものは具体的に

 大前提。依頼する側は素人です。絵のことはよく知りません。

 ですから「こんな感じの雰囲気がいいなぁ」というサンプル掲載は必須です。できる限り多い方がよいです。絵柄、作風が色々あるなら、なおさらです。
 こういうサンプルが十分に掲載できないコミッションサイトは利用しない方がよいでしょう。

 そして得意なもの、できることを明記しておいた方がいいでしょう。
 ただし、専門用語は伝わっていない可能性もあります。「厚塗り風」「水彩風」ですら、イメージしているものに齟齬が生じる可能性があります。ここでそれぞれの具体的なサンプルが提示できるとわかりやすいのです。
 得意なものとまでは言えない……という場合は「○○を描くのが好きです」と言ってもらえると、依頼する側も探しやすいと思います。
 ただし、「少女を描くのが好きです」「青年を描くのが得意です」では、広すぎて明記したことになりません。何故なら、おそらく多くの絵描きさんがそうだからです。
 これだけ依頼を募集している人がいる昨今では、依頼する側が「この人にしよう!」と思うには決め手が必要なんです。(知り合いなら話は別ですが)
 ファンタジーが得意ですと書かれるよりも、背景こみのRPG風のファンタジーが得意ですとか、中華風ファンタジー衣装も描けますみたいに具体度が上がる方が、探す側もイメージしやすくなります。

 何度も言いますが、依頼する側は絵の素人です。

 こんな感じがいいな~を実現するために何が必要なのかわかってない可能性があります。理想だけがふわふわしています。
 中には、絵描きさんは何でも自由自在に描けると思ってる方もいるかもしれません。(そこまででなくとも、何が大変で何を言われると困るのかはわからない場合が多いです)
「こんなことができます!」と言われて始めてそういう方法があるのかと気づく人もいるでしょう。苦手な人がいるということにも気づくかもしれません。
 動きのある絵が得意です。俯瞰(この場合は具体例必須)もいけます。元気な少年を描くのが好きです。高齢女性描けます。自然の風景が得意です。建物描けます。衣装デザインを考えるのが好きです。ロボット描けます。小動物得意です。ロゴ含めたデザインできます。エログロも対応できます。等々。
 たとえばこういう情報があるだけで、それならこの人に頼もうかなという「決め手」になります。
 もちろん、それぞれのサンプルがあると最高ですね。

その2 おおよそでも金額を

 依頼する側も、「こんな金額でお願いして気分を害しないだろうか?」とドキドキしながら依頼することが多いんです。だって相場とかわかりません。人によって金額もまちまちです。
 これくらいの絵ならこのくらいの金額。
 そういう基準があらかじめわかっているのが理想的です。
 でも「そんなのこっちが知りたい!」と思ってらっしゃる絵描きさんもきっと多いでしょう。依頼慣れしている人はこんな記事読みませんよね(笑)
 ならばせめて、最低金額だけでも明記しておいてください。
 この金額以上というのがわかれば、依頼する側も心の準備ができます。

その3 できれば納期

 依頼する側は、絵を描くのにどれだけの時間がかかるかよくわかっていません。
 このくらいの納期であれば、これくらい前に依頼してください……ということが書かれていた方が、お互いのためになります。
 依頼が立て込んできた時は、締め切り○月○日以降のものなら受けられますといったことが書かれてると安心ですね。
 コミッションサイトを利用するなら、こういった情報を記載できるところの方が、依頼側も安心できます。

その4 できればソフト環境等

 これは特に同人誌の表紙など、印刷に関わる依頼を受ける場合はお願いしたいところです。
 ただし依頼する側も、イラスト表紙についてはよくわかっていない可能性があります。「CMYKって何?」みたいな。
 そのまま印刷所に入稿できる形で納品してもらうか。依頼する側の環境にあわせたソフトで作成してもらうか。どちらかでないとトラブルの原因にもなりかねません。
 その辺が難しそうなら、web利用での依頼のみにするというのも手ですね。


 それでは依頼する側、される側、よい出会いがありますように!

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