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真実知死

世の中には、⑦つの真実がある。 そのすべての真実の知ってしまった人は「真実知死」にいたるという。 これは名誉ある死で、誰しもが憧れる死に方だ。 実際に真実知死で死んでいったものは一人もいないかもしれないし、多数、存在しているのかもしれない。 その死に方は「驚きすぎて呼吸が止まってしまうことが原因による窒息死」であるといわれている。⑦つすべての真実を知ったその瞬間、「はっ」と驚きすぎて、死ぬのだ。 だから誰にもわかりやしない。ただの窒息死か、真実を知ったことによる窒息死か

    • 踊り続けること

      7回忌を迎えた。 妹は幽霊が怖くなくなったらしいし、 母はずっと強い。 兄は、、、相変わらずよくわからない。 私はというと、相変わらず書斎を漁っては、 父が読んできたであろう本を手に取っている。 父のことをこれ以上、知ることはないだろう。 どんな価値観を持ち、どんな仕事をし、どんな風に人と接し、生きていたのか。 娘の私にとって、父は父以上の何者でもなかった。 私と父は顔も性格もなんとなく似ていたので、反抗期は嫌悪感が凄かったし、 父は小っ恥ずかしい愛情表現を平気で言

      • 呼吸の話

        初めて海に潜った時、中性浮力を保つ為の微調整は肺で行うと習った。 息を吸って、肺を、風船みたいに大きく膨らますと私は浮かんだ。 逆に、息を吐いて、肺をしぼめると私は沈んだ。 それはとても不思議な感覚だった。 結局肝心なのは、海の中でも呼吸をすることだった。 海の呼吸は、慎重に、強烈に意識して、上手くできたと思う。 じゃあ、 地上の呼吸は? 上手くできているかしら。

        • 思考のリサイクル

          おわり 宇宙には思考製造工場があります。 そこから毎日毎日、生まれた赤ん坊の元へ、思考が送り届けられます。 それははじめ、とてもぼんやりとした形をしています。 みんな、おんなじ形をしています。 そして、その赤ん坊が出会うものや人によって、形づくられていきます。 粘土みたいに。 一生を通して、さまざまな形ができあがるのです。それは、最後までどんな形になるかわかりません。 形あるものは、いつかはなくなってしまいますから、その一生が終わると、その形づくられた思考は、また

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