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「スモール・スモール・スモール・ステップ」その2

場面緘黙の子どもに必要な4つの支援

改めて、今回読んだ本はこちらです。

この本の中では、場面緘黙の子どもに必要な支援の基本として、以下の4つが挙げられています。

①幼稚園や学校で安心して過ごせ、活動や授業への参加度を高める支援
②話せるようになるための支援
③家庭への支援
④社会生活に関する支援

56ページ

さらに、①と②はどの子どもにも必要な支援で、かつ、最重要な支援であり、セットで考えるものだとも述べられています。また、③と④は子どもによって必要な場合と必要でない場合があるそうです。


自分に当てはめるとどうなるか

これら4つの支援を大人の私に当てはめると、どのように置き換えることができるでしょうか。

①幼稚園や学校で安心して過ごせ、活動や授業への参加度を高める支援

まずは「①幼稚園や学校で安心して過ごせ、活動や授業への参加度を高める支援」についてです。
これは、場面緘黙の子どもが経験している「困った場面」を解消し、子どもが安心して学校生活を送ったり、楽しく活動や授業に参加したりできるように支援するというものです。
これを変換すると、「①職場で安心して過ごせ、仕事への貢献度を高める配慮」とすることができるのではないでしょうか。

ここで、「支援」を「配慮」に置き換えたことについて、私の考えを述べたいと思います。
幼稚園や学校は、子どもが学ぶ場であり、子どもが成長するためにサービスを受ける場所であると考えます。それに対して、職場というのは、逆に顧客にサービスを提供する場であり、従業員一人ひとりが利益貢献する場所であると考えます。
したがって、職場が障害のある従業員を支援するというよりは、従業員が十分に貢献できるよう適切な配慮を行うというほうが、職場と従業員との関係をうまく表現できているのではないかと私は考えたのです。

②話せるようになるための支援

同じように考えて、「②話せるようになるための支援」も「②話せるようになるための配慮」と置き換えました。

本書で筆者が述べている「②話せるようになるための支援」には大きく2種類あり、「①専門機関中心支援」と「②学校中心支援」があります。
「①専門機関中心支援」に関しては、私の場合、場面緘黙症ではなく、双極性感情障害という精神疾患で病院に通っているため、そこに相談すれば専門家の支援は受けることができるでしょう。

一方、「②学校中心支援」の場合、筆者は「担任の先生と保護者、本人、およびクラスメイトが協力し、幼稚園や学校を利用して、話せる場面や人を増やしていくものです。」と述べています。
これを単純に置き換えると、「職場の上司と保護者、本人、および同僚が協力し、職場を利用して、話せる場面や人を増やしていくものです。」となるかと思います。
正直なところ、職場にここまでの支援を要求することは難しいのが現実ではないかと思われます。ですので、「②学校中心支援」を「②職場中心支援」に置き換えたとして、その内容は「職場の上司に相談し、話しやすい環境をつくれるよう配慮してもらう」くらいにしておくのが無難かと思います。


③家庭への支援

「③家庭への支援」というのは、家庭生活や社会生活に関する支援を実施している保護者や家族に対して、場面緘黙の正しい知識を持ってもらうというものです。
場面緘黙の症状の重さによっては、大人になってからも保護者からの支援が必要な場合もあると思います。そういった場合には、この「③家庭への支援」が必要になるのでしょう。
私の場合、ありがたいことに、両親が場面緘黙に理解があり、いつでも相談に乗ってくれるため、この「③家庭への支援」は必要ないと考えられます。


④社会生活に関する支援

「④社会生活に関する支援」の目的は、幼稚園や学校以外の場で、子どもに自信を与えること、「自分にはこれができる」という子どもの自己有能感を育てることです。
そのための具体例として、子どもの希望する習い事に通わせる、買い物の一部を子どもにやらせる、といったことを筆者は挙げています。

私の場合、「職場で報告・連絡・相談ができない」という失敗体験は、仕事以外の成功体験で埋め合わせできるものではないと考えます。なぜなら、現在、私は趣味でピアノを弾くこともできますし、一人で買い物をすることもできますが、職場でうまくコミュニケーションができないことについてずっと悩んでいるからです。

仕事以外の場での成功体験は、自己肯定感を高める一つの要素となってくれるのかもしれませんが、私にとっては、職場での成功体験を重ねることが重要であると考えます。
ですので、「④社会生活に関する支援」は必要ないとするか、「④職場での成功体験を重ねるための配慮」とするのが妥当かと思われます。


今回はここまでとして、次に続きます。


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