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失恋して学んだ話1

これは私がアメリカから日本に帰国して就職活動中に起きた出来事である。

事件が起きる数年前、私は自分が作った動画をYouTubeに上げていた。
するとアメリカへ転勤中だったある日本人の男の子から一通のファンレターをいただいたのだ。

私はファンレターをくれた男の子に逢いに行った。

日本帰国のちょうど一週間前、私は彼からFacebookの友達申請をもらった。
2年近く文通していた私達だが、彼の出向期間が終わり日本へ帰国してからはお互い忙しいこともあって、ぱたっと1年ほど通信が途切れていたのだ。
そのため、友達申請が来た時は彼の存在すら忘れていた。

「mocoちゃんですか?覚えていますか?ハルキです。」

「あれ???お久しぶりです。」

「mocoちゃんの事が気になって、Facebookで探しちゃいました。
ちなみにブログもいつも読んでいますよ。」

そう、確か彼は当時私がやっていたブログを読んでいた。
それを聞いて私は少し恥ずかしくなった。
私は当時から支離滅裂で赤裸々な事しか書いていないからだ。
でも、私のブログが好きだと言ってくれたのを今でも覚えている。

「もし近いうちに日本へ来るのでしたら、お会いできませんか?
一度お話ししたいと思っていました。」

こうして、私たちは3年という月日を経て、やっと会う事ができた。
ちなみに、この時点でお互いの顔は知らなかったので、Facebookで初めて自分の顔を見せることになる。
以前の私なら怖いから絶対嫌だと思っていたが、2~3年も文通していたため、恐怖心はとっくのとうに薄れていた。
その人がどんな感じなのかはだいたい想像ができた。
危険人物ではないだろう、会って変な人だったら二度と会わなければいい。
そう思っていた。

待ち合わせは銀座のど真ん中にあるアップルストア。

正直メチャクチャ緊張した。
久しぶりの日本で、まだ浦島太郎状態で、日本人の男の子とデートしたのは3年ぶりだったからだ。
といっても、就職活動で忙しかった私はランチだけ済ましてその日は早々に帰ってしまった。

彼はその時28歳で、メガネをかけていた。
実際緊張しすぎて何を話したのか覚えていない。
覚えているのは秋田料理を出してくれるお店に連れていってもらって、実はエリートだということ。
和歌山出身で京都大学卒業、東京大学の大学院へ行って、電子工学の勉強をずっとしていた。
そして某テーマパークの技術部に入りたかったが、新卒採用で落ちて、今は某航空会社のパイロットになったということだった。

凡人の私からしたら天と地の差で、全く接点がないため、何故私に興味を持ったのか全然理解できずに緊張は増すばかりだった。
正直、何故かとても不自然に感じた。
何故私に興味を持ったのか聞いてみたら、自分は絵も描けないし、物創りができないから、出来る人はすごいと思うと言われた。

初めてのデートが終わった後、就職活動が本格的に忙しくなり、1ヶ月くらい彼とは会わなかった。
彼からも誘いがなかったので、きっと私に興味がなくなったのだろうと思い、私も特に気にしていなかった。
しかし、私は就職活動でものすごくストレスを溜めていた。
ストレスがひどくて、抑えられず、ある日姉のマンションへ行って愚痴を聞いてもらいに行った時にその子とのデートの話しをちらっとすると、姉は急にこう言い始めた。

「あんた、デートでもしてきなさい!気分転換に!
その男の子、良さそうじゃない?
mocoちゃんの感性が好きだって言ってくれたんでしょ?
そんな事言ってくれる人なかなかいないよ。
ダメだよ、ちゃんと連絡取って、会いに行かなくちゃ!」

何故か姉に押されて、その子にもう一度連絡することになった。
確かに、ストレスで気分転換がしたかった。
私は日本では友達も少ないし、恋仲にならなくても、友達として会ってほしかった。

スマホの画面には

「自分も忙しかった。是非会いましょう!
どこか美味しい所探しておきますね!」

という返事。

そして彼と会う2回目の日。
私は姉に勝負服!と言われて半ば無理やりショッピングに行かされ、買ってもらったとても可愛いワンピースを着て、めいっぱいおしゃれをして会いに行った。
別におしゃれをするつもりはなかったのだけれど、姉いわく、可愛いと思われるほうが得!とのことだったので、髪の毛もサラサラにしていった。

「きゃー、mocoちゃん可愛い!
もーこんな可愛い子が会いに来たら、ハルキさんドキドキしちゃう!」

姉バカ丸出し。でもお姉ちゃん大好き。
今まで就職活動でおしゃれなんかしていなかったから、たまにはこんなのもいいなと思って、気分は上々だった。

今思うと、おしゃれしている時が一番楽しかった。
彼と会う2日目、私は彼から衝撃的なことを聞かれる。


続く

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