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失恋して学んだ話2

前回の記事:

こうして、私はおめかしして彼に会いに行くのだった。
同じ、銀座のど真ん中にあるアップルストアの前で。
5分前に着いたのに、もうハルキさんはストアの中で私を待っていた。

「お待たせしました。行きましょうか。」

にっこりと微笑んでみた。
この日はおしゃれをして気分がいい。
ハルキさんはコートを着て、シックな靴を履いていた。
社会人の男性らしい落ち着いた格好だった。

前回はランチだったけど、今回はディナー。
有楽町にある小龍包のお店へ行った。
今回もハルキさんチョイス。
小龍包が大好きな私は嬉しくてしょうがなかったが、実はこの時も緊張してあまりご飯が食べられなかった。
なんだ、私って結構女の子らしいとこあるじゃん。

ご飯を食べながら、就職活動の状況や、仕事の話など、お互いの近況を話した。
ごく普通の他愛ない会話。
面接での対応、エントリーの書き方等、就職活動について色々とアドバイスをもらった。
ハルキさんの会社についても詳しく教えてもらい、CAについても教えてもらった。
私なら英語ができるからCAになれるかもしれないと言われた。
きっとそれ以外にも過酷な試験があると思うのだが、旅行が好きだからこの時は満更でもなかった。

そして、ご飯を食べ終わり、少しの沈黙の後…

「彼氏とかいるんですか?」




………キタッーーーーーーーーーーー!!!!




「あ…えっと…いないです。ハルキさんは?」

「いないですね~。」

しーーーん。

えーっと、こういう時、なんて言えばいいんだ…。

「彼女作らないんですか?」

とか言ってみる。

「うーん、作ろうと思ってもなかなかうまくいかないんですよねぇ。」

「なるほど。」

「アメリカと日本の男の子ってどう違うんですか?」

ほう、そこが気になるのか。
てか、ハルキさん、2年もアメリカに住んでいて違いとか分からないのか?と頭の中で思ったのは秘密。
まぁ女の子視点での意見も聞きたいよね。

「そうですねぇ…。
一応アメリカ人とも日本人とも付き合ったことありますけど、あんまり変わらないと思いますよ。
言語や文化は違うけれど、考えていることや行動はだいたい同じですね。」

そんな感じの会話をしていた気がする…。
今思うと私の回答、何の面白味もないな。
もっと期待通りの答えが言えないのか。
ただ、この時の会話はあまり詳しく覚えていないのだけれど。

こうして、食事を終えた私たちはまだ時間もあるしということで、喫茶店へ移ることになった。
喫茶店でケーキと紅茶を頼む。
確か、ケーキはまぁまぁだったが、お茶がなかなか美味しいお店だった。
私はそれなりにいい気分でいた。
この時も何か適当に話ししていたと思う。
しかし、私のいい気分は彼の一言でぶち壊された。


「あのさ、ちょっと気になってたんだけどさ」

「はい。」

「エッチする時って英語と日本語どっちになるの?」





…………はあああああ?




何言ってんの、この人。
いやいやいや、ちょっと待て。
まだ私たち会って2回目で、まだまだ話すことあると思うのに、何を聞こうとしている?
こういう話ってそんな簡単にするものなの?

私の顔(ちなみに、私は自分の感情が顔に出やすい…。損な特徴だ。)がものすごく熱くなって、テンションが一気に下がるのを感じた。
何故だか、セクハラを受けている気持ちになった。

「え?今何て?」

「いや、エッチする時の言語って英語と日本語どっちになるのかなって…。
あ、嫌だった?」

うん、嫌です。

「いや、何でそんな事気になるんですか?」

「だって、そういうのって無意識に出るものじゃん。」

「無意識に?じゃぁ日本語だと何ていうんですか。」

「え…えっと…気持ちいい、とか?」



しーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。



き・ま・ず・い!!!!☆




いや、あのね、多分こういう時に私はのってあげないといけないんだよね。本来なら。
でも私ね、自分で言うのもなんだけど、ほら、上品だからさ。
ほぼ初対面の人にそういう話されるとイラっとしてしまうというか…。
これは文化の違いなのか?(いや、違う。)
普通彼女でもない女の子にそんな事聞く?
しかもお酒入ってないのにそんな話できるか!!

…なんて事を頭の中でぐるぐると考えていた気がする。
あ、この感情がドン引きというのか…。

そんなこんなで、ハルキさんにドン引きしてその日のデートは終わった。
そして私は人間の感情とは熱しやすく冷めやすいということを新たに学んだのだった。


しかし、事態は更に悪化するのである…。


続く

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