雑な考察?説明?自己満足。

暇すぎて好きな曲の歌詞を自分なりに考えて音楽をしっていこうという謎の試み

今まで歌詞も好きやけどそれ以上にリズムや声質を気にして聞いてきたからこそ、改めて歌詞をより詳しくかみ砕いていくことで自身の理解を深めていこうという変なやつです

歌詞として大好きなamazarashiの「バケモノ」について考えていきます

まず歌詞を

彼は化け物 嘘を食らう獣 月曜の朝に捨て犬のように公園で出会う

濡れたアサガオ 真夏の太陽の 真下で倒れ 息も絶え絶え おびえた目玉で

しなびた体毛を撫ぜれば ひきつる口元 痩せこけた体躯 それは憐れみだったか 情けなのかどうか 僕の嘘を一つあげようか

例えば僕は今消えたいのに 嘘をついてる 嘘をついてる 家族の手前 学校には時間通り出掛けるんだよ 

そして今日も楽しかったんだと 嘘をついてる 嘘をついてる

こいつを食らえ なあ化け物 ずいぶんうまそうに食うもんだな

彼は化け物 嘘を食らう獣 腹を満たして僕に懐いて見る間に育って

僕は除け物 飛び降りた歩道橋 病院の窓 すすり泣く母 木立に夕焼け

もの欲しそうな表情浮かべ 次第に肥大するその体躯 次の嘘をもっともっととせがむもんだから そうか 僕の嘘を一つあげようか

ほんとは僕、死に損なったのに 嘘をついてる 嘘をついてる 家族の手前 「運が良かったんだ」と 悪びれて笑ったよ

そして今日も息をするみたいに 嘘をついてる 嘘をついてる

こいつを食らえ なあ化け物 ずいぶんでかく育ったもんだな

僕の背丈を超えた化け物 嘘の塊みたいな僕を 綺麗さっぱり食べてくれないか

「生きるのが辛かった 苦しくてしょうがなかった だけど辛いと思われるのが 一番辛いことだから」

ようやく本音叫んだら 化け物は見る間に萎んだ でもね僕はまだ嘘を隠してる 自分さえ騙す僕の嘘を

ほんとは笑って生きたいくせに 嘘をついてる 嘘をついてる 理想、現実 そのずれを 埋めるための仮初の夢想なら

弱い僕らに嘘は必然か 今日も誰もが 嘘をついてる

そいつを食らえ なあ僕らは 表裏一体の実像と影

彼は化け物 嘘を食らう獣 一人に一人 誰も彼もが背後に匿う

その隠し事 蓋をしてる腫物 君の背後に そびえ立つ影 ずいぶん巨大だな



僕は雨が降り翌日のじめっとした晴れの日、登校中の公園にいる息も絶え絶えの弱々しいバケモノに出会う

口元がひきつっている痩せたバケモノに対して同情のような気持ちで主人公は「嘘」を一つあげることにする

そこで僕は、本当は消えたいのに家族を心配させないために楽しかったと嘘をついていることを告白する。痩せたバケモノはその嘘をうまそうにたべる。

ここまででこの僕の人となりが少し分かった気がする。この主人公は学校やこれからのこと、もしかしたら生きていること自体が嫌でいますぐに消えたいと感じている。でもそんなことをしてしまうと家族に迷惑がかかってしまうから嘘をつくことで周りに心配をかけないようにしている。そんな日々を過ごしている時に公園で嘘を食べる奇妙なバケモノに出会った。

嘘を食べて育っていくバケモノは腹を満たして僕に懐き始める。学校でそうされたのか、それとも人と馴染むことが出来ずに心がそうなってしまったのか、除け者になった僕は歩道橋から飛び降りる。しかし死にきれずに病院に運ばれてしまい、結果的に自分がしたくなかった心配を母にさせてしまう。

最初はひきつった口元で痩せこけたバケモノも僕に対し、もっともっとともの欲しそうな表情を浮かべながら嘘をせがむ。そして僕はもう一つ嘘をバケモノにあげる。

本当は死ぬために歩道橋から飛び降りたが死に損なってしまったはずなのに、運悪く死ぬことが出なかったのに、家族には「運が良かった」と嘘をついたことを告白する。その嘘を食べたバケモノはどんどんと大きく育っていく。

僕の嘘を食べ続けてきたバケモノはついに僕の背丈を超えるくらい大きくなる。嘘をつき続けてきた、嘘でできあがったような僕を食べてくれとバケモノにせがむ。しかしここで僕は心の底に思っていた「本音」をバケモノに告白する。僕は生きることが辛いし苦しいと感じていたが、それ以上に周りに同情されること 他の人に心配されることが一番辛いことだと打ち明ける。すると本音を聞いたバケモノの背丈を超えていた体躯がみるみる萎んでいく。しかし僕はここで僕は自分すら騙していた「嘘」をバケモノにぶちまける。

本当は笑って楽しく生きたいと思っているのに嘘をついている。本当の僕は「死にたい」のではなく「生きたい」と思っている。辛くて苦しくて死にたいのでは無く、自分を辛く苦しめているものを解決して楽しく生きたいと思っている。そして僕は「嘘」を(理想)と(現実)を埋めるための仮初の夢想だと考える。(家族に心配をかけず楽しく笑う生活)と(除け者にされていて理解者がいない疎外感にさいなまれている生活)との溝を埋めるために「嘘」をついていることに気づく。弱い「僕ら」に嘘は必然だと認める。嘘を生きていく中で必要な物、つまり肯定的に捉えるようになる。そしてここで変化が起きる。今までは「バケモノ」と呼んでいたが ここでは

なあ「僕らは」表裏一体の実像と影

と呼ぶようになる。この「バケモノ」と呼んでいたものは自分とは違うものではなく自分の中に存在し実像と影のように密接な関係にあるものだと理解する。そしてその実像と影の間を埋めるものが「嘘」だった。

バケモノは誰もが背後に匿う これは嘘をつくことで生まれる罪悪感なのか背徳感なのか そして最後の終わり方 にやっとしてしまうような終わり方を含めて最高の曲です



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