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妊娠を「して“しまった”」とは言わないでおこう

今日は4月3日(金)。さらに5月29日(木)に公開前チェックをしている。

3月の初めに妊娠がわかり、現在は9週目(3ヵ月)。
まだまだ「初期」といわれる段階なので、最低限の人にのみ報告と相談をしていて、友達にすら伝えていません。

おりしも新型コロナウイルスが流行りはじめ、3月の下旬に予定していた地元(大阪)にいる友人たちとの大きめの集まりは無期限の延期になった。
それが決まったのは2月の終わり頃だったと記憶していて、「3月の下旬なんだからできるのでは」と思っていたけどこれは完全にわたしの見込み違いで、4月になった今も新型コロナの感染者数は増え続け、自粛は続いている。
どちらにしても3月の下旬は初期も初期のあやうい段階だったので、コロナのおかげで行かずに済んだし無用な心配をかけずに済んだ、と思うことにしている。
(でも、この友人たちにはなかなか会える機会がないので、おそらく出産の知らせが次のコンタクトになるだろうと思っている)

【つわりの時期】
一般に妊娠5~6週頃から始まり、8~10週にピークを迎えると言われています。わたしの場合、3月の下旬は8週だったため、つわりによる体調の悪化が心配でした。もちろん出先ではすぐにかかりつけの病院に行くこともできないので、初期は遠距離の移動は控えるのが望ましいとされています。

お仕事、どうしよう

同じタイミングで大阪での取材があり、日程調整を進めていた。日程は3月の下旬で決まったものの、主要メンバーの皆さんは大阪にいて、わたしは東京からお邪魔する形になるはずだった。
「コロナのこともあるし、どうしましょうか?」と気遣ってくださる編集さんの気持ちがとてもうれしかったのだが、しかし、現地取材で直接話すことで得られる情報量はケタ違いなので、私はできれば行きたいと思っていた。
でも、今はコロナ感染リスクがあること、長距離移動や万一の際の病院…などを考えると気軽に「行きます」ということもできず、わたしは迷い続けていた。
そのときのスマホの検索窓には「妊娠初期 出張」「妊娠初期 遠方移動」「妊娠初期 新幹線」といったワードがずらりと並んでいた。

けれど結局、これは後悔先に立たずだなと思い直して「実は妊娠していて、」と切り出した。妊娠を告げたのはこのように、仕事で直接やりとりがあって、直近でご一緒する予定がある人だけだった。
編集さんは即座に「それはもう絶対遠隔での取材にしましょう!!」と言ってくださり、すぐにオンライン取材の手配を進めさせていただけることになった。

【職場への妊娠報告について】
一般的に「安定期に入ったら」もしくは、体調などに問題がある場合には直属の上司にのみ早めに報告し、指示をあおぐことが多いです。安定期というのは妊娠16週以降のことなので、この時点からは大きな開きがあります。わたしはフリーランスなのでフレキシブルに判断をしましたが、やはり初期流産のリスクがあることを考えると、お知らせをためらっていました。
初期流産(12週までの流産)は、流産全体の大多数をしめるもので、決して珍しいことではありません。胎児の染色体異常によるものなので、妊婦さんやお医者さんに防ぐことはできないそうです。

うっすらと感じる“申し訳なさ”

オンラインで取材をできることになった。それ自体は本当にありがたいことだったのだけど、「本当なら現地で顔を合わせて取材したほうがいいんだけどね」と誰もが思ったのではないだろうか。いや、それは明らかにそうなのだ。対面に勝るものはないと思うし、オンラインではどうしても得られないライブ感は確かにある。
それを「妊婦である」ということを振りかざして妥協させてしまったような気がして、ずっと「申し訳ないな」と感じていたりもする。

仕事で関わりのある人に妊娠を告げるときは、だいたい、何らかの負担をお願いするときだ。
遠方や長時間の取材に行けないとか、スケジュールを少し長めにとらせてほしいとか。
そんなとき、申し訳ないなという気持ちから「妊娠してしまいまして」と言いそうになった。実際、チャットワークやメッセンジャーのテキストボックスに何度か打った。
けど、これは絶対に言ってはいけないことだとも思う。
それは、自分がまるで「望んでいなかったのに妊娠してしまった」と責任を逃れようとしているみたいだなと思ったからだ。

何を言っているんだ、あんなに子どもが欲しいと毎月毎月カレンダーと睨めっこして、夫に「今日あたりだよ!」とわざとカラっとした口調で排卵予想日を告げ、体を冷やさないように注意を払い、葉酸のサプリメントまでのんでたくせに、どの口が「妊娠して“しまった”」なんていうんだバカ。

「してしまった」とは絶対に言わないようにしよう。誇れとまでは言わないにしても、自分の妊娠を下げるようなことは言わないようにしよう。それで「迷惑だ」と思われたなら、その人からはもうお仕事をいただけなくても仕方ない。
仕事としてお声がけいただいたからには全力でやるけれども、それと同じくらい大切なことがある。

だから絶対に恥じないし、フォローをお願いすることを申し訳ないと思うことはあっても、妊娠したこと自体を申し訳ないとも思わないようにしたい。

「会社に迷惑をかけてしまうかも」とか、「思うようなペースで仕事ができなくなるかも」と不安な妊婦さんはたくさんいると思う。
でも、どうか「申し訳ない」と思わないでほしい。仕事をする人として、自分のもてる範囲の責任はきちんと果たすべきだけど、妊娠したことそのものを「悪いこと」だと思わないでほしい。

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