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ハードウェアエンジニアが上場企業からスタートアップへ飛び込んで4年経った話

大手企業でハードウェアの開発をしていてそれなりに満足しているけど、なんとなくもやもやしている方、多いんじゃないだろうか。
弊社エンジニアの安見がそんなもやもやからひょんなことをきっかけに大手企業からスタートアップへハードウェアのエンジニアとして飛び込んで4年、入社当時の様子やこれまでのご自身・会社の変化についてインタビューをしてみました。

安見さんが入社したのは、まだアイリスが創業したばかりでシェアオフィスに入っていた頃と聞きました。

当時アイリスが入居していたシェアオフィスに、同級生も起業して入っていたんです。その同級生がたまたまアイリスの『医療機器ハードウェアエンジニア募集』の求人を目にして、オリンパスにいた自分に声をかけてくれました。
当時転職はまったく考えていませんでしたが、現状に対してモヤモヤしているところはありました。その時に携わっていた研究開発の仕事は面白い製品になるだろうと感じていたものの、世に出るまでに10年はかかりそうなもの。同じ時期に研究室のOB会に行ったところ、ほかの大企業で研究開発をされていた人が「何年もやったけど製品化はしなかった、転職して初めて製品化に貢献できた」と嘆いていて、自分よりも優秀な人でも仕事の性質によってはそうなるんだなと。また、同期が海外駐在に旅立つなどステップアップしていく中、キャリアを自分でコントロールできていない焦りがありました。私は開発者として技術を突き詰めていくタイプでもなく、その路線では人に勝てないとも感じていました。
スタートアップというと、潰れるリスクや普通のキャリアではなくなることの影響が気になると思います。でも、普通のキャリアでなくなるということはレアで市場価値の高い人間になれる可能性があるということ。市場価値が上がれば潰れてもなんとかなるだろうと(笑)、そう思って飛び込みました。

入社時に用意されていた座席。

その頃(2018年)のアイリスはどんな感じでしたか?

当時は、代表の沖山さん、副社長の加藤さん、コーポレートの山崎さん、事業開発の田中さんの4人しかいなくて、自分が5人目です。今のアイリスのメンバーも知らない人が多いと思いますが、実は初期の頃、田中さんも製品開発に携わっていたんですよ!田中さんは設計や開発の経験がないのに、持ち前のプロジェクトマネジメント力だけでモノをつくり上げてしまうんです。やることを書き出して、細かく細かく分解して一つずつ詰めていく。それまで開発はやったことがあるけどプロジェクトマネジメントをしたことがなかった私は、田中さんの仕事の進め方に大きな衝撃を受けましたね

アイリスに入った頃のご自身を振り返ってどうですか?

今思うと、何の経験もなかったですし、トンチンカンな質問を連発していたと思います(笑)。開発自体はやったことがありましたが、例えばアイリスの機器に必要な規格試験には初めてのものもあってよくわからない。いろんな人にアドバイスされてもそれがわからない。でも解決しなきゃいけない課題が目の前にたくさんある。一つひとつやっていくしかありませんでした。3ヶ月後は?半年後は?という視点はありませんでした。

この4年間で仕事内容はどう変化しましたか?

1年目は、ハードウェアエンジニアが自分ひとりでした。それから2人になりましたがまだまだチームというより二人三脚の状態で業務のメインも開発のままでした。そのあと3人4人と人数が増えてだんだん “チーム” になっていくにつれ、メンバーの悩みとも向き合ったりもするようになり、製品の開発はもちろんですがチームマネジメント・プロジェクトマネジメントの仕事も増えていきました

大変だったことはありますか?

1年目は、目標としていたスケジュールでは思ったようなカメラをつくることができませんでした。プロジェクトマネジメントに不慣れだったので、何とかなるだろうと思って細かく詰めずに進めていたら「これだとできない」とあとからなりました。協力いただいた方や期待いただいた方にも迷惑をかけてしまい、今思い返しても辛い記憶です。
今はその経験から、今やらないといけないことを見過ごさないようにすることを意識しています。それから、プロジェクトを進める上では「信頼するけど信用しない」ようにしています。理解しないまま放置しないこと、ものは自分で絶対触ること。チームの仕事に対して細かい指摘をすることはないですが、最終安全ラインは自分が見ているということを伝えています。
今も正直大変です。量産や販売が近づいてきたので、これまでは後回しにできたことができなくなってきています。また、それまではとにかくつくることが大事でしたが、今後は販売やCSのことも鑑みて開発しなくてはいけません。考えるべき範囲が広がることの難しさを感じています。

入社した頃と今とで、ご自身に変化の実感はありますか?

技術力というよりプロジェクトマネジメント力、課題を解決する力という点での成長実感が大きいです。先々のことを考えて意思決定することや、チームへの伝え方など、意識することが増えました。
それからそういった力が身についたからこそ、知らないことに取り組むハードルがとても下がりました。新しいことをやるときの対応自体も早くなっていると感じます。これはアイリスのほかのメンバーのやり方に影響されたのですが、まずその分野の本を10冊くらい買って読んで、仮説を立てる。聞くべき人に聞きにいく。そして何からやるかを見極めて実行する。例えば未経験だった生産管理は今この方法で挑戦しています。
どんどん新しいことをかじっていけるので、楽しくなります。

アイリスはどう変化しましたか?

人がだいぶ増えましたし、開発したカメラはAI医療機器としての承認もされました。はじめは組織も業務も開発が中心でしたが、最近は「つくる」だけでなく「売る」体制が整い始めています。社内制度は、就業規則など初期から充実していたほうだと思いますが、より、ちゃんとした会社らしくなってきているところです。
それでも新しく取り組むべきことや新しい課題が日々出てきています。カメラの開発でも改良の余地がたくさんありますし、AI医療機器という分野自体に新しいことに挑戦する余地が多々あります。今入社しても、開発力はもちろん、事業化を含めた幅広い問題を解決していくためのプロジェクトマネジメント力は間違いなく身につくと思います

アイリスに入っていなかったらどうなっていたと思いますか?

おそらくそのまま研究開発に取り組み、実現するのは10年かもっと先になるかもしれませんが、自分が研究したものを世に出そうと頑張っていたと思います。そしてきっとグローバルな活躍ができるよう英語の勉強もしていたでしょうね。あとは、趣味を充実させようとしていたかもしれません(笑)。
前職では面白い仕事に取り組めて、仕事の仕方や開発の基礎といった面でたくさん成長させてもらって充実していましたが、何か不安を感じていました。今思うと、努力の方向性として合っているのかや、自分の強みを最大限活かせているのか自信を持てず、このままで大丈夫なんだろうか、という焦りだった気がします。それでわかりやすく武器になる英語力を身につけようとしたり、趣味が特技になる期待をしたりしていたと思います。

ぶっちゃけ、アイリスに入ったのはいい決断でしたか?

いい決断でした
成長させてもらえたというのが一番大きいです。『人は周りにいる5人の平均で決まる』とよく言いますが、アイリスは幅広い業界業種から異なる経験を持つ人が集まっているので刺激を受けて成長できていますね。開発者としての専門的スキルでいえば、あのまま大企業にいたほうが身についていたと思いますが、アイリスで得られた成長はそれとは別なものですね。

最後にメッセージをお願いします。

社歴数年のハードウェアエンジニアだと、まだ一人前の感覚がない人が多いと思います。私もアイリスに入った頃はありませんでした。でもアイリスに入ってからグッと成長角度が上がりました。だから「今の自分に何ができるか」に捉われず、「やってみたい」「成長できそうだ」という感覚を信じて行動することが大切だと感じています
AI医療機器はますます発展していく分野です。アイリスも、現在の製品の開発だけでなくセカンドラインの研究開発、企業との共同研究などの可能性が広がっています。面白い仕事が待っていますので、ぜひ一度お話を聞きに来てください。


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