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夏のケア

アーサナ×ヨガ哲学 季節のケア ~ 夏・残暑 ~


ヨガインストラクターさんがクラス設計をするにはいくつかの視点があることと思います。手法が増えると、生徒さんに多方面のアプローチが可能になります。
そんな視点の1つ、アーユルヴェーダによる季節のケアをご紹介。季節の性質を理解し、どのようにアプローチするのが効果的かを示しています。(1つ1つのアーサナやプラーナヤーマの手順などは載せていません。また、クラスやご自身の練習で活用される際は心身の状態が禁忌にあたらないか考慮してください。)

こんな方に

  • クラス設計のヒントが欲しいヨガインストラクターさん

  • 今より深くヨガを知りたいと思っている全ての方

  • 季節のケアを見方に付けて日々を快適に過ごしたい方

  • アーユルヴェーダとヨガの関係に興味のある方


夏~残暑(7~9月)

夏はピッタ・ドーシャが増加する季節。(ピッタは水と火のエレメントからなるドーシャ。)気温が高く厳しい暑さが続く季節になるため、ピッタの特徴である熱さが増します。食欲増進と共に体温も上昇するため、体内でも炎症が増加しやすくなります。また、台風シーズンにはヴァータ・ドーシャへのケアも必要になってきます。
夏を快適に過ごすためには、ピッタドーシャの特性を活かしながらバランスを保つことがキーワード!エネルギッシュな夏の活動を楽しみつつ、ヒートアップのし過ぎを避けるためのケアを意識します。
レッスン時に活動と休息のバランスの大切さについてお話したり、エネルギーチャージとクールダウンを意識したアーサナ構成を提供、食事やライフスタイルで気を付けるポイントをプリントやSNSでプレゼントするとレッスン参加時以外もヨガとの関りをキープしてもらいやすくなります♪


こんな症状に気を付けて

  • 安定しない食欲(食欲過多・食欲不振)

  • 胸やけ、胃酸の逆流、下痢など消化器の不調

  • ニキビ、発疹など皮膚トラブル

  • 夜間の不眠や浅い睡眠

  • 疲労感や倦怠感

  • イライラ、短気などの不安定感


オススメのケア

  • 温かく、軽く、消化の良い食事(スープ、加熱した野菜)

  • 冷却効果のある食事(スイカ、キュウリ、緑黄色野菜で冷却&水分補給)

  • ミントやコリアンダーなど消化促進のスパイスを調理やハーブティーで

  • 辛すぎるスパイスは控える

  • 早寝早起きで体力の回復

  • 心身に熱がこもる時は軽いアーサナを(食欲不振、疲労感で夏バテが心配な方)

  • 深部が冷える時は熱のパワーを引き上げるアーサナを(夏太りしやすい方。外気の暑さとバランスをとるため身体の深部が実は冷え、代謝がダウンすることが原因です。または強めのエアコンなどで冷えを感じている方)

  • ストレスを減らすための瞑想や深呼吸などのリラックス法

  • ぬるめのお風呂で内部の熱を冷やし、1日の疲れを癒す

  • 過度な暑さやストレスから心身を守る環境づくり


内臓的な特徴

  • 大腸、皮膚、脾臓など消化器官のはたらきが弱まりやすい

  • 乾燥や冷え、睡眠不足などの不調


一方でバランスが整えば消化のエネルギーが高まり、内側に太陽のような純度の高いエネルギーを取り入れられる時期でもあります。夏は自然界でも生命の巡りや成長が活発な時期です。自然のリズムと調和することで、以下のような嬉しい反応が起こり、自分自身が向かいたい方向へアシストしてくれます。

  • 腎臓や膀胱、リンパ系、骨格筋系などのオーガンが好調

  • 体温が上がり免疫力アップ、健康的に

  • クリエイティブな感覚が豊かになる

  • 思考が冴え、行動がスマートに

  • 集中力が高まり、物事の本質が見極めやすくなる

  • 活動的で楽しいエネルギーが高まる


押さえておきたいポイント

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