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白いコンバースを履けるのは回復の証

最近の朝は、家族の中で僕が一番最後に家を出る。戸締まりを確認して、猫の「まるお」を撫でた後に玄関へ向かう。いつもの靴を履こうとした時に、ふと立ち止まった。

あ、もうスニーカーを履いても大丈夫なはず。

そういえば、と思い至り靴箱の扉を開いてコンバースの白いスニーカーを取り出した。この靴を履くのは約3ヶ月ぶりだ。
去年12月にIgA血管炎を発症した時、足がむくみ、関節痛で足首が動かせなくなった。靴さえも履くのが難しくなり、あっという間に歩行困難になってしまった。
そんな中で唯一履けたのが、履き口がくるぶしより上にあるハイカットの靴。その靴でも足は痛くて歩きにくかったのだが、スニーカーよりはマシだった。外出する時は、その靴しか履けない時期がしばらく続いた。

あれから3ヶ月経ち、症状はだいぶ良くなった。少なくとも、関節痛やむくみは改善した。まだ動く量が増えたりすると、紫斑と呼ばれる内出血は起こる。でも、症状のピークの頃からすると普通に歩けるだけでも雲泥の差だ。

取り出した白いスニーカーを置いて、足をそっと入れてみた。

…おー。大丈夫そうだな。

この靴を履くのは3ヶ月ぶり。両足にグッと力を入れて1〜2歩進んでみる。足の痛みは感じない。

少しずつ。
本当に少しずつだが、元の生活を取り戻せているような気がして嬉しい。

いってきます。

ぽつりと玄関でつぶやき、玄関の扉を開いた。
外はあいにくの雨だったが、なんだか気持ちは少し晴れている気がした。

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