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神さまも、きっと一緒に笑ってくれたんじゃないだろうか。

近所の神社でお祭りがあるらしい。
そんな話を聞き、8歳の息子と2人で行くことにした。「少し涼しくなってから」と思い、午後5時頃に家を出たが、玄関を出た瞬間に秒で引き返した。

「帽子がソファのところにあったから持ってきな」 

日差しが強すぎる。夕方になっても、ギラギラと照りつける暑さは健在だった。昨日よりも日差しがきついように感じた。

息子にキャップをかぶせ、僕はタオルを頭に乗せ、2人で神社へと歩く。徒歩で10分かからないくらい。その間は息子が児童クラブでの過ごし方や、友達とのやりとりなど色々と教えてくれる。小学3年生になっただけあって、もう手をつないだりはしない。

「祭りに友達がいるといいなぁ」

神社までの道が足早になる。最近は息子が見つめる先には、親ではなく友達がいる。とても良いことだと、僕は思う。

歩いていた時に見つけた入道雲

近所の神社の祭りに行くのは初めて。去年9月に引っ越したので、今の家で過ごす初めての夏だ。

八幡神社の入口

神社では、屋台などが並んでお祭りの雰囲気が漂っていた。祭りの規模は大きくない。でも、この地区の人達が「こどものために」と作り上げた祭りだということがとても良く伝わってきた。

八幡神社の夏祭り

射的や輪投げなどは無料。かつ、終わったらお菓子がもらえたり。屋台も、かき氷、わたあめ、ポップコーンなどがあるが、全て200円。ドリンクも、500mlのペットボトルが100円。利益などではなく、コミュニケーションを大切にしている祭りなのだろう。

程なくして、息子はたくさんの友達と会うことになった。小学校や児童クラブで関わる地区だから、必然だ。色んな友達と楽しそうにしている息子の姿を見るのは、悪くない。
キャッキャとこども達同士で遊んでいると、親は時間を持て余す。少し疲れたのもあり、神社の石段に「よっこらしょ」と腰を下ろした。

何気なくスマホを見ると、奥さんからLINEがきていた。どうやら今いる神社は、僕が年始から入院した時に、奥さんと息子が「早く治りますように」と祈ってくれた場所だったらしい。あの絶望の年明けから早や半年が過ぎた。今ではこうして息子と2人で歩いて来れるくらいには、回復している。

遊びが一段落した息子を呼んで、一緒にお参りすることにした。お賽銭を投げ入れて、パンパンと2回手を叩く。

「その節は、ありがとうございました。おかげでかなり回復しました」

お礼を伝えた後に、ふと隣の息子を見た。右手には綿あめ、左手にはポップコーンを持った息子が、困ったような顔をして立っていた。

「両手がふさがってて手が叩けんかった」

その様子に、自然と笑ってしまった僕がいた。神さまがいたとしたら、きっと一緒に笑ってくれたんじゃないだろうか。

気が付けば、ギラギラした暑さも随分と和らいできたように感じた。

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