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デスクランプに灯った光は、仕切り直しの合図

僕の机の上は、よくタイムマシン化する。

職場のデスクが特にそう。年末に大掃除で片付けていると、半年以上前の仕事の書類や資料などが当たり前のように掘り起こされて出てくる。
「あ、これは3ヶ月前。これは先月」
一番下に置かれているものから順に時間経過が分かるので、さながら地層のようだ。
でも、「こういうの良くないよな」と思い、定期的に処分した時に限って「あの時のあの書類が必要だ」という場面に出くわす。そんなこんなで、結果的に書類などが捨てられなくなっている。

今回タイムマシン化したのは、自宅の部屋の机の上だった。元々はほとんど何も無い状態だったのに、この4ヶ月でワケが分からないくらいゴチャゴチャになってしまった。ノートパソコンを開くスペースもないくらいだ。

きっかけは、去年の年末から突然発症したIgA血管炎。ドタバタ&体調不良で机の上を片付ける余裕すらなかった。気が付けば、オシャレで設置したデスクランプにはホコリがうっすら溜まっている。言わずもがな、机の上もそう。そんなどうしようもない状態の机の上に、今日は思い切ってメスを入れることを決めた。当然、マスクを着用しての作業になる。

ガサゴソと書類や物を掻き分けていくと、やっぱりこの4ヶ月は病院三昧だったのだと改めて気付いた。入院時のパンフレットから始まり、病院の診療明細書や検査結果、保険の書類。湿疹がひどかった時の塗り薬や包帯、ケアテープなど闘病の履歴が地層のように掘り起こされる。
毎日同じ部屋で同じような日々を過ごしていたのであまり意識しなかったが、月日は確かに4ヶ月経っていた。

必要なくなった書類や資料をゴミ袋に入れる。そして、ホコリをかぶっていた机やライトを拭いて綺麗にした。

病はまだ治ったわけではない。今の段階では、症状は落ち着いてきているが、いつ再燃するかも分からない。ようやく回復の光が見えてきた気がしているので、ここでぶり返すとさすがに落ち込みそうだ。
そんな不安はあるが、机の上を「仕切り直そう」と思えたのは、気持ち的にも少しずつ回復してきつつあるからだろう。

綺麗になったデスクランプの電源コードを差し込み、ツマミをひねった。
パチンと音がして、60ワットの光がデスクを照らす。
久しぶりに光が落ちた真っさらのデスクは、なんだかやけに明るく見えた。

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