![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/142047527/rectangle_large_type_2_e38244dde337b3ca5cf71bf5c537f1b5.jpg?width=1200)
Photo by
pasteltime
1人と1匹のシフクノトキ
家に帰ると、体が疲れてぐったりしていた。
最低限の着替えなどを済ませたら、そのままソファに寝転がった。部屋の明かりは点けていないが、そこまで暗くない。窓の外では雨が降り出している。宮崎には今晩から明日にかけて線状降水帯がかかるらしい。
明日は雨がひどいのかなぁ。
そんなことを思いながら目を閉じた。
いつのまにか少し眠ってしまっていたのだが、手を動かした時にモサッとしたものに触れた。ふと気付くと顔の近くに飼い猫の「まるお」がいる。
背中をこちら側に向けて丸まって寝ていた。
あらら、いらっしゃい。
わざわざ2階の僕の部屋まで来てくれたらしい。
背中をポンポンと撫でる。最近はこんな感じで一緒に過ごすことが増えている。あんまりしつこくすると噛まれるので、適度に迎えてあげるのがポイントだ。しばらくすると、起きてその場でグッと伸びをした。
そろそろ起きるのか?
寝たまま視線を送ると、今度はくるりとこちらを向いてまた丸まる。そして、僕の腕を枕にして寝始めた。前脚は僕の腕に添えている。
まるおが、こんなに寄り添ってくれるのは珍しい。そして、嬉しい。
こちらが疲れている様子を察しているのか、それともただの気まぐれか。どちらにしても、一緒に寝て過ごすのは至福の時だ。
外で車が停まる音がした。
玄関が開いて、人がバタバタと動いているのが分かる。
「ご飯だよー」
階段の下から声がして、僕はのそりと起き上がる。まるおも、あくびをして体勢を整える。
「ご飯だってさ。行くか」
「ごはん」という言葉に反応して、まるおは尻尾をピンと立てた。僕よりも先に階下の明かるい方へ階段を降りて行く。
なんか兄弟みたいだな。
寝起きのぼんやりした頭でそんなことを考えていた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?