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世界はいつも誘惑に満ちている

10代の頃から温泉や銭湯は好きなのだけど、1つだけ苦手なことがある。

それがサウナ。
入った時の暑さと息苦しさがどうしても耐えられない。そして、水風呂。サウナから出てきた人がザッパーンと勢いよく入っていくのを見ると「本当に大丈夫なの?」と不安になる。
湯船でのぼせるくらいの状態になっても、水風呂を手で触れるとやっぱり冷たい。ここに肩まで浸かって「あ〜気持ちいい」と思える状態って、どんな状態なのよ?ずっとそう思っていた。

最近、amazonプライムで「サ道」というドラマを見た。原田泰造さんが主演で、第1話ではサウナにハマっていく様子が描かれていたのだが、なかなか興味深かった。
それまでサウナに興味がなかった、というか苦手意識すら持っていた原田泰造さん演じる「ナカタアツロウ」が、サウナ常連のおじさんの真似をするところから始まる。
サウナに10分弱入って、水風呂へ。その後に少し休憩して、またサウナへ。それを何度も繰り返していく。何度目かの休憩のタイミングで、突如として彼に訪れた「ととのう」という状態。そこでサウナの本当の気持ちよさを体感してしまう。

へぇ〜、そんな感じになるのか。

サウナが苦手だと感じていたナカタが感化されていく様子に、いつのまにか自分を重ねて見てしまっていた。

人の心を動かしたい時に、「共感」はひとつの方法でもある。「あーそうそう、そうだよね」と相手が思ってくれれば、そのモノとの心理的距離はかなり近づく。

『結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです。|ゼクシィ』

有名で素晴らしい広告。
これも共感度の高いキャッチコピーだ。

世の中に「心を動かそう」と企むものは、たくさんある。そのほとんどは、プロがターゲットに狙いを定めて作りあげたものでもある。

何かのきっかけで、自分の中のスイッチが押されて心が動かされる。

この感覚は、動かされる側からしても悪い気はしない。むしろ「これだ!」と新しいモノを発見できた気になるからだ。

世に出ているものを、ひとつひとつじっくりと見ていくと今までとは違う新しい自分が見つかるかもしれない。それくらい、世界は誘惑に満ちている。

今度、温泉ついでにサウナに行ってみよう。

こうして僕の「体が良くなったらやってみることリスト」に、今回めでたくサウナが追加された。

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