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【妊活記録#2】宣告

不妊治療専門クリニックへの通院が始まり、
まずは1周期かけてスクリーニング検査を行った。
検査と言えば"ブライダルチェック"というイメージを
持っていた私は(恥ずかしながら)てっきり検査は
一日で終わるものだと思っていた。
月経期、月経後、排卵期、黄体期、それぞれの
タイミングで出来る検査が異なるので
その都度、通院しないといけないのだ。
いきなり通院回数が増え、最初は戸惑った。

検査を進めていくと、あれよあれよと
色々な問題が判明した。

▪︎高プロラクチン血症
▪︎多嚢胞性卵巣
(生理周期は安定しているので症候群とまでは言わない。)
▪︎抗精子抗体陽性

中でも、3つ目の抗精子抗体は
不妊女性の中でも3%ほどしかいないらしい。

排卵期に2回フーナーテストをしたが2回とも不良だった。精子が全然いない、もしくは
いても全く動いていない状態だったのである。
この原因が私の中にある抗精子抗体というものだった。
進入してきた精子を異物とみなし、アレルギー反応を
起こしてこの抗体が精子を殺してしまうというのだ。

なんとおそろしい抗体だろう... 
今まで旦那の精子を皆殺しにしてきたのだと思うと
申し訳ない気持ちが込み上げてきた。

先生から、
「自然妊娠はほぼ不可能です。人工授精もあまり意味がない。すぐにでも体外受精をした方がいい。」
と言われた。それを聞いた瞬間、
頭の中が一瞬にして真っ白になったのを鮮明に覚えている。

周りの友達はみんな結婚してすぐに
妊娠して出産している子ばっかり。
自分もそうなると思っていた。

不妊症というだけでも少数派なのに、
その中でもさらに100人中3人を引き当てるなんて。
しかもすぐに体外受精?!まだ、タイミング指導も
人工授精もやってないのに、心の整理が追いつかない。

この抗精子抗体を宣告された日は土曜日だった。
家に帰れば夫がいる。早く帰って夫に会いたい。
診察室でそう思いながら涙を堪えた。
病院から帰宅して夫の顔を見た瞬間、
涙が溢れ出てきて、おいおいと泣いた。
夫も一緒に、抱き合って二人で泣いた。

そのあと、海でも見に行こうと言ってくれて、
二人で海の見える場所までドライブをした。
家にいるとどうにかなりそうだったから
とてもありがたかった。

2021年9月の上旬だった。
まだ残暑は残っていたけれど
外でぼーっとするには心地よい気温。
海風を浴びながらただただ海をぼーっと眺めた。

その日私は何回も夫に「ごめんね」と言ったと思う。
でも、夫は、
「気持ちは分かるけど〇〇ちゃん(私)が謝ることじゃないよ。俺は子供が欲しくて結婚したんじゃない。〇〇ちゃんと一緒にいたいから結婚したんだよ。」
と言ってくれた。その言葉が嬉しくてまた泣いた。

この時はまだ何も分からなくて分からないことが怖くて、
ただただ体外受精をするということが怖くて、
なかなか覚悟を決めることも心の整理をつけることも
すぐには出来なかった。難しかった。

でも、夫となら、この人となら頑張れそう。
それだけは強く確信した。夫が夫で良かった。

#妊活  #妊活記録 #不妊治療 #記録

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