不妊治療で休職した話

私は現在、不妊治療に専念するため休職しています。
職場の「不妊治療のための休職制度」を利用しています。
お仕事は、大学の事務員(正規職員)です。
休職する前は治療と仕事の両立ですごく悩んでいました。
同じように治療と仕事の両立で悩んでいる方も多いと思います。もしかしたら、自分の経験がどなたかの参考になることもあるかもしれないと思い、書いてみます。

両立で大変だったこと

私は体外受精をすると決めたとき、
始める前に職場に治療のことは話しました。
なので、急な休みや体調の優れない日が増えたときも
職場の方達の理解を得て働くことが出来ました。
仕事もスケジュールを調整しやすい業務内容だったので、
ありがたいことに困ることもそれほどありませんでした。
今思っても、本当に恵まれた環境だと思います。

では、何が大変だったか。
私の場合は「メンタルを保つこと」でした。

不妊治療の精神的負担は想像以上でした。
採卵から躓いていたので採卵結果が出るたびに
落ち込んでいたし、治療期間が長くなってくるにつれて
心の闇もどんどん深くなっていきました。
人に会いたくない日もたくさんあったし
悲しくて何もしたくない日もたくさんあったけど
仕事はやらないといけないし、責任もあるし、
職場に行って普通に振る舞わないといけなかった。

本当にしんどい時は周りに構うことなんて出来ず
職場でも態度に出してしまうことが多々あった。
そんな自分がすごく嫌でその度に自己嫌悪になる。
そんなのの、繰り返しでした。

しかも職場ではお子さんがいらっしゃる方も多いので
子育ての会話が嫌でも耳に入ってくるし。

なかなか結果が出なくてそれだけでもしんどいのに、
気持ちに無理をして職場に行く日々が続いたことで、
どんどん心が沈んでいって上がってこれなくなって、
どんどん卑屈で嫌な自分になっていくのが分かりました。

それが本当に辛かったです。

自分が今、大事にしたいことを考えた

そんな日々が続いていたある日、何かがプツッと切れて
職場に行けなくなったことがありました。
心も身体もボロボロで、結局2週間ほど出勤できず
毎日泣いていました。職場で嫌なことや何かキッカケ
となる出来事が特別あったわけではありません。
私の中に溜まっていってるストレスが
限界に達してきているのを感じました。
その間に、移植もしましたがもちろん陰性。

これを機に、休職を考えるようになりました。
職場でも、不妊治療の保険適用開始に合わせて、
不妊治療のための休職制度が導入されることを
人事担当の方に教えてもらった頃でした。

悩んでいたとき、人事担当の方と面談をして
休職について相談をしたことがありました。
その時、その方にこう言われました。
「今の自分が一番やりたいこと、大事にしたいことは何かな?それを優先するのがいいんじゃないかな。」

この言葉が私の背中を押してくれました。
改めて考えて、夫とも話し合いました。
当時の自分にとって、「いちばん大事にしたいこと」
それはやっぱり「不妊治療を頑張ること」でした。

今のままではこれからも心と身体をボロボロにして、
仕事も不妊治療も中途半端な気持ち、
このモヤモヤした気持ちのまま、続けることになる。
それは、今の私にとっていちばん大事にしたいことを、
いちばん大事にすることが出来ない。そう思いました。
そして、正式に休職することを決めました。

休職制度の内容

私の職場の「不妊治療のための休職制度」の概要です。

  • 休職期間は最長1年間。分割取得不可。

  • 1職員について1回限り。

  • 休職期間中の給与(給料及び諸手当)、賞与の支給は無し。 

  • 病気、ケガではないので傷病手当等も無し。

正直、休職に踏み切る前は給与・手当無しが引っかかって
金銭面の不安がとても大きかったです。

幸い貯金があったのと、一年間という期限付き
ということもあり、この一年は特に節約を意識して
過ごそうということで、踏み切りました。
現在、休職して6ヶ月経とうとしており、
貯金は出来ておりませんが、貯金が大きく減ることはなく
過ごせています。もっとストイックに節約すれば
貯金も出来ると思いますが・・・我が家は、
ストレスを溜めない程度に、やっています。
(食べることが好きなので食費はなかなか削れません(笑))

休職して良かった

こんな感じで休職して、もうすぐ半年が経ちます。
今の自分は、自分が今大事にしたいことを
大事に出来ていると、胸を張って言えます。
だから、この選択をして良かった。

ただ、この半年でやったのは
採卵1回、移植1回だけで結果は出ていません。
泣いても笑っても半年後には復職しないといけない、
その時自分がどう感じるのか、、、
それはその時になってみないと分かりません。
それでも「休職して良かった」が今の気持ちです。

平日は家事をしながら、家で運動やストレッチ、
散歩など身体を動かすことを心がけて過ごしています。
クリニックや妊活鍼灸にも、通いやすいですし
時間があるので食事にも気を遣えます。
逆に頑張りたくないときはしっかり自分を労って
機嫌良く過ごすようにしています!
今の私は、自分を大事に出来ていると思います。
不妊治療って、身体的にも精神的にも負担が大きいので
自分を大事にするのってすごく大事だと思うんです。
これからもこんな感じで休職期間過ごしながら
治療を頑張りたいと思います!

最後に

ここに書いたことは、
あくまで私の個人的な経験や考えに過ぎません。
また、休職制度の内容もあくまで私の職場での制度です。

不妊治療中の苦しみは人それぞれですが、
不妊治療をしている人々がもっと生きやすい世の中に
なればいいのになぁ、と常々思っています。

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