見出し画像

雨音とショパン

髪を切ったら、いちばんに、好きなひとに見てほしいと思ってた、勝手なマイルール。一度は連絡をしてみたけれど、なんとなく、今日はそれを守らずに、買い物をして自分の部屋へと帰る気分だったので取りやめる。初めてかもしれないな。

わたしの体はひとつなのに、たくさんの服を欲しがる。いつ着るのだろう、子供っぽい服ばかりがクローゼットに眠っているから、大人っぽくなりたくて、でもセンスがないからずっとお店をぐるぐるして、何も買わずに後にする。なんとなく、自分が変わっているような気がしている。変わりたいとも、変わりたくないとも思うけれど。自分のことを客観的に見られる瞬間が増えてきた、大抵が恥ずかしくて見つめたくない姿だけれど。

雨の音を聞きながら、Amazon Musicで清塚信也さんのショパンをBGMに歩いていると、なんだかとても贅沢な時間を過ごしているような気持ちになる。苦手な雨の日も、少し肌寒くても、大丈夫になる気がする。鞄の中に、試験が終わったら読もうと思っていた積ん読や、読みたかった小説があるからかもしれない。しあわせだな。

月曜日に連れて帰ってきた芍薬の白くて淡いピンク色のつぼみは、翌日帰宅したら開いていた。わたしの部屋があったかいからかな、水を毎日夜にたっぷり入れ替える、そのときの香りに癒やされる。今日立ち寄った店頭には、梔子が早くも並んでいた。次の子のことを思う。ちょっとデジタルなものから離れた休日も、穏やかで悪くない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?