見出し画像

深呼吸は、いちばん小さな”やすむ”こと

長いと思っていた1ヶ月は、あっという間に終わる。この期間、人と生活しなくなったわたしは一体なにか変わったのだろうか。自分の好きな花を買って、好きなだけ食べて、食べなくても何も言われない。体重は設定していた目標体重を割った、2キロ減ったくらいだけど。お皿を洗わずに放っておいても、誰からも怒られない。
昨日、オフィスで話した年上の人に、「さみしい?」と聞かれて、うーん、と考えた。なんだかずっと一緒に暮らしていた犬がいなくなったときみたい、と答えたら、ちょっと笑われた。でも、答えたらなんだかしっくりきた。別に、ひとりでも生きていけるし、なんなら楽ちんだ。でも、自分の想像のナナメ上をいく人や、動物や子どもと一緒に暮らすことは、毎日新しい体験をしているようなものかもしれない。

ただの単身赴任で、なんと大げさな。世の同じような境遇の人たちは、もっとクールに生きているんだろうな。あ、猫、と思ったときに、わざわざLINEするまでもないから、頭のなかでしゅわっと消化される。そういうどうでもいい話をするのが好きだった、いや別に死んでもないし戻ってくるけどね。苦手なことが、ちょっと先の未来を想像すること。仕事の目標設定とはまた違う。本当にくるのか分からないし、そこで幸せになっている自分が見えたことがない。常に、もっと先、もっとよくなる、ってじたばたしているみたいな。だからあんまり、数年後、って言われても現実味がない。大好きなアーティストのライブも、始まって真っ暗ななかで大音量を聞くその瞬間まで、実感をもてないまま。確実にくる未来なんてないよなぁ。当たり前なんだけど、それをすぐに忘れてしまう。

とはいえ、明日からまた1ヶ月半くらい、人と生活する暮らしに戻るんだけど、いろんなことに少し慣れてしまったから、たぶん適応するのにちょっと時間がかかって、厄介で面倒なこともある。面倒を避けて生きたいわけじゃないけど、凪の状態も落ち着くんだよな、常に荒波にいたいわけじゃない。わがままだ。やすみやすみ。そう書いていて、この文章を思い出した。

時間に追われたり、追ったりするのは一度やめて
自分の心を、この場所に戻すために
ひとつ、大きく深呼吸しましょう。
深呼吸することは、“実家に帰る”ほど大きくないかもしれないけれど
自分を「ここ」に戻すことができる
いちばん小さな“やすむこと”だと思うから。

誰かの反応とか、行動に期待するのはやめて、自分を指標にするってことが、もしかしたらひとりでも生きていける、ってことなのかな。わたしはわたしの、たのしいを。深呼吸して「ここ」に戻すことができるように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?