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日本経済を分析するためのノート(15)最終回

野口氏の『プア・ジャパン』はとてもためになる本でした。「貧困大国」日本の実状をいろいろと学ばせてもらいました。
しかし〝デジタル人材の育成が日本再生のエンジンになる〟というのには疑問をもちました。そこで、日本経済はどのような構造になっているのかを、簡単にですが、まとめてみました。
デジタル化、IT化の進展はこのノートの(14)で述べたような問題を孕んでいるというのが私の考えです。
しかしそれにとどまらない問題もあります。最後にそれについて補足しておきます。
IT化を進めるといってもそもそも日本は中国は言うに及ばず、韓国・台湾などのアジア諸国にも遅れをとっているのが現状だと思います。
日本でのIT化の進展は不可避であるにしても、やはりキャッチアップという性格のものです。しかもアメリカのIT企業は世界企業です。この巨大IT企業との競争という側面も持ちます。日本に巨大IT企業が出現することはないと思います。
その一方で、日本では「脱炭素化」が大きく遅れています。インフラ整備はほとんど進んでいないばかりか後退さえしているようです。
こんにち「脱炭素化」が遅れていることによって、日本の自動車産業はハイブリッド車の販売で大きな利益を得ています。しかしこれは「いつか来た道」ではないでしょうか。電機・通信事業においてかなりの技術力を持っていたために、逆に「ガラパゴス」となった過去を想起させられます(携帯電話、デジタルカメラ、ウォークマンetc)。
こうした問題が今後大きなことになるように思えてなりません。

このノートはこれで終わりとさせていただきます。機会がありましたら次は現在の日本のインフレと株価のバブル越えというようなことについて考察するノートをつくってみたいと思います。
長々とおつきあいいただき、読んでくださり、ありがとうございました。

終わり

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