日本経済を分析するためのノート(8)
③政府支出の経済構造への組み込み
三つ目の特質は政府支出のGDPに対する割合が大きくなっていることです。
2019年の時点で見ると
日本:39.2%
米国:38.5%
ドイツ:45.0%
となっています(出所:内閣府、OECD)。
1960~64年平均では、日本14.9%、米国28.7%、西独34.4%
1990年は日本27.6%、米国37.7%、ドイツ(1991年)46.5%でした(出所:OECD)。
ヨーロッパ諸国の比率が高く、またドイツは東西統一時から上下しながら同一水準にあるという特徴はありますが、「小さな政府」とうたわれても、趨勢として割合は増大してきています。
このように政府支出がGDPの4割程度にあたるものとして、すでに各国経済に組み込まれているのです。
この裏面にあるのが各国の政府の赤字の増大です。
政府債務残高の対GDP比は2020年で、
日本:242%
米国:126%
ドイツ:78%
となっています(出所:OECD)。
1990年は日本64.7%、米国57.3%、1991年のドイツは30%台でした(出所:OECD、IMF)。
さて、以上の考察に踏まえて、次回は「デフレ不況」と言われてきた日本経済の構造を簡単にまとめてみます。
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