まるで商業誌!分厚いB6コミック同人誌を作りたい!(印刷所等)
突然ですが、B6サイズのコミック同人誌を作りたい!と思って色々調べたことを忘備録としてここに残したいと思います。
後々、同士の方に役立てばいいな……。
■作りたい装丁について
最初に、私が作りたい本を簡単にまとめます。
商業誌のようなコミック本
B6サイズ
180~200ページ程度
背幅 約12~14mm
オフセット印刷
柔らかい
できればラフ紙(真っ白よりは色がついてるやつ)
カバー(PP加工)と帯付き
とりあえず、読みやすい商業本を目指せ!!!ってことです。
ではまず、下記の記事がとても分かりやすいのでぜひ読んでください。
これを読んだことが大前提でお話していきます。
読んでいただければわかるかと思いますが、
しまや出版様のコミック紙
が1番良さげとのこと。
だったらもうしまやさんで決定でいいじゃん!と思って動いていたのですが、ここで予想外の出来事が。
「コミック紙がメーカー在庫切れのため受付停止」
なんてことだ……!!
ただ過去の事例を見ていると、1か月程度で再開している。
今回もそうだろう、なんて思っていたのですが(結果的に2か月で再開)、確証も無いので居ても立っても居られず、他の印刷会社様で同様のやわらかい紙を扱っているところはないのかと調べることにしました。
※2022.7.5追記
しまやさん以外で印刷した後、再販でしまやさんを利用してみました。結論、しまやさんがよかったです。柔らかかった。
■いろんな本文用紙を見たり触ったりした感想
束見本の記事やそのまとめ等で挙げられている紙や、自分が調べた紙に対して、個人的に思ったことを羅列します。
あくまでも、200ページ程の分厚い本にすることを前提とした感想です!!
ちなみに私の推し印刷会社様は大陽出版様。
ところどころオフセット印刷以外も混ざっているので細かくは調べてください。
コミック紙(しまや出版様)⇒薄い!!これを基準に考えます。
アドニスラフ⇒商業本っぽい。厚みについて後述する。
(大陽出版様/トム出版様/きょうゆう出版様/EditNetプリンテック様等)新ハイバルギー(日光企画様)⇒アドニスラフと同じ。【⇒決定】
b7バルキー(大陽出版様)⇒いいと思うけれど、白い。
スーパーバルギー(大陽出版様)⇒200ページは硬い。数十ページ用!
書籍バルギー(大陽出版様)⇒アドニスラフより硬い。数十ページの薄い本ではいつも使わせていただいてます。
栄光コミック(栄光様)⇒いいと思う!でもしまやさんよりは厚い。
コミックルンバシフォン(緑陽社)⇒最高。200ページでも読みやすい。あとはお値段と部数問題のみ。
グレーバルキー(PrintWalk様)⇒とてもラフ感がある!素敵。でもしまやさんよりは厚い。試す価値あると思う。
少年漫画の紙(EditNetプリンテック)⇒実物見てないけど、すごい。今回の装丁では合わなかったけどB5でいつかやりたい。
……今思いついたものをひたすら書きました。
何度も言いますが、自分のやりたいものを基準に自分の感覚だけでコメントしているので、最終的にはご自身の目で見て手で触って決めてください。
●アドニスラフの純白度について
結局、アドニスラフが自分の理想に近いと思いました。
しかし、同じアドニスラフでもいろいろ種類があるそうです。
紙のメーカーさんのサイトを見ると、名称の後に数字が入っています。その数字は純白度を表しているようで、数字が大きくなるほど白っぽいらしい。
Wというのもあるが、whiteのW?一番白っぽいのかな?(知らんけど)
まぁこの色味は私は特にこだわらないから「へ~」程度で流します。
●アドニスラフの連量について
次に大事なのが重さ、厚さ!!!
印刷会社でもよく見かけるものが連量(kg)。
詳しくは各自調べてほしいんだけど、同じ紙でもこの数字が小さい方が軽くて薄いと考えていいはず……。でも、紙の種類が違うと同じkgでも厚さや柔らかさは異なってくるので注意!
特にアドニスラフは嵩高で厚みがあるわりに軽い紙です。
で、アドニスラフを使われている各印刷会社様は一体どの種類を使っているのか?
まとめていきたいと思うのですが、印刷会社によって名称が異なっていたりします。特にしまや出版様はアドニスラフなのか否かも分からないのですが、似ているので一緒に書いちゃいます。(ゆるいけど許して。あくまでも趣味の範囲だから)
※手元にある紙見本が数年前のもだったり最新のものだったり様々なので、色味の違いは不確かなものです。この紙は劣化しやすいので。
※厚みは誤差もありますし、必ずしも一致するわけではないです。
※「?」以外はサイトやツイッターで見かけた数値を引用。
日光企画様(新ハイバルギーナチュラル)⇒59.5kg/0.144mm/純白70
しまや出版様(コミック紙)⇒約0.14mm?色も手触りも日光さんと近い。1枚だと違いが分からないけれど、180ページで製本した場合、日光さんよりしまやさんの方が柔らかくて読みやすかった。
トム出版様⇒0.15mm/色味は上2社と比べるとグレーがかっている感じ/記載ミリ数は0.15だけど、上2社と同じような柔らかさな気がする……
EditNetプリンテック様⇒59.5kg(実物は見ていない)
きょうゆう出版様⇒59.5kg/0.145mm/純白70とホワイトの二種(実物は見てない)
ちょ古っと製本様⇒65.5kg/0.14mm/並べると厚めに位置するけど、試し刷りしてみたら柔らかかった。オンデマンド印刷でいいならおすすめ。
大陽出版様⇒0.16mm/色味は日光さん&しまやさんと近い
上から順に連量が小さい・薄いと思われるものを並べました。
不明点の記載は感覚です。
200ページ程になると、できるだけ軽いものを選ぶ方がいいと思いますが、例えば100ページ程度だけど商業みたいな厚みが欲しい!という場合は大陽さんの0.16mmがいいと思います!大陽さんは安いのに綺麗なので推しです。
今回私は、しまやさんと日光さんで迷いました。
なのであとはお値段と、表紙等の本文用紙以外のもので決めていこうと思います。
ここからがまた長いんだ……。
■表紙の紙はどうしよう?
各印刷会社様には様々なプランがあります。一つ一つ紹介するのは大変なので、私が悩んだプランで選択可能な表紙だけピックアップして紹介します。
ちなみに、後述しますがカバーと帯はお値段の都合上別会社様で印刷します。
※プラン内容は時期によって変更されている可能性があります
しまや出版様⇒表紙候補:ホワイトポスト180kg
日光企画様⇒表紙候補:NPホワイト200kg/上質紙180kg
表紙180kg~200kgってどうなんーーーー?????
と、ものすごく悩んで悩んで悩みました。
結論、日光企画様のNPホワイト200kgにしました。
どう悩んだのか書いていきます。
200ページ近い本だと180kgの表紙は硬すぎて開かないんじゃないか?って心配。でも、プランでこれが決められているならしょーがない。
●NPホワイトの200kgってどんな紙?
日光企画様のオリジナルの紙っぽい。NPってのが会社名の略なのでは。
アートポストやコート紙みたいな普通の白い紙。
紙見本のPP加工付きを触ったら大分硬く感じるけど、PP加工無しの状態だったら意外と柔らかい。
参考程度に、緑陽社様のコミックスパックで使われている表紙がハイマッキンレーポスト200kgPP無しで、開いたときにカバーがズレずに開きやすかったです。なのでNPホワイトでもイケると思いました。
●上質紙180kgの方が柔らかい?
柔らかすぎてもカバーをかけたときに滑って読みにくい気がする。ちなみに、以前B6本で表紙を色上質紙最厚口にしたらちょっと読みにくかった。
文庫本だったらよく見かけるしいいのかも?よく分からない。
あと、プランの都合上、NPホワイトを選んだ方が安かった!
●ホワイトポスト180kgとNPホワイト200kgどっちがいい?
これはもうどっちでもいいんじゃないかな!!!お値段と相談だ!!
私は日光さんのNPホワイト200kgにしました。
ちなみに、あっさりと決めてるようで実際は何日もかけてめちゃくちゃ悩んだ結論です。印刷会社様に電話したり、お友達に相談したりしました。
ありがとうございます。
■カバーと帯はどこで刷ろう?
本とは別の会社で刷ろうと思った理由は、お値段の問題です。
ちょっと高くても大丈夫な方、自分で手巻きしたくない方は同じ印刷会社でカバーセットのものを頼むのがベスト。私も以前はそうしてました。ただ、今回は値段をどうしても抑えたかった……!!!!
では、私が候補に入れた印刷会社が以下の通り。理由は馴染みがあるから。
おたクラブ様⇒安い!安い!デジタルオンデマンド!
プリンパ様⇒ブックカバーはデジタルオンデマンド。特殊紙いっぱい!
グラフィック様⇒オフセットもある!クオリティが高い!安心。
結論から言うと、ブックカバーはグラフィック様、帯はおたクラブ様にしました。
これも二転三転して決めた結果です。
何をどう悩んだか述べていきます。
まず、私が作りたいと思ったものがコート紙等の一般的な紙にPP加工付きのカバーなんです。
そして調べていてようやく気が付いたのですが、PP加工は130kg以上の紙にしか出来ないところが多かったです。
印刷会社のカバーセットプランでは110kgにPP加工ができたりするようなのですが、ブックカバー単体で印刷しようとすると、選択肢が少なくなります。
それを踏まえて、各印刷会社様について紹介していきます。
■おたクラブ様のブックカバー
とにかく安い。安さを優先するなら一択。
コート紙は130kgのみ
デジタルオンデマンド
最初はここで全部刷ろうと思っていました。でも、試し刷りをしてみて、やっぱりオフセット印刷の方がいいなぁと思って帯だけ頼むことに。
以前ここで刷ったときはめちゃくちゃ綺麗だと思ったので、その時々の色味によるのかな?ちょっとよく分からないけれど、それでもよくお世話になっている推し会社さんです。
■プリンパ様のブックカバー
紙の種類が豊富。PP無しの特殊紙にするならこちらの方が安い場合も。
110kgにもPP加工ができる!!!!!!!!
たぶん、ブックカバーに関してはデジタルオンデマンド
110kgにもPPできるのがすっっごくいいなと思ったのですが……。オフセットじゃないんですよ……!!!!ここでも試し刷りをしたところ、綺麗ではありました。ありだと思います。保留しました。
■グラフィック様のブックカバー
オフセット印刷ができる!!!!クオリティは確か。
ブックカバーのメニューが無いので、ブックカバーサイズの「ペーパー」を発注して自分で折って巻かなければいけない。
意外とプリンパ様のPP加工付きプランと値段の差が無い。
こちらも試し刷りしたんですが、やっぱり安心のオフセット!!!綺麗。よしこれにしよう!!!と決めました。結局オフセットが好きなんです……。
■最終的な装丁紹介
【本】
日光企画様
表紙:NPホワイト200kg
本文:新ハイバルギーナチュラル
持った瞬間、軽くてビックリしました。思わず「軽!!!」って言ってしまうくらい。危惧していた表紙もPPしていないので柔らかいです。
ベタ塗り部分もテカり無し。
良い。
【カバー】
グラフィック様
コート紙130kg+クリアPP
本体が大分柔らかいので、カバーの厚みでほどよくしっかりさせることができました。130kgのカバーはイマイチだという声を聞いたことがあるのですが、私はいいと思いました。もし本体がもっと重かったり厚かったりすると読みにいのかもしれませんが、今回は相性良かったのではないかなと。
ちなみに、カバーの折り方とか紹介あった方がいいでしょうか……。私は液タブをトレス台代わりにして、ペンタブで折り筋をつけて折りました。
【帯】
おたクラブ様
コート紙130kg
片方に折り筋を付けた状態で納品していただけます。巻きやすいです。
ただ、私のミスでちょっとデザインがズレちゃったので、そういうときのために片折りが無ければ自分で位置を調整しやすかったのにな……と思いました。それは自己責任!!!!
※2022.7.5追記
同じデータでもう一度発注したら、帯の中心が数ミリズレて印刷されました。問い合わせたところ、誤差の範囲とのこと。それは仕方がないのは承知ですが、片側の折り目もあるため、自分で位置調整できない。帯での数ミリのズレは結構致命的。
以下写真。
こんな感じになりました。
以上、B6サイズの同人誌作成記録でした。
ちょこちょこ文中の追記でも書いたのですが、その後しまや出版さんでカバーと帯セットで発注したのですが、とても良かったです。
料金さえ大丈夫であれば、しまやさんをオススメします。
この記録が誰かの参考になれば幸いです。もし何か質問があればお気軽にどうぞ!
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