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きっと9割の人が知らない、LGBTQIA+の”I”。

私はLGBTQIA+のLですが、以前の記事⇩でもお話させて頂きましたように、分類分け反対派です。

しかしLGBTQIA+の”I"(Inter Sex=性分化疾患/DSDs)については、マイノリティ同士協力しあってやっていこうぜ!としている私達L,G,B,T,Q,A+当事者の中でさえも正しい知識が広まっておらず、私達の誤解が彼らを傷つけている事もあるのです。

矛盾はなはだしいですね。

そこで、正しい知識を広める必要性を強く感じ、今回は”I"のみを他のものと区別して、お話させて頂きます。

本記事は以下のサイトを参考/引用させて頂いております。
日本性分化疾患患者家族会連絡会 ネクスDSDジャパン
性分化疾患(DSD)の診断・ケアができる専門家東京医科歯科大学小児科の鹿島田健一先生


Inter Sex/性分化疾患/DSDsとは。


とても複雑な胎内での性分化/性の発達のプロセスが典型的な大多数の男性/女性のように進まない状態を指します。

~ちょっと詳しく~
性分化のプロセスは、
①染色体(XX,XY)の組み合わせから始まり、
②それに基づいて性腺(精巣/卵巣)が作られ、
③その性腺が作る男性/女性ホルモンによって、
身体的な性*(内性器、外性器、二次性徴)が形成されます。

この流れのどこかが基準とは異なるために、生まれるまでに性腺や内性器と外性器の発育が非典型的になってしまうことがあるのです。

*内性器(膣・子宮・卵管、前立腺・射精管・精嚢・精管・精巣上体など)、外性器(陰核・大陰唇・小陰唇・膣前庭・陰茎・陰囊など)、二次性徴(思春期後の様々な変化)


詳しくは鹿島田 健一先生のこちらの記事をご覧ください。


具体的には、


外性器の形や大きさ、尿道口の位置等が、一般的とされる女の子・男の子のものとは少し違って生まれる赤ちゃん。
一例):
マイクロペニスやクリトリス肥大、外陰部の癒着、尿道口の位置のずれ、内性器等が外に露出した状態、尿道下裂の男の子、膣口や尿道口・肛門が分化せずに生まれる女の子など。

他には、
・子宮と膣がなく、染色体がXYで、性腺が精巣であるアンドロゲン不応症(AIS)女性。
・子宮と膣はないが、染色体はXXで、卵巣で卵子が作られるMRKH症候群女性。
*どちらも、生理が来ないなどで検査をして初めて分かるもの。
*典型的な女性の染色体はXX、男性はXY

~ちょっと詳しく~
<性分化疾患の一覧>
① 内分泌異常による性分化疾患
 先天性副腎皮質過形成
 アンドロゲン不応症
 5α還元酵素欠損症
 カルマン症候群
②性腺異常による性分化疾患
 混合性腺形成不全
 卵精巣性性分化疾患
③性器異常による性分化疾患
 メイヤー・ロキタンスキー・クスター・ハウザー症候群 (MRKH)
 尿道下裂
 総排泄腔外反症
④染色体異常による性分化疾患
 クラインフェルター症候群
 ターナー症候群

このように、本っ当にたくさんあります。

よって”日本性分化疾患患者家族会連絡会 ネクスDSDジャパン”様のサイトにもありますように、

”⼥性にもいろいろな体がある・男性にもいろいろな体がある”

という事を私達は認識するのが重要です。



用語。どれが正解??


▽Inter Sex
▽性分化疾患(DSD:Disorders of Sex Development)
▽体の性の様々な発達(DSDs:Differences of Sex Development)←推奨

実は、言葉の意味が誤解を招くという事で、色々と変遷があり、現在もまだ完璧には統一されていないようです。

”Inter Sex””は性行為や「中間/男でも女でもない」という誤解を連想させるし、
”疾患(Disorders)”は障害や異常などの意味を含むし、
そもそも症状は決して一つではなく本当に様々なので、現在は”疾患(Disorders)”ではなく ”様々な違い(Differences)”を使っていきましょうとなってきています。

~まとめ~
▽Inter Sex:インターセックス

欧米では現在も割と使われている。しかし性行為や「男でも女でもない」ということを連想させるので好まれなくなっている。

▽性分化疾患(DSD:Disorders of Sex Development)

「染色体、性腺、もしくは解剖学的に性に関する体の発達が先天的に非定型的である状態」を指す医学用語。

☆⇩推奨⇩☆
▽DSDs ディーエスディーズ(Differences of sex development)

=体の性の様々な発達 
性分化疾患(DSD)にも様々な体の状態があることから、”違い”を’意味する”Differences”と、複数形を意味する”s"を語尾に用いた、一番中立的で安全と推奨されてきている包括的な言葉。


L,G,B,T,Q,A+との違い


LGBTQIA+の中に入っているので間違われやすいのですが、少数派であるという事実以外はなぜ同じ羅列に入っているのか分からない程違います。

なぜなら、
まずどの性別の人を好きになるのか(性的指向)の話をしていません。
⇨ゲイ、レズビアン、バイセクシュアルとは違う。

また、DSDsを持つほとんどの人は、自分が生まれた時に診断された身体の性と、自分で認識している心の性が同じなので、性自認の話もしていません。
⇨トランスジェンダーや、男でも女でも中間でもない無性、男でも女でもある両性、男と女の中間である中性、流動的な不特定性、、、、とは違う。

(*DSDsを持つ⼈々の中にも、そうでない⼈々と同様にLGBTQ等性的マイノリティの⼈々はいます。)


彼らを傷つける言葉や誤解


DSDsを持つ人々の実態報告書では、彼らは自分を完全な女性・男性として見てもらえないのではないかと恐れているという現実の状況が明らかにされています。
つまり、

「男でも⼥でもない・中間・第3の性」
「男性⼥性両⽅の特徴を持った⼈」
「男⼥分けられない⼈」
「両性具有・半陰陽」

などの言葉は誤解であり、傷つけますのでやめましょう。

想像してみてください。
見た目も外性器も何もかも全て女性で、ずっと女性として生きてきたのに、生理がなかなか来ないからと診察に行ったら先天的に⼦宮がなく染色体が男性と判明し、もしそこでその医師や周りに「だからあなたは男と⼥の中間」と言われたらどれだけショックな事か。


以下の動画と文章は、ネクスDSDs様のサイトで紹介されているものです。
未だ世間では知られていない症状やストーリーを知る事が出来るので、是非ご覧ください。

性分化疾患には様々なものがあること、状況もそれぞれに違うこと、命を脅かす危険な状態もあること、手術の必要性・不必要性の難しさなど、登場される人々のパーソナルストーリーを通して、何かひとつの結論に簡単に片付けない、その複雑さを複雑なままに描く良質のドキュメンタリーです。是非御覧ください。~


終わりに


いかがでしたでしょうか。

DSDsも、性的指向や性自認も、人権問題も、男女問題も全て、

「普通はこうだろう!」という固定概念を取っ払い、
「皆色々やねん!」という事を広めれば、

皆がより生きやすくなると思っています。

なので冒頭にも述べましたように、不必要にカテゴライズ(分類)し過ぎず、

「色んな人がいる。十人十色。」

ということを、私はアートの力をもって広めていきたいと思っています。


一人でも多くの人が生きやすくなる社会を目指して。


本記事がDSDsの方々の認知に繋がる事を願っています。
是非シェア、拡散よろしくお願い致します。

本日もありがとうございました。

Aika.

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インスタグラム: @aikatakeshima

踊ってる動画も是非。


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