大恋愛を知らなかった私
彼との初めてのデートは彼の自宅だった。今でも鮮明に覚えている。
私の恋愛遍歴は人に話せるようなものではなかった。現実から逃げるように会ったことのない人との疑似恋愛を本当の恋愛と錯覚していた。礼儀正しくつまらない会話でも楽しむことに徹底していた私を好きになる男性は多く、実際に付き合ったりもした。でも、長続きはせずに終わってしまう、その繰り返しだ。
ある男性から友人を紹介され、会うことになった。それがあなただった。
話の流れから料理をふるまうことになった。
「肉じゃががたべたいなぁ」と、あなたのリクエスト。
仕事を早めに終わらせて彼の自宅へ向かう。狭いキッチンを借りて料理を始める。リビングから時々様子を伺いにあなたがキッチンにやってくる。料理を見ては目を輝かせリビングに戻っていく。
そんなあなたの自然体な雰囲気に私は今まで感じたことのない感情を抱いた。
ご飯と肉じゃがとみそ汁、決して豪華とは言えない食事をあなたは何度も
おいしいと言って食べてくれた。
あなたと会って数時間、たわいもない時間を一緒に過ごしただけであなたにどんどん惹かれた。
出会いは人に自慢できるようなものではない。かえって非難されるほうが普通かもしれない。でも、私はあなたに会えたことが1番の運命と感じる。
今まで、受け入れるだけの恋愛しかしなかった私が初めて失いたくないと思ったのはあなた。
今は私の旦那さんです。
最後まで記事を読んでくれてありがとうございました!