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「想像力をもって働く」SHEmoneyブランド責任者・松尾真里に学ぶ、挫折からの這いあがり方

この記事はオンラインキャリアスクール「SHElikes」のインタビューライティングの課題として執筆しました。
添削していただき修正したものを投稿しています。
〈課題概要〉
インタビュー映像を見て、取材原稿を書いてみよう
・テーマ:「仕事をするうえで大事にしていること」
・想定媒体:Woman type https://woman-type.jp/wt/feature/
・想定読者:Woman type の既存読者・潜在読者
・字数:2,000〜3,000字程度
・与えたい読後感:明日からまた仕事を頑張ろう、私も何か挑戦したい


大学時代の海外留学を経て、大手企業のリクルートへ入社後、安泰なキャリアを捨てSHEへ転職。新人時代のさまざまな経験をもとに、SHEmoneyという新規事業を大きく成長させた松尾真里さん(愛称:まつまりさん)。現在SHEmoneyのブランド責任者を務める松尾さんに、「仕事をする上で大切にしている事」を聞いてみた。

〈SHE株式会社 松尾真里さんプロフィール〉
大学2年生のときにシリコンバレーの近くに留学。
新卒でリクルートに入社。webディレクター・グロースハッカー・CRM・商品開発などの職種を経験。
その後SHE株式会社へ転職し、新規事業であったSHEmoneyのブランド責任者に立ち上げから携わり、今も第一線で活躍し続けている。


20代で大胆キャリアチェンジに踏み切った理由

ーーまず、SHEmoneyとはどんな事業なんでしょうか。

「自分らしい資産形成ができるようになる」をテーマに、家計管理から資産運用の実践までを学べる女性向けマネースクールです。

ーー「自分らしい資産形成」とは具体的にどういうことですか?

数字だけにとらわれず、「自分にとっての豊かさとは何か」を深掘りし資産形成していくことです。自分が根本的に何に幸せを感じ、どのくらいの経済力があれば満足なのかしっかりと向き合って、言語化する作業に時間をかけるのが特徴ですね。

ーーもともと、新規事業に携わりたいという気持ちはあったんですか?

はい、大学時代の留学がきっかけです。毎週スタートアップ企業に訪問をする中で、IT技術や、プロダクトを作る人に対して憧れを抱いていました。そして帰国後、まずは事業開発できる人材を目指して、リクルートに入社しました。

ーーなるほど。でもリクルートから転職されるのはかなり大きな決断だったと思うんですが、20代で大きなキャリアチェンジに踏み切った理由を教えてください。

30歳までにここまでやってきたといえる「紋所」のようなものを残しておきたくて。例えば、出産前後で一旦キャリアを離れてしまっても、またそこから再開できる実績を作っておきたかったからですね。

ーーでは実際今、SHEmoneyで紋所を作れている実感ありますか?

まだまだ発展途上な部分もありますが、そのひとつにはなっていきそうですね。

ーーそうなんですね。ちなみに、SHEmoneyの今後の発展をブランド責任者としてどんな風に考えていますか?

今は働く女性たちをターゲットにしていますが、これからはジェンダーレスにしていきたいし、個人的には中高生向けの金融教育もしていけたらいいなと思っています。いつか母校でSHEmoneyの授業をするのが夢ですね。

「人に頼る=悪」じゃない。自分らしいコミュニケーションの取り方

ーー日々マネジメントする上で、コミュニケーションの取り方の工夫「これだけは大切にしている」ということがあれば教えてください。

それは、「心理的安全性」だと思っています。新規事業は正解がないので、思いつきのものが当たる可能性もあるんです。だから普段からいろんなアイデアが出やすいような雰囲気づくりをして、ラフなコミュニケーションを心がけています。

ーーチームが大きくなっていくとプレッシャーや、うまくいかないこともあると思いますが、どうやって乗り越えていますか?

モヤモヤしたらそのままノートに書き出してみたり、人に話して整理してもらったりします。共通しているのは「目的に立ち返る」ことです。何のためにしているのかを考えて、目的のためにしていることなら、やらない理由はないと奮い立たせていますね。

ーーなるほど。それでもきついときってありますか?

ありますよ!たくさんあります。(笑)私はメンバーに結構話しちゃうタイプで、「ここ行き詰まってるんだよねー」とか「もうつらーい!」とか、明るい感じで正直に言っちゃいます。

ーー最初からそういうコミュニケーションが取れましたか?

とんでもないです。リクルート時代の挫折から、今のマネジメントスタイルが確立されたと思っています。入社3年目で大きなプロジェクトリーダーに選ばれて、ばれて「姉御肌の、絶対的リーダー」みたいな感じでいこうとしたんですよ。誰にも相談せず、ひたすら前を走り続ける感じで。そしたらすごくハレーションが起きて、チームが崩壊した経験があるんです。

それでちょっと立ち止まって考えたときに、リーダーにも2種類あっていいと思って。私はリーダーシップを発揮するよりはフォロワーシップが得意で、周りの人を頼って助けてもらう方法が合っていますね。

ーーなるほど。ではチームのメンバー内で、プライドが邪魔して抱えてることが言えないような方に気付いたときは、どうやって寄り添っていますか?

目的の視座を一段上げさせることを意識しています。まず本人の気持ちややりたいことを軸にした上で、「人に頼るのが悪という思考は捨てていいよ」って。
「いろんな人の手を借りてでも最終アウトプットがいいものになるなら、その方がいいんじゃない?」と視座を変えさせる対応をしてますね。

「走りやすいバトンパスをする」まつまり流、信頼貯金の作り方

ーーこれまでリクルートでもSHEでもいろんな経験されたと思いますが、その中で働き方や意識の面で変化があった出来事はありますか?

今の仕事の教訓が「想像力をもって働く」ということなんですが、これに紐づくエピソードがあります。

新人時代、「自分のタスクが終わったら後のことはもう知らない」みたいに、全く想像力を働かせずに仕事をしていたことがあったんです。納品期日も守らないし、伸ばしちゃうしでもうめちゃくちゃで。結果次の方が短納期でやってくださったから間に合ったんですが、最終アウトプットのクオリティがすごく下がって信頼を失ってしまいました。

それをきっかけに、「タスクはバトンパスリレーなんだ」と思いました。バトンの渡し方も、次の人ができるだけ走りやすいように考えるのが必要ですよね。相手への想像力を働かせ、仕事に対峙することはとても大事だと思います。

ーーそれができるようになってから、周りに変化はありましたか?

当時鬼上司に「今松尾の信頼残高ゼロじゃなくてマイナスだから」と言われたのがすごくショックで。(笑)そんな辛い思いはもうしたくなくて、まず新人の頃はスピードで勝つということを意識して仕事しました。

なんでも一瞬で返して、スピードで少しずつ信頼貯金を作っていく。その間にスキルを身につけて、早くクオリティが高いものを出すということを地道に1年続けた結果、先ほどの3年目のマネジメントの話に繋がります。失った信頼を取り戻すのは大変だけど、日々コツコツ小さいことから積み重ねていくことが大切だと思います。



どんなに失敗して挫折しようが、全て糧にして這い上がる。まつまりさんの朗らかな笑顔の裏には、幾多の困難を乗り越えてきたからこその強さが秘められていた。





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