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IoTのセキュリティ対策が必要な背景と4つのルール|今やどの業界にも欠かせません

「IoTって何だろう…」
「セキュリティ対策って何をすればいい?」

IoTは革新的な技術で、会社の業務や私たちの生活を便利にしてくれます。自動車や医療など、さまざまなジャンルで活用できるシステムです。

しかし、IoTについていまいち理解していなかったり、IoTのセキュリティ対策はなぜ必要なのかを知らなかったりする方も多いのではないでしょうか。

本記事では、IoTの概要や必要なセキュリティ対策などを解説します。

IoTのセキュリティ対策について理解すれば、安全にIoTを活用できるようになります。今や何でもインターネットにつながっている時代ですから、必ずチェックしておきましょう。

IoTとは「あらゆるモノをネットワークにつなげる技術」

IoT(Internet of Things)はモノのネットワークと訳され、「あらゆるモノをネットワークにつなげる技術」を指す言葉です。現在では、自動車や家電など、さまざまなモノがネットワークにつながっています。

IoTの普及により、迅速かつ正確な情報収集が可能になったり、新たなサービスの提供が可能になったりすることが期待されています。

IoTの具体例として挙げられるのが、自動車です。自動車の中には「緊急通報システム」がついている自動車があります。

緊急通報システムは、エアバッグが作動したり社内のセンサーが反応したりすると、自動で警察や消防署へ通報する仕組みです。通常は個々の車の状況はわかりませんが、車がネットワークにつながっていることで、緊急通報システムが作動します。

また、住宅や家電もIoT化が進んでいます。現在は「HEMS(ヘムス)」と呼ばれるエネルギー管理システムがあり、家庭内で使用している家電の稼働状況を把握したうえで管理が可能です。

HEMSを活用すると、意外な電気の無駄遣いがわかり、電気代の節約につながります。個々の家電の稼働状況がわかるのは、ネットワークにつながっているからです。

IoTは今や企業だけではなく、個人も活用する時代になっています。そのため、ITに携わっているかどうかに関わらず、IoTに関して理解を深める必要があるのです。

IoTを取り巻く現状

総務省の「令和5年版 情報通信白書」によると、世界のIoTデバイス数は今後も右肩上がりで増えていくと予測されています。

出典:令和5年版 情報通信白書|総務省

また、警察庁の発表資料によると、1日あたりのサイバー攻撃の件数も増加傾向にあるようです。

出典:令和5年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について|警察庁

そのため、IoT機器が増えると当時に、それを狙ったサーバー攻撃も増えている状況です。セキュリティ対策をしなければ、被害に遭うケースが増えると予想されます。

IoT機器を扱ううえでは、セキュリティ対策は必須と言えるでしょう。

IoTのセキュリティ対策が必要とされる背景

IoTの活用により、企業やサービスレベルの向上が期待されます。一方で、ネットワークにつながっていることにより、一定のリスクが存在するのも事実です。そのため、IoTのセキュリティ対策は必須とされています。

IoTはさまざまなモノがネットワークにつながっているため、どこか一つが攻撃を受けると、その他にも影響が及びかねません。そのため、不正アクセスなどの攻撃を受けると、甚大な被害が出てしまいます。

特に家電や自動車など長く使われるIoT機器もあるため、然るべきセキュリティ対策がされていないと、攻撃を受け続けることになってしまいます。

また、IoT機器は場所に制限がなく数多く存在するため、監視が行き届きにくいのです。すべてのIoT機器が同様の性能ではないため、機能・性能が限られている場合は然るべきセキュリティ対策ができないケースもあります。

IoTはまだ歴史が浅いため、開発者が思いもよらぬ動きを見せる可能性もあります。これまでになかった外部攻撃の方法や、解決方法が見つかる可能性もあるでしょう。IoTを安全に活用するためには、セキュリティ対策が必要なのです。

IoTのセキュリティ対策における具体的な脅威の事例

IoTのセキュリティ対策を行ううえで、具体的にどのような脅威が存在するのかを把握することは重要です。実例を知ると、対策方法が見えてきます。

「IoT セキュリティガイドライン」で挙げられている脅威例は、以下の3つです。

・自動車
・HEMS(ヘムス)
・医療

参照:IoT セキュリティガイドラインver 1.0|IoT 推進コンソーシアム 総務省 経済産業省

IoT機器の自動車は、ハンドルやエンジンの遠隔操作が可能とされています。もし外部から攻撃を受けてハッキングされてしまうと、第三者が特定の車を自由に操れてしまいます。車に人が乗っているときにハッキングが起これば、重大な事故につながりかねません。

HEMSに関して紹介されているのは、ホテルの部屋などにある機器・設備の不正な遠隔操作です。勝手に機器が作動すると無駄に電気を消費してしまったり、火事などの重大な事故につながってしまったりする可能性があります。

医療では、ペースメーカーやICD(植込み型除細動器)に不正な動作を行わせることができたと発表されています。発表では、不正な動作は近距離からとされていますが、命に関わる脅威です。

IoTのセキュリティ対策を怠ると、重大な事故や命に関わる事故が起きてしまいます。IoTを活用するには理解を深め、万全なセキュリティ対策が必要です。

IoT特有の6つの性質とセキュリティ対策

IoTには、以下のような6つの特有の性質があります。

・脅威が影響する範囲と度合いが大きい
・機器のライフサイクルが長い
・IoT機器は監視が行き届きにくい
・機器や周辺環境の相互理解が不十分
・機器の機能や性能が限られている
・開発時の想定にはない接続が起こり得る

IoTのセキュリティ対策をするうえで、これら性質の把握は欠かせません。それぞれ詳しく見ていきましょう。

脅威が影響する範囲と度合いが大きい

IoTが攻撃を受けると、機器本体の故障はもちろん、ネットワークでつながっている他のモノなどにも影響が及びます。

例えば、自動運転の自動車が外部から攻撃を受けたとしましょう。自動運転の制御が利かなくなると自動車本体も故障しますが、車に乗っている人の命にも影響が及びます。医療関係も影響が大きく、ペースメーカーが不正に操作されると、これも命に影響します。

そのため、セキュリティ対策を行っていないと、人の命を左右してしまう事態になりかねません。安全にIoT機器を使うためにも、セキュリティ対策は必要です。

機器のライフサイクルが長い

IoT機器は使用期間の長い製品が多く、10年以上使われるケースも珍しくありません。例えば、自動車の平均使用年数は12~13年、工場の制御機器などの使用年数は10年~20年程度と言われています。

その当時は最新だったとしても、10年経つと最新ではなくなる場合がほとんどです。IoT機器も同様で、10年経てばさらに新しい製品が続々と出てきます。

古い製品になると機能面はもちろん、セキュリティ面も古くなってきます。当時は最新のセキュリティ対策だったとしても、10年後には簡単に破られることもあるでしょう。年数が経っても外部攻撃から身を守るため、都度セキュリティ対策は必要です。

IoT機器は監視が行き届きにくい

IoT機器はスマートフォンやパソコンのように画面がない場合が多く、外部攻撃を受けたときなどに、問題発生の確認が遅れる場合があります。

問題発生の確認が遅れると、管理外のモノが勝手にネットワークにつながっていたり、マルウェアに感染していたりしても気付けません。

異変に気付けないと、命に関わる重大な問題が起きてしまう可能性があります。異変が起きてもすぐに対処するために、セキュリティ対策はしておきましょう。

機器や周辺環境の相互理解が不十分

IoTを活用するためには、ネットワークへの接続が必要です。しかし、IoT機器をネットワークに接続すると、所要の安全性や性能を満たせなくなる場合があります。

IoT機器にすべきセキュリティ対策をネットワーク側にゆだねている場合もあり、つなげるネットワークによってIoT機器のセキュリティが変わってしまうのは問題です。

ネットワークとIoT機器はそれぞれへの理解を深めて、どのIoT機器がどのネットワークに接続しても安定したセキュリティを発揮できる環境づくりが必要です。

機器の機能や性能が限られている

IoT機器にはさまざまな種類があり、それぞれ性能が異なります。機能や性能が足りていない場合は、IoT機器のみでセキュリティ対策が不可能な場合があります。

IoT機器のみでセキュリティ対策ができない場合は、他の製品などを使い、別途セキュリティ対策が必要です。

もちろん、IoT機器のみではセキュリティ対策が不可能な機器でも、外部攻撃の可能性があります。どのようなIoT機器でも、セキュリティ対策は必要です。

開発時の想定にはない接続が起こり得る

IoTでは、これまでネットワークにつながっていなかったモノがネットワークにつながります。そのため、IoT機器メーカーやシステム、サービス開発者が考えていなかった動作や現象が起こる可能性があります。

例えば、これまで数少ない特定のアクセスしか受けてこなかった医療現場で、IoTを導入するとしましょう。これまでは安定した動作ができていても、多くのアクセスを受けるようになると、誤作動などの想定外の動作を起こす可能性があります。

予期せぬ動作が起こったときに対応するため、セキュリティ対策は必要です。

IoTセキュリティ対策の4つのルール

IoTは革新的な技術ですが、正しく取り扱う必要があります。正しく取り扱わないと、不正に操作されたり犯罪に巻き込まれたりしかねません。

IoTセキュリティ対策のルールは、以下の4つです。

・サポートがない機器やサービスの使用を控える
・初期設定のパスワードをそのまま使わない
・使用しなくなった機器は電源を切る
・機器を手放す際はデータを消す

IoT機器を扱う機会は、今後間違いなく増えてきます。必ず確認しておきましょう。

サポートがない機器やサービスの使用を控える

何か不都合が生じた際、問い合わせ窓口などのサポートがないと、適切な対処が難しいのです。

例えば、サポートがないスマートロックを使っているとします。機器の調子が悪くても、サポートがなければ対応も返品・交換もできません。外出中に誤作動を起こせば、勝手に鍵が開く可能性もあり、防犯面に影響が出ます。

また、ネットワークにつながっている機器は、定期的にアップデートします。アップデートによって性能やセキュリティが向上しますが、サポートがないとアップデートもできません。アップデートができないと、安全な状態で機器を使い続けることは難しいのです。

サポートがない機器を使い続けるのは、リスクがあります。基本的には、サポートがある機器やサービスを使うようにしましょう。

初期設定のパスワードをそのまま使わない

IoT機器の大半は、パスワード設定が必要です。パスワードは初期段階でも設定されているため、新たに設定しない人もいますが、必ずパスワードは設定し直しましょう。

パスワードが他の人に知られてしまうと、所有するIoT機器が不正に利用される恐れがあります。不正に利用されると、最悪の場合命の危険があるため、パスワードを他の人に知られるのは防がなければなりません。

特に、初期設定のパスワードは特定しやすいのです。長年初期設定のままだと、パスワードを知られるのは時間の問題と言っていいでしょう。

パスワードを設定する際は、誕生日などの簡単なパスワードにしない、他の人にパスワードを教えないなどを意識しましょう。パスワード設定は難しいと感じるかもしれませんが、取扱説明書をよく読み、自分でパスワードを設定することをおすすめします。

使用しなくなった機器は電源を切る

IoT機器は使われる期間が長いものが多いため、使わなくなり放置されるケースも珍しくありません。ただ、そのまま放置すると機器が乗っ取られ、不正に利用される可能性があります。

例えば、使わなくなったペット用の見守りカメラをずっと起動していると、乗っ取られて家の中をのぞかれてしまいます。使わなくなった紛失防止の薄型タグでずっと位置情報を連携していると、自分の居場所を知られてしまうかもしれません。

使わなくなったIoT機器を起動したままにするのは、リスクがあります。使わなくなった場合は放置せず、電源を切っておきましょう。

機器を手放す際はデータを消す

IoT機器には、さまざまなデータが蓄積されています。データを消さずに手放してしまうと、使用していたときの情報が漏れてしまうかもしれません。

情報が漏れてしまうとさまざまな被害が予想されるため、機器を手放す際は確実にデータを削除しなければいけません。

取り扱い説明書をよく読み、データを削除してから手放しましょう。不安な場合は、サポートに確認するのも手です。

業界ごとに最適なツールでデータを守り共有できる「AOS IDX」

「AOS IDX」は、以下5つの業界に特化したDXソリューションです。

・法務
・医療
・金融
・製造業
・メディア業界

今やどの業界でもデータは必要不可欠なため、サイバー攻撃の標的になり得るのです。万が一攻撃されたときのことを考えて、日ごろからデータを安全に共有することが求められます。

データの安全な共有を実現するなら、ツールを導入するのが最も手っ取り早いでしょう。「AOS IDX」は各業界の特徴に合わせて作られているので、非常に使いやすいツールです。

業界限らず使用できる「DataShare」もありますので、ぜひチェックしてみてください。

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まとめ:IoTのセキュリティ対策は万全にしておきましょう

IoTは革新的な技術で、日々の業務や私たちの生活を便利にしてくれます。ただ、IoTは脅威が影響する範囲と度合いが大きかったり、監視が行き届きにくかったりする側面があるため、セキュリティ対策が欠かせません。

セキュリティ対策をすることでIoT機器を安全に使用できるため、セキュリティ対策は必ず行っておきたい作業です。

ただ、IoT機器のセキュリティ対策には必要とされる背景やルールがあるため、本記事を参考にIoTへの理解を深めましょう。

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