データプラットフォームの種類はいくつある?それぞれの特徴や選び方を解説
データは新たなビジネスチャンスを生み出す原動力になります。しかし、その可能性を最大限に引き出すためには、データを適切に管理し、分析し、活用するためのツールが必要です。
その一つがデータプラットフォームです。データプラットフォームは、企業が保有する膨大なデータを一元管理し、分析や活用を可能にするツールです。しかし、データプラットフォームの種類は多岐にわたり、それぞれが異なる特性や機能を持っています。
それでは、どのデータプラットフォームが自社に最適なのでしょうか?この記事では、データプラットフォームの種類とその選び方について詳しく解説します。データを活用してビジネスを加速させたいと考えている場合は、ぜひこの記事を参考にしてください。
データプラットフォームとは
データプラットフォームとは、企業がデータを収集、蓄積、加工、分析する一連のプロセスを一元的に管理するためのシステムを指します。データプラットフォームがあることにより、企業はデータから得られる情報を最大限に活用し、ビジネスの成長と競争力の強化を実現できるのです。
また、データプラットフォームは、クラウド、オンプレミス、ハイブリッドなど、企業のニーズや目的に応じて選択できる種類があります。これらの違いを理解し、自社のビジネス環境や目標に最適なデータプラットフォームを選択することが、データ活用の成功に繋がります。
データプラットフォームについては、「データプラットフォームとは? メリットや導入手順、選び方のポイントを解説! 」で解説しています。データプラットフォームの概要をつかめる内容になっているため、ぜひ併せてご覧ください。
そして、本記事では下記3つのデータプラットフォームの種類に焦点を当て、それぞれ詳しく解説していきます。
クラウド
オンプレミス
ハイブリッド
クラウド
クラウドのデータプラットフォームでは文字通り、データの収集、蓄積、加工、分析といったデータプラットフォームが持つ一連のプロセスを、クラウド上で実行可能です。そのため、自社で準備するものは少なく、手軽に導入できます。
また、クラウドの中でも、複数のユーザーで共有する「パブリッククラウド」と自社専用サーバーを使う「プライベートクラウド」があります。そのため、クラウドの中でも自社の状況に合わせて使い分けることができるのです。
ここではクラウドのデータプラットフォームについて、下記2つの視点から解説していきます。
メリット
デメリット
メリット
クラウドのメリットは、そのコスト効率と運用の容易さ、災害時のBCP対策になるという3つの点が挙げられます。
まず、物理的なインフラストラクチャを自社で保有・管理する必要がないため、初期投資や運用コストを大幅に削減可能です。そのため、初めてデータプラットフォームを導入する場合でも比較的導入しやすく、まずクラウドを検討するケースが多いです。
また、クラウドのデータプラットフォームは、データのバックアップやリカバリー、セキュリティ対策など、多数の機能を備えている場合も多いです。そのため、データを一元的に管理でき、運用コストがあまりかからない点はメリットといえます。
さらに、クラウドを利用している場合は、万が一災害に遭って会社や設備が破損しても、データは損害を受けません。たとえ社員が出社できない状況でも、自宅から作業をするという選択も取れます。このように、クラウドはBCP対策(事業継続計画)になるのです。
デメリット
メリットも多い一方で、クラウドのデータプラットフォームにはいくつかデメリットも存在します。
まず、データのセキュリティ管理についてです。クラウドでは、その特性上データを外部に預けることになるため、データのプライバシーやセキュリティに対する管理には、データプラットフォームの提供元が関わってきます。そのため、セキュリティ管理を自社ですべて行うことができないのは、場合によってはデメリットになってしまうでしょう。
カスタマイズに関しても、基本的にはデータプラットフォームの提供元が展開しているものしか利用できないため、細かいものや自社独自のものは利用できません。
また、クラウドでの利用はインターネット接続に依存するため、接続が不安定な環境では利用しづらいです。しっかりしたインターネット環境のもとで利用するようにしましょう。
オンプレミス
オンプレミスのデータプラットフォームは、企業が自社の物理的なインフラストラクチャを保有して、運用するスタイルです。専用のデータプラットフォームとして利用できるため、自社で最も使いやすいようにカスタマイズできるのが特徴です。
ここではオンプレミスのデータプラットフォームについて、下記2つの視点から解説していきます。
メリット
デメリット
メリット
オンプレミスのデータプラットフォームは、セキュリティとカスタマイズ性、予算を可視化しやすい点が大きなメリットといえます。
まず、データを自社のインフラストラクチャ上で管理するため、データのセキュリティやプライバシーを最大限に保つことができます。セキュリティを自社で管理できるため、基準や制限などを細かく設定可能です。
また、自社が保有するインフラストラクチャで運用しているため、カスタマイズもしやすいです。自社独自のカスタマイズをしたい場合は、オンプレミスの方が向いているといえます。
さらに、オンプレミスは社内で管理できるため、予算も把握しやすいです。この点もメリットといえるでしょう。
デメリット
オンプレミスのデータプラットフォームはメリットもある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
一つは、コストの高さです。オンプレミスは、物理的なインフラストラクチャの購入と維持、システムのアップデートや保守、専門的なスタッフの雇用など、高い初期投資と運用コストが必要となります。そのため、安く気軽に導入できるというものではありません。
また、オンプレミスは運用から管理まで、すべて自社で行う必要があります。そのため、日々の管理・運用からトラブル時の対応まで、対処できる専門性を持った従業員を一定数雇用しておかなければなりません。
加えて、機能の拡張や縮小も自社で対応する必要があります。IT人材が多くない企業にとっては、オンプレミスは難しい選択肢となってしまうでしょう。
ハイブリッド
ハイブリッドは、オンプレミスとクラウドの両方の特性を活用するデータプラットフォームです。これにより、企業は自社の状況やデータの性質に応じて、最適な環境でデータの収集、蓄積、加工、分析を行うことができます。
ここではハイブリッドのデータプラットフォームについて、下記2つの視点から解説していきます。
メリット
デメリット
メリット
ハイブリッドのデータプラットフォームの特徴は、なんといってもクラウドとオンプレミスのいいとこどりである点です。
そのため、クラウドとオンプレミスのデメリットを補完し合い、両方のメリットを生かすことができます。例えば、大部分はクラウドを使用してコストを下げ、自社でセキュリティを管理したい機密情報はオンプレミスを利用するといった使い方が可能です。
また、ハイブリッドを利用するとリスク分散にもなります。例えば、オンプレミスが被害を受けてもクラウドは被害を受けないため、大きな損害を防ぐことができます。
クラウドとオンプレミス、両者のメリットを享受できる点は、ハイブリッドの大きなメリットです。
デメリット
ハイブリッドはクラウドとオンプレミスのいいとこどりができる一方、デメリットも生まれてしまいます。
ハイブリッドのデメリットは、運用・管理の複雑さです。ハイブリッドはオンプレミスとクラウドの両方を管理する必要があるため、どちらかを運用する場合に比べて、運用・管理複雑になる可能性があります。
また、クラウドやオンプレミスからハイブリッドへ移行する際はデータの移動や同期が必要です。そのため、手間がかかる、専門的な知識を持っている従業員の雇用が必要など、課題もあります。
運用・管理が継続して行える場合は、ハイブリッドは有効な選択肢といえます。
【比較・まとめ】データプラットフォームの種類
データプラットフォームの選定ポイント5選
データプラットフォームには3種類ありますが、初めて導入する際はどれを選べばよいか迷ってしまうでしょう。
ここでは、データプラットフォームの種類を選ぶ際のポイントを5つ紹介します。
初期コスト
運用コスト
カスタマイズ性
スケーリング(拡張性)
セキュリティ
それぞれ、自社の状況と照らし合わせながら見ていきましょう。
初期コスト
データプラットフォームを導入する際には、導入に関するコストが発生します。例えば、サーバーの構築やデータプラットフォームの契約料金などです。初期コストは、企業の予算や費用対効果の観点から、重要な選定ポイントとなります。
オンプレミス型は高い初期投資が必要となる一方で、クラウド型は初期投資を抑えられるという特性があります。どれだけ初期にコストをかけられるかは、データプラットフォームを選ぶポイントになるでしょう。
運用コスト
データプラットフォームの運用には、システムの維持・管理やセキュリティ対策など、定期的な運用コストが発生します。運用コストも、企業の予算や費用対効果の観点から、重要な選定ポイントとなります。
初期コストと同じく、クラウド型は運用コストを抑えられる一方、オンプレミス型は運用コストが高くなります。ただ、長期的に見ればオンプレミスの方が安くつく場合もあるため、どれくらいの期間の運用を検討しているかも明確にしておくといいでしょう。
カスタマイズ性
企業の状況やデータの性質は、企業ごとに異なります。そのため、自社のニーズに合わせてデータプラットフォームをカスタマイズできるかどうかは、重要な選定ポイントとなります。
オンプレミス型は高度なカスタマイズが可能ですが、クラウド型はデータプラットフォーム提供元の機能に依存するケースが多いです。自社にどれくらいカスタマイズが必要かは検討しておくべきといえます。
スケーラビリティ(拡張性)
データ量や処理能力の需要は、時間とともに変化します。そのため、データ量の増減に応じてリソースを柔軟に調整できるスケーラビリティは、データプラットフォームの重要な選定ポイントとなります。
クラウド型はスケーラビリティに優れていますが、オンプレミス型は物理的なリソースの限界があります。そのため、クラウドの方がスケーラビリティに優れています。難しい部分もありますが、どれだけデータを扱う予定があるのかは試算しておくのがおすすめです。
セキュリティ
データは企業の重要な資産であり、セキュリティは非常に重要です。特にデータプラットフォームは個人情報を含む膨大なデータを扱うため、強固なセキュリティ体制が必要不可欠です。
セキュリティに関しては、オンプレミスが最も優れているといえます。需要度の高い機密情報を扱う場合は、オンプレミスがいいでしょう。
ただ、クラウドでもデータの流出や消失を防ぐために、多くのデータプラットフォームは独自の認証システムやセキュリティに関わる機能を提供しています。どれほどのセキュリティが必要なのかは、よく検討しましょう。
データプラットフォームの種類を把握し、自社に適切な選択をしましょう
データプラットフォームの選択は、企業のデータ戦略において重要なステップです。そのため、自社のニーズや目標に合ったデータプラットフォームの種類を選択することが、データ活用の成功に繋がります。
データプラットフォームの種類は多岐にわたり、それぞれが異なる特性や機能を持っています。クラウド、オンプレミス、ハイブリッド、それぞれのメリット・デメリットを把握し、自社のニーズに最も適したものを選択しましょう。
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