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ことのほか川を見たいと思う日のこもれびゆけばムスカリの咲く 浅野美紀

何年か前に依頼もないのに、1年ずーっと評を書いてて、それがたまっているので、ここに掲載していきます。                  

3月中旬。おもての鉢植えの ころぼっくるがいっぱい。みたいなの(ムスカリ)が いつのまにかぴょっこり芽をだして。

毎年読もうと思って読めないまま過ぎてしまう                                    「ムスカリの咲く」(砂小屋書房 浅野美紀 2013年)を、今年こそ。と 本棚から探してきて読む。

歌集タイトル「ムスカリの咲く」は、

ことのほか川を見たいと思う日のこもれびゆけばムスカリの咲く  

から。

作者の自宅近くに川沿いの遊歩道があるそうで、

あとがきに                            「早春の、まだ風も冷たい一日、その遊歩道を歩いていますと、足もとに、小さなムスカリの花が咲いているのを見つけました。その瑠璃色の花は、まるで天からの贈りものの宝石のように美しく、私のこころに囁きかけました。」とある。

 その瑠璃色の花は、まるで天からの贈りものの宝石のように美しく、

うすむらさきの、ころぼっくるの。ベルみたいな。ふさの。ひとつひとつ。おもてのあれを この春こそ、じいっと見てみようという気になる。

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