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世界史に対する誤解

私は受験生の中では割と世界史が得意だったと自負しています。それゆえに、後輩から教えてほしいと言われることもしばしばありました。私が何人かに教える中で世界史が苦手な人に共通する特徴があるように感じました。

一つ目は、地理、特に白地図の知識が不足していることです。例えば、ソグディアナ地方という歴史的に重要な場所がありますが、そういった場所の名前などを知らないと、単純に負担が増えますし、こういった地名は正直覚えるしかないという側面があります。

この問題は、科目を切り分けて考えてしまうことによる弊害なのではないかと思います。全ての科目は根源的には一つのものから派生していると考えることが出来ます。私は世界史を勉強している中で、地理や倫理や政経を勉強していて良かったと思うこともありました。

二つ目は、世界史をただの暗記科目と捉えているということです。実際に覚えなければ話にならないものも存在するとは思いますが、余計なことまで覚えようとする節があるように感じます。

ここで、私がどのように暗記をしていたのかを、おこがましいとは思いながらも紹介したいと思います。

皆さんには、好きな漫画やアニメを想像して欲しいのですが、その中の登場キャラやストーリーを覚えたくて覚えているでしょうか?

少なくとも私は、好きな作品の人名やストーリーは自然と頭に入っていると言った方が、しっくりきます。

これを応用して考えると、世界史を一つの物語と捉えることによって覚えるのが多少は楽になると思います。

ここで難しいのは、アニメや漫画は一続きですが、世界史の教科書を見てみると、オリエント世界から始まり、途中で中国の歴史に飛んだり、世界の一体化が起きるまではブツ切りっぽく見えてしまうのも仕方がないという面があることです。

三つ目は、世界史を日本史のように捉えてしまっているということです。

私たちは中学校で歴史を習いますが、主に日本史です。世界のこともやりますがせいぜい十字軍や宗教改革といった言葉だけである印象です。

世界史をその延長線上で考えると必ずといっていいほど行き詰まってしまいます。

それは、日本史の特殊性によると考えられます。日本史と言った時に、私たちはそれが、「日本列島の歴史」なのか、「日本国(天皇家)の歴史」なのか、「大和民族の歴史」なのかを特に区別しなくても学ぶことが出来ます。

一方で、例えばエジプトではイスラームの歴史を学ぶそうです。つまり、エジプト文明やプトレマイオス朝などは、今のエジプト人たちのルーツとは違うため学ぶ対象にはならないそうなのです。

また、トルコでは、トルコ民族の歴史を学ぶため、例えば、かつてそこにあったビザンツ帝国の歴史などは学ばないそうです。

この感覚は容易には理解できませんが、世界におけるスタンダードではないかとも思います。この感覚が著しく欠如していると世界史を学ぶ際に色んなことが喉につっかえてしまいます。

今回は世界史が苦手になってしまう原因を私なりに分析してみました。何か新しい発見があったのなら幸いです。

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