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旅にリュック

旅公演に出る時は大きなリュックで。

旅に出る前に、リュックを買わなければならない。仕事の合間に探していた。昔は登山用の大きなリュックを背負って公演地を回ったものである。久しぶりに旅に出るのなら、あの頃のように…。
キャリーケースもいいが、あれは大きすぎるとタクシー移動の時にトランクに入らなくて苦労する。それに駅のホームでエレベーターを待つのも大変なのだ。
荷物は背負うにかぎる。
というわけで手頃なリュックを一つ手に入れた。
リュックというより、ダッフルバッグだ。着脱可能な肩ストラップがついていて、リュックのように背負うことができる。なぜダッフルか。ずばり、そんな気分だったからだ。自分も少し大人になった。街中に登山リュックは目立つ。少し街っぽい顔をしたダッフルなら悪目立ちもすまい。
荷物が大きい時点で目立っているという意見については無視する。

昔の旅公演の記憶から、60Lあれば十分荷物が入ることはわかっていた。主に値札、次にデザインと睨めっこして決めたのは、某アウトドアメーカーの55Lのダッフル。Nから始まる丸い形が特徴的なやつは、ちょっと高かったから諦めた。ほんとはあっちがよかった…。

旅立ちの儀式、荷物の出し入れ

ぼくはバッグが好きだ。小さなものから大きなものまで、手に入れるととりあえず荷物を出したり入れたりを繰り返す。もう儀式のようなもので、ご飯も忘れてやっている。
今回買ったダッフルは、上部からアクセスする気室、メインの気室、小物を入れるポケットの3つにわかれている。とてもシンプルだ。荷物を効率よくしまうには、使いやすくするにはどうしたらいいか。あれこれ試す。やっているうちに、ああ遠くの街へ旅立つのだ、とワクワクしてくる。旅には、あれこれ持っていけない。55Lの中に必要最低限を詰め込んで行く作業が、旅への覚悟と期待を膨らませるのである。
ひとしきり満足して、詰めた荷物を背負ってみる。ずしりと重い。膨らんだ期待はずっとしぼみ冷静になる。これ毎日背負うのは腰に悪いだろ。
こうして機材のダイエットが始まる。
旅公演は久しぶりで、なんだか初心者に戻ってしまったようだ。本格的に旅立つまでに、新しいリュックと仲良くなりたいものだ。

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