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衝撃! ナスカの地上絵で『ちびまる子ちゃん』を発見!? AIとパレイドリアの複雑な関係

 山形大学の研究チームが、ナスカで新たに168点の地上絵を発見したというニュースは、AI無知倫理学会でも大いに注目されています。まさかドローンと人工知能(AI)という流行の技術が、ナスカで『ちびまる子ちゃん』を発見するとは、一体誰が予想できたでしょうか?

 一見すると、これは単なる考古学の進展に過ぎないかもしれません。しかし、実はこれはAIの能力とその限界についての興味深い洞察を提供します。

 パレイドリア(Pareidolia)という現象は、人間が無秩序な情報の中から有意義なパターンを見つけようとする強い傾向に由来します。たとえば、ランダムな形状から顔や動物を認識する能力は、生存に大いに貢献します。これは人間の脳が二つの丸い形状を目と解釈する強い傾向から来るもので、このようなパレイドリア現象があるからこそ、我々は地上絵を見て『ちびまる子ちゃん』を見つけるのかもしれません。

 しかし、それではAIはどうでしょう?  AIはパレイドリア現象を経験するのでしょうか?  確かにAIはパターンを認識する能力を持っていますが、その能力は訓練データに基づいています。そのため、AIが『ちびまる子ちゃん』の顔を見つけるとしたら、それは訓練データにそのパターンが存在していたからに過ぎません。

 実際に、AIが誤って動物の絵を人間の絵と認識することはよくあります。これはAIが概念を『理解』するのではなく、パターンを『識別』するためです。この現象は、自然言語処理(NLP)の領域で見られる『幻覚』に似ています。AIが文脈や既知の知識に基づいて新たな情報を生成する能力は、あくまで過去のデータパターンから学んだものに過ぎません。

 したがって、AIがナスカで『ちびまる子ちゃん』の顔を認識するかもしれません。また、その地上絵を動物の絵と誤解するかもしれません。しかしそれは、人間が経験するパレイドリアや幻覚現象とは異なるものです。AIが結論に至るプロセスは、訓練データに基づくパターン認識によるもので、その解釈は我々の直感や感覚とは必ずしも一致しないのです。

 この誤解や誤認識の問題は、画像認識だけでなく、自然言語処理(NLP)の領域でも同様に見られます。AIはテキスト中の意味を『理解』するのではなく、『パターン』を見つけるため、誤解や誤訳が生じる可能性があります。これは、人間がテキストを読む際に生じる認識の過程とは大きく異なります。

 これらから、AIの『認識』や『理解』は、我々人間のそれとは根本的に異なることを理解することが重要と言えます。AIを活用する際は、その能力と限界を理解し、適切な訓練と評価を行う必要があります。それにより、AIが提供できる価値を最大限に引き出し、同時に誤解や誤認識を最小限に抑えることが可能となるでしょう。

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