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このままじゃ、何もなしえない。ブラジルで見つけた小さな自分と、成長への原動力。-インターンシップ体験記-


はじめまして!明治大学商学部商学科2年の小池泰志です。

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この夏にアイセック上智大学委員会で海外インターンシップに参加しました。渡航先は、ブラジルのSao jose do rio pretoです。6週間インターンシップに参加してきました。現地では子供と遊んだり、日本の文化を教えたりすることから、NGOの問題解決まで様々な経験をしました。
今回はこの経験を通して感じたこと、学んだことなどを共有したいと思います!


インターンに参加しようと思った理由

インターンシップの参加理由は、アイセック入会理由とも被るのですが、「海外でインターンってなんか凄そう」っていう単純な理由でした。
元々浪人していましたが、第一志望に落ちてしまったので、ほかの人がとらないような経験に大学生活中に挑戦して、遅れを取り戻したいって思っていました。

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1年生の時は海外に渡航できる経験に飢えていたので、様々な機会に参加しました。インドに一人旅行ってみたり、アメリカに旅行行ったり、武者修行に参加してみたり。どれも自分にとってめちゃめちゃいい経験だったけど、特別「将来やりたいこと」が決まったわけではありませんでした。
アイセックのメンバーだったことから、アイセックのインターンに参加すれば「将来やりたいこと」が明確になってくるのかなと思っていました。「将来やりたいこと」を探しに行くために参加を決意しました。

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ブラジルを選んだ理由は至ってシンプルで、”刺激が強そうだから”でした。インドには一人で行ったことがあったため、東南アジアよりはもう少し刺激が強いところに行きたいなって思っていました。探してたら、偶然ブラジルを見つけたからという理由です!

現地で取り組んだこと

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冒頭でも述べたように、現地でやっていたことは
①日本文化の伝承
②NGO全体の課題解決
③子どもと遊ぶ
でしたが、どれも自分がNGOに到着してからやったほうがいいなと思って自分でやったことでした。

この時意識していたのは、
・自分にしかできないことか
・自分だから子供たちに与えられること、になっているか
でした。この2つを踏まえたうえで決めたのが①と②でした。

子供たちを守り、育てるNGO

自分が通っていたNGOは、日本でいう学童のような施設で、親御さんが子どもの面倒を見ることができない時間帯に、子どもたちが施設に来てそこで授業を行っていました。

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日本の学童と異なることは、日本ではただ子どもを預かるだけですが、ブラジルでは預かるのと同時に、小学校では習うことができないようなことを教えます。例えば音楽やコンピューター、ダンスといった科目を教える役割も担っていました。

ブラジルはドラッグや暴力がとても横行している国なので、子どもにとって安全とはいえる国ではありません。そのため、このNGOが存在していることは親御さんにとって、子ども傍にいれない時の安全を守るという大切な役割を果たしていました。

子供たちに人気の日本文化

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1つ目の日本の文化の伝承に関しては、子どもたちや先生が日本の文化について興味を示してくれたということと、日本人が自分しかいなかったため、やることを決めました。

中でも大人気だったのが折り紙で作る手裏剣でした!ブラジルでは日本のアニメ、特にNARUTOが人気だったため手裏剣のウケはとても良かったです笑
日本に魅力を感じて、日本語の勉強を始めてくれた子どもやいつか留学してみたいっといってくれる子どもがいて、とてもうれしく思ったのを覚えています。

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これは帰国して2か月後くらいにNGOの代表の方から送られてきた写真です。自分が教えた手裏剣をいまだにつくっていることを知れて、とても嬉しかったです。この子は特に手裏剣が好きで、会うたび会うたび「手裏剣つくって!!お願い!!」と言う困った子でした笑

自分で考え、取り組んだNGOでの課題解決

2つ目のNGO全体の課題解決に関しては、自分が課題だなと思ったことが主に2つありました。それに対する施策を自分なりに考えて実施しました。
課題だと思ったことは
1.食べ残しが多いこと
2.先生へのリスペクトがないこと
この2つでした。

1つ目の食べ残しが多いことというのは、食事がバイキング制であるのにも関わらず食べ残りが多いのです。

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自分が食べることのできる分だけ取れば食べ残しは発生することはないのに、子供たちは沢山とって多く残していました。上級生たちに呼び掛けてどうして食べ残しをしてしまうのか、なぜ食べ残しをしてはいけないのかを教えて、食べ残しチェック係を設けて確認することにしました。

2つ目の先生へのリスペクトがないというのは、ここのNGOは先生の代謝が激しく自分が行ったときも1年以上勤めている人は7人中1人しかいませんでした。

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先生を知らないことが1つの要因になっていると考え、先生を子どもに向けて紹介するための資料を作成するため、先生たちから回収したアンケートを回収しました。そして、子供たちに作成して渡しました。

どれも簡単で大きなインパクトがあったとは思っていません。
「もっと自分に力があったら、根本的に解決できるかもしれない」と悔しく思ったのと同時に、今の自分に何ができるのかということを考え抜いた結果でした。

歌手になる夢をもつ女の子との出会い

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彼女は歌手になるのが将来の夢で、自分で歌詞を書いたり英語の勉強を独学でしていました。NGOには子どもが200人近くいる中で、英語が話せるのは彼女含め2人だけでした。もう1人の子は、父親が話せるから話せるといった理由でした。

ブラジルでは小学校から英語の勉強をするようですが、小学校の教育水準は低く、他の英語を勉強している子供はほぼ話すことも、簡単な英語を理解することもできない場合が多いです。
そんな環境で、経済的な理由で塾に通うことができず、それでも1人家で英語を勉強し、自分と同じくらい話すことが出来ていました。そんな彼女を見て、「夢を叶えてほしいな。でも経済状況とかを踏まえると厳しい夢なのかな」と思いました。

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ブラジルは15歳から働き始めることが多いようで、彼女自身高校に行くお金はなく、今通っているNGOを出たら働き始めないといけないようです。
ブラジルだと日本と違い、自分の夢を目指すスタートラインに立つことすらできない子供たちが沢山います。

全ての人が自分の夢を叶えるためのスタートラインに立つだけの資格はある。しかし、生まれた環境や、経済状況によって差が出てしまう。今の世の中は不条理であふれかえっています。

そんな環境でも愚直に自分の夢を追い続け、努力している彼女を見て「この子のために自分が何をしてやれるのか」ということをすごく考えました。
しかし、それを考えると同時に「今の自分には何もしてやることはできない。ただ、応援してあげることしかできない。」そう思いました。
いつの日か、そんな人々を支援できるくらいに自分が力をつけないといけないなと思いました。

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誰かのために自分が成長する。そんな視座の転換があり、それを気づかせてくれたのが彼女の存在でした。

インターンシップで見つけた、自分が大事にしたいこと

この夏の経験を経て自分の中で大事にしたいと思うようになった価値観は
・価値を提供したい相手は誰か?
・自分である必要はあるのか
・自分がいることで、どれだけ「差分」を創れるか
という3つになります。

価値を提供したい相手は誰か?

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自分の国際協力に対する考え方にも繋がるのですが、人が何かを誰かのためにするときは、その誰かの顔や名前がクリアになっていることがとても重要であると思っているということです。

不特定多数が関わり、提供する相手が不明瞭な国際協力は提供している側に相手がどのように変化しているか実感を与えることが難しいため、なかなか多くの人がやらないのではないかと考えています。
目の前にいる人に協力する、そんな感覚で国際協力が全ての人に受け入れられるようになったらいいなと思っています。

海外インターンシップに参加し、目の前にいる子どもたちに対して何ができるか考え続けた6週間を経験したからこそ芽生えた価値観です。

自分である必要はあるか。どれだけ「差分」を創れるか

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ここでいう差分とは、要は自分という存在が誰か相手にとって何らかの形で影響を与えている状態ということです。

自分がなにかをするときは、自分がやる意味があることなのか。それが相手にとって、どれくらい意味の有ることなのかを考えることを大切にしたいと思っています。
自分のエゴだけで行動するのではなく、相手と自分を重ねたうえで行動することを意識するようになりました。

この価値観を基にして、今年から所属していたアイセック明治大学委員会の執行部として活動します。

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自分にとって大きなターニングポイントとなったこのアイセックのインターンシップをもっとより多くの人に参加してもらうために1年間走り抜けます。

最後に

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この6週間は自分にとって大きな挑戦機会でした。
自分の現在地を知りながらも、それでも何とかしてあげたい未来が目の前にはありました。
それは、誰かのために一生懸命になる6週間だったからこそ得られた感情でした。いつの日か、その未来を明るくするためにも強く前に進んでいきたいと思います。



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