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魚釣りに行く|秋、直江津。

11月2日、三連休を前におれはこの休みの過ごし方について考えを巡らせていたわけでありますが、11月3日は文化の日。やはり、文化的な過ごし方をせねばなるまいなどと考えておりました。朝から名画座に足を運んでもいいだろうし、美術館に行ってもいい。各地で行われているイベントに顔を出すというのも楽しいでしょうね。カルチャーとはすなわち心の筋肉でございますから、令和のカルチャーマッスルミュージカルこと僕ことおれとしては、ここはひとつ、豊かな心を育む期間として過ごそうと位置付けていたということです。

おおかた連休の過ごし方もまとまってきたところ、さあパソコンを閉じて今すぐ家に帰ろうと思っておりましたところ、(おれは仕事中にお休みの過ごし方を考えていたんですね!)一緒に仕事をしているおじさん先輩からLINEが入りました。「明日 つり 直江津」とだけメッセージに書かれています。

1か月半くらい前になるでしょうか、先輩の取引先の社長が釣り船を持っていて、新潟の直江津で船釣りに行くのにお誘いをいただいて、おじさんの先輩とアラタちゃんと呼んでいる後輩の男の子と3人で釣りに行ったんですけど、それがすごく楽しかったのでまた行こうね~って話していたところだったんです。

しかし、連休の過ごし方を既に決めていたおれ、「申し訳ないですが今回は…」と送りかけたところ、先輩から追撃がありました。

「イナダ釣れるってよ」

イナダとは出世魚であるところのブリの子ども、すなわち新卒のブリと言っても良いでしょうね。おれはブリが魚の中で一番おいしくて大好きだと思っていますから、イナダが釣れると聞いたら話は別、すぐに参加を表明したというわけです。

前回に釣りに行ったとき、前日の深夜に家を出て、車で直江津に向かい、明け方の船で釣りをしたのちに午後に帰るといった弾丸旅行だったのでえらく疲れたという経緯があったので今回は前泊をしてから釣りに行きましょうということで、宿を抑えることにしました。

やはり僕みたいなエリートサラリーマンは、年収も7京円ありますから、それなりのホテルに泊まらないと仕方がないわけです。もうお金に糸目はつけないから、1万円以内だったらお金に糸目はつけないからいいホテルに泊まりたいんじゃい!という気持ちで、ダイワロイネットホテルにすぐにTELをしまして宿を抑えたわけです。これで体力を気にせず釣りに打ち込める、イナダも70ぴきは釣れるでしょう。一生分のイナダを持って帰ろうと息巻いて、帰路につき、翌日を迎えたわけです。

関越自動車道から藤岡あたりで上信越自動車道に乗り換え、碓氷峠から長野を縦に通り抜けて妙高から上越・直江津に入ります。到着したのは夜の7時ごろ、いざダイワロイネットホテルにチェック・インであります!

ダイワロイネットホテルは!?

…確かに電話をしたときに、「空きはありますけど、一部屋は改装中で、寝泊まりできるっちゃできるけどその部屋というのが大きなカラオケ部屋になっていますので少々寝苦しいかも」という話を宿のおじさんからされたときから怪しいとは思っていたんです。でも屋根がついていてお布団があればそこはお宿ですから、無問題であろうと思って宿を抑えたんですけど全然ダイワロイネットホテルじゃなかった。そもそも上越にダイワロイネットホテルはない。仕方がないのでジャンケンに負けた人が改装中のカラオケ部屋に泊まるということでジャンケンをしたところ、後輩のアラタちゃんが負けたのでカラオケ部屋に寝泊まりすることに。

カラオケ部屋

全体的にまちの民宿屋さんといった風情のお部屋、夜にチェックインして早朝に宿を出るわけですから、多少ゆったり眠るぶんには全く申し分ない感じ。直江津のまちは多少飲み屋街もあり、一杯やってから釣りに臨むことにしました。飲み屋には同じく釣りのためにこのまちを訪れた人が何人かおり、何が釣れるとか、どこが釣れるとかいった話を聞きながら、翌日に備えます。

朝5時、船を出して釣りに臨みます。もうイナダとか150匹くらい釣れる気しかしないわけなんですが、沖の方に出て、水深20~30mくらいのところでしばらく釣りをします。糸を垂らして待ちます。すぐに魚がかかります。引き揚げるとマダイとか、イシダイとか、サワラなどといった秋の魚たちが釣りあげられます。ちょうど魚の漁礁にあたったようで、糸を落とした瞬間に食いつくので、とっても楽しい。結局お昼前くらいまで釣りをして、タイとかサワラとかをいっぱい釣り上げて帰ります。イナダは釣れなかった。

結構な大漁だったのでみんなごきげんになり、帰りに温泉にでも入って帰っちゃおうということで、帰り道に長野の松代というところで温泉に入って帰る。これがたいへんいいお湯で、一泊して釣りをして温泉に入って帰るという一連の流れが定番になりそうな勢いです。

温泉屋さんのお土産コーナーで、松代焼という焼き物が売られていて、りんどうの花をモチーフにした湯呑に一目惚れをして即購入。おれは旅行に行くたびにこの手のマグカップとか湯呑とかを買っちゃうので、おれの家には必要以上にこういうカップがあるんですけど、なんならオールスタンディングでおれの部屋に入れる人数の上限以上、マグカップや湯呑があるんです。でもめちゃくちゃいいから写真とか撮って載せちゃいます。

おれは花の中でりんどうの花がいちばん好きなんです。きれいだからね!!

車の中でその旨の話をしたら、りんどうの花言葉はなんなんだろうね、という話になりました。一番好きな花のくせに花言葉とか全然知らないからググったら、「勝利・誠実・正義」という思想の強い少年ジャンプみたいな言葉が並んでいて、思想の強い少年ジャンプじゃんと言ってみんなで笑った。笑い声は長野の山にこだまして、夕陽の向こうに溶けて行った。最後はエモく締めてみました。そういえば、連休は文化的に過ごす予定だったけど一切美術館とか映画館とか行ってないことに気が付いた。なにがカルチャーマッスルミュージカルだよ。そんな感じです。

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