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<山口朋子さん>第二回 ネットの世界

50枚のカードに、関連のない言葉が並べられた。それを、過去、現在、未来の順番に、ホワイトボードに貼り付けていく。この人の頭の中の一部を投影した感じ。顔がこわばっているのは、なぜか。自分の射程範囲の遥か外の単語が、同じ平面上に並んでいるからだと思う。

【宇宙人】
【人間の心理が知りたい】
主婦起業の専門家という肩書きからは、想像もつかない言葉。

【6歳で、自殺未遂】

うん。ええと。このインタビューの目的はなんだったっけ?この人は本当に自分のファンを増やすつもりはあるのだろうか。そんな感じで、思考が停止したまま、MOMOさんの話は始まった。

「収入を得るきっかけになったのはヤフオクでした。同じ商品でも、紹介している文章やセールストークで、全然売れるか、売れないかが別れていて。人間が行動するきっかけ(トリガー)っていうのはなんなんだろうって、どんどんのめり込んでったんですよね。」

「もともと、人間の心理が知りたいとか、っていうのが強くあって。心理学とか、チベット仏教とか、哲学とか、そういうのをガッツリ勉強してました。私、自分で、いうのもなんだけど、勉強家で。チベット仏教は3年ぐらい、かなりやったんです。その根っこにあるものは、人間そのものを知りたいっていう欲求からきてる。」

「『6歳で自殺未遂』ってあるじゃないですか、平和に過ごしていたんですけど、あるとき『帰らなくちゃ。家にいて楽しいし、家族も平和だし、お母さんも優しい。でも、自分の居場所はここ(地球)ではない。この肉体が重い。はやく脱ぎたい。』っていうふうに衝動にかられて、トイレで自分の首をコードか何かで軽くしめたんですよ。」

「でも、失敗して、「ああ、私は元いた場所には帰れないんだ〜。私は死ぬまで、この世界で生きなくちゃいけないんだー」って、6歳で悟ったんですよね。」

この間4分。別に、スピリチュアルっぽい匂いを感じるわけではなく、理路整然と過去の出来事をつなげるように話しているのだけども、このスピード感にどうしてもついていけない。言わんとしていることはわかるような気もするし、わからないと言えば全くわからない。

6歳の時の話に出てくるセリフは、当時の朋子ちゃんが喋っているように、声色も変わって聞こえた。イタコか何かなのか?

この部分の音声を聞き直すときは、何度聞いても、「うーん」と唸ってしまう。ほぼ同時にスピーカーからも私が「うーん」と言っていて、毎回シンクロするのが可笑しかった。

一呼吸おき、私がギリギリ追いつくタイミングで続きがまた始まる。

「意識体というか、肉体を持たなければ、もっと楽に、距離も、時間も、思考すること自体ないはずで、身軽に生きれるのに、私はそういうところからきた。という感覚を昔から持っていました。だから、自分は馴染まないなぁ、この世の中って。」

すこし、慣れてきた。話を聞いている間に、なにかひっかかる。どこかで、こういう思考のモードになったことは、私もある。どこだ。。。。なんの時だろう。。。。話を聞きながら、頭の中を検索し始めた。

「色々ジタバタしていたこともあったんですけど、インターネットにあって、感動したんですよね。自分が知りたいことを検索すれば、瞬時にその情報にアクセスできる感じ。私が元いた世界にすごい似ている感覚があったんです。21年くらい前から始めて、めちゃくちゃハマったんです。私の元いた場所はここだ。」

私が手持ちボイスレコーダーで、録音して、聞き書きをしているスピードでは、追いつくわけがない。こちらも切り替えないと。そう気づいてから、頭がどんどん整理されていく。

山口朋子はネットの世界から生まれてきた人間だ。ヤフオクの売買や、アフィリエイトビジネス(ブログの広告収入を狙ったビジネス)で成功したのもそう。アフィリエイトは簡単だと煽る広告をよく見る。現役プログラマーの知人で副業としてやって見たけど難しく、数十万の先行投資が拐取できずに断念した人を知っている。パソコンに詳しくても、向かない人もいるんだと驚いたものだ。

彼女は違う。プログラマーでもIT出身でもない。生まれてきた場所に帰ってきたんだ。それは、成功するのは納得だ。6歳の時点で、クラウドから人間を見ていたのだから。肌に合うというのこういう感じなのか。

彼女の周りの人から、頭の回転がとても早いという話がよく出るようだが、おそらく、頭がいいという感じよりも、頭が複数あるという感じの方が近い。

私がようやく山口朋子の2面モニターの話し方に慣れてきて、手応えをつかみ始めた頃、彼女はよっこらせと3画面目を接続し、自分のキャリアの原点、「設計士」について語り始めた。


編集後記
こんにちは、アイダです。山口朋子さん(MOMOさん)のインタビューエッセイ。2回目です。ちょっと読むのに負荷がありますよね。すみません。私の負荷を一部、読者のみなさんに分けさせていただきました。始めてお話するときは、驚かれるかもしれません。でも、どうだろう。人をみて、1枚モニターでスタートするのかな。

文章の内容は、MOMOさん本人の修正依頼がある以外は、基本的にそのまま残す予定です。どこまで、いけるものか、楽しみです。私の文章で、一人でも、MOMOさんのことに興味を持っていただけるとうれしいです。

では、また次回。

双極系男子
アイダ

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