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レベルファイブが「イナズマイレブン」「妖怪ウォッチ」等でのAI活用事例を公開!

「イナズマイレブン」「妖怪ウォッチ」「レイトン教授」「メガトン級ムサシ」シリーズなどで知られるゲーム会社・レベルファイブが、12月11日に政府が開催した「AI時代の知的財産権検討会」にて生成AIの活用事例の資料を公開していたことが明らかになりました。


実際の資料

この資料では、代表取締役CEOの日野晃博氏みずからによってビジュアルの案出しやサイトのコーディングなど幅広い実際の事例が取り上げられており、コンテンツ業界のAI活用の最前線として非常に価値のあるものになっています!


アートの案出し

今回の資料で最も目を引いたのは、背景美術やキャラクタービジュアルの案出しです。画像生成AI「Stable Diffusion」を活用したレイアウト案などの作成が行われていました。

タイトル画面の案出し
背景美術の案出し

タイトル画面や背景美術の案出しでは、Stable Diffusionを利用してレイアウト案を生成し、足りない要素を追加しつつブラッシュアップして実際のタイトル画面や参考資料を作成しているそうです。
また最初のスライドにある「メガトン級ムサシW」タイトル画面の事例では、イラストをもとに映像が作成されており、公式サイトで公開されています。

大迫力ですね!


3Dのライティング、テクスチャなどの案出し
3D空間のレイアウトの案出し

また2Dの画像にとどまらず、3Dモデルや空間の案出しにもStable Diffusionが活用されています。「妖怪ウォッチ」の主人公の3Dテイストの案出しでは、2Dのイラストからキャラクターを学習させ、材質やライティングを変えて出力することで様々な3Dモデル案を作成しています。

3D空間のレイアウトでは、素案の3DマップからStable Diffusionでディテールを生成し、それを参考に3D空間を作成するという手法をとっているようです。

また「イナズマイレブン」では、AI生成した素材が直接作品に使われている部分もあるようです。大勢の観客や建物群を生成し、キャラクターの背景に合成しているそう。

プロモーションでの活用

また、プロモーション面でもAIが活用されていました。

高解像度化する画像

こちらは、イベントのブース壁面に大きくイラストを貼るためにAIを用いて高解像度化を行った事例です。
上の画像をAIを通して高解像度に加工していきます。

高解像度化の様子

そして実際にイベントでイラストが使われている様子です。AIでの画像のアップスケーリングは画像生成に比べるとあまり知られていない技術なので、こうして活用事例が広まっていくと良いですね。

さらに実際のイベントステージの演出イメージ案もStable Diffusionで生成しているそうです!

また、webサイト作成時のコーディング補助にも活用されています。ChatGPTやGitHub Copilotを使用し、既存のコードの処理を読み解いたり、生成したコードの問題点の解析、最適化を行っているそうです。

プランニング/サウンド

プランニングでは、ChatGPTを利用し大量のキャラクター設定案やクエストの案出しを行い、またAIへの指示を入力することでその情報から特定の項目の情報のみを引き出していました。

また「ずんだもん」などで有名なAI音声合成ツール、「VOICEVOX」を使用して、キャラクターの仮ボイスを大量に生成し、本収録までの作業を効率的に行うという流れも確立されているようです。

ひとつひとつのテクニックは生成AIの使い手から見ると常識的な使い方かもしれませんが、ゲーム業界でも25年を超え、アニメ業界への影響も大きいレベルファイブでの活用事例が公開されたことで、コンテンツ業界のAI活用の一般化が進みそうですね。今後の生成AI活用に期待が高まります!

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