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クルーの住むUnder the Sea階〜キャビン編〜 

クルーキャビンはどこにある?


DCLのクルーは6ヶ月間ずっと船で生活します。
また別の回で話しますが、
6ヶ月間1日もDay Offはありません。
文字通り6ヶ月間、つまり185日連勤します。
メインダイニングチームの場合、
朝は7時~夜は23時まで。ガッツリな勤務体制です。
DCLワンダー&マジックの場合は乗船しているクルーは950人、ドリーム&ファンタジーは1500人船で生活しています。
70カ国以上の国から船に乗りにきているので、文化がごちゃ混ぜです。
そのうち、日本人クルーは1-2人のみでした。
日本の文化で物事を考えて生活することはできません。

そんな大量の人数のクルーがどこに住んでいるのか….
え?   何階にあるかって?
トップ写真の船の黄色いラインの下に丸い窓が2列並んでますよね、その窓の下の方にある地下階です。
Under the Sea階に住んでいます。(窓はないので魚は見えないの…。)
Right here on the ocean floor~ ♪だし、
Up on the shore they work all day~♪だし。


これがキャビンの全貌だ!

ジャン! 描くとだいたいこんな感じ。


2人部屋キャビンの場合、
日本で言うと多分4畳あるかないかくらいのスペースに、
トイレ&シャワー室
デスク&チェア
テレビ
ミニ冷蔵庫(ホテルの冷蔵庫みたいなやつ)
クローゼットx2
2段ベッドx2
そして、人が2人立てるくらいのスペースがあります。

ちなみに働く部署によってキャビンのクラスが変わりますw
船は階級ごとに船内でのベネフィットが明確に分かれていて完全成果主義な感じはあり、これは凄いびっくりしたことでもあります。
IDも色で区別しています。

私もレミー勤務時代は、ルームクリーニングが週2回付いていました。
レミーも内部に階級があるのですが、エグゼクティブクラスに上がると、1人部屋や1Fの窓付き部屋になったりしました。

これはWonderのダイニングチームのキャビン。
ごちゃごちゃしてますが、こんなサイズ感で共同生活します。

シャワールーム


特にね、シャワー室は2人で1つをシェアするので、
Embarkation day(乗船日)は、
出港前のランチを汗だくだくで16:00までサービスして、
そのまま避難訓練をやり、
避難訓練が16:30に終わってから17:00にダイニングルーム集合なので、
シャワールームの取り合いになる感じにw 
5分で髪を洗う技を身につけました。
髪が濡れっぱなしで出勤することもありw
常に時間と戦い走ってました。

クローゼットとコスチューム


クローゼットは狭いので、1クルーズ分のコスチュームで常にパンパンです。
むしろパジャマしかいらないくらい普段の服は必要なし。
下の写真は、
メインダイニングチームが、4泊のクルーズで着るコスチュームの量です。これ4日で全部着ます。

Breakfast, lunch, 3 nights dinner, castaway, pirates eventなど色々なコスチュームを並べた図。

Under the Sea階には、クルーオフィス、クルー食堂、クルーショップ、クルーのワードローブ(コスチューム倉庫)などがあります。

ワードローブに紙で必要なコスチュームを書いて、窓口で渡してIDをスキャンしてレンタルや洗濯のための返却をする感じのシステムです。
たくさんコスチュームがあるとどれか1つ忘れがち。。。
忘れたら隣人のキャビンをノックして、その日に使わないローテーションのコスチュームを借りたりして…. 
特に当時のブッフェレストランのBeach Blanketは青色のコスチュームの胸元に網掛けの紐があるんですが、この紐が見つからない時にめちゃくちゃ焦ってました。。。 
「紐貸してや!今度ビール奢るから!」

BBBコスのざっくりの図。


ベッド


2段ベッドですが、
自分とは文化も宗教も異なるクルーとお部屋をシェアすることになります。
フランス人、アルゼンチン人、チリ人、スペイン人、ハンガリー人、ジャマイカ人、ドイツ人、南アフリカ人、フィリピン人、日本人 とルームシェアしたことがあります。

ブランケットしか支給されないので、私は布団を外のウォルマートで買って、契約が終わる度に仲良くなったフィリピン人のタクシーの運転手のポートカナベラルの家の倉庫に預けてました。
6ヶ月ルームシェアを狭い場所でするので、ルームメイトはとっても重要です。ある程度リクエストはかけられるものの、やはりアレンジできないこともあり、辛い時もありました。
朝から宗教音楽を部屋で流す子もいたし、夜に彼を連れ込む子もいたし。
でも、今振り返ると全部楽しかったんだよね!

Dreamのキャビンは綺麗で少し広め。
ダッフィーシェリーメイは日本のものを持ってきました♪


キャビンインスペクション


毎週火曜日の昼にはキャビンインスペクションがあり、
オフィサーによるキャビンが清潔に保たれているかどうかのチェックが入るので、ルームメイトが清潔にしないことで自分もアウトになる、アウトが3つ貯まるとターミネイトされるという厳しい条件もあり、ルーミーは大事でした。

インスペクションでは、
冷蔵庫の中に牛乳系の製品がないかどうか、
検疫シールが付いていない電化製品やワインなどを所持していないか、
シャワールームはピカピカになっているかどうか、
カーペットは掃除機がけされているかなどがチェックされるので、
毎週月曜日の夜はどのキャビンからも、ウィーーーーーンっとバキューム音がなり響いていて、みんなでワイワイ掃除機(ヘンリー)を貸し借りしてたり、めちゃあちこちピカピカにディープに磨いたりしてました。

みんながドアを開けっぱで掃除するので、部屋の中からのBGMのいろんなのが混ざって廊下で爆音で鳴り響いてました。
なんかインドっぽいやつとか、ラップっぽいやつとか、色々w

掃除機待ちの間の廊下のスペースでは、
ビール飲んでワイワイ踊って待ってたり、ワインの本を広げて勉強を一緒にしたり、トランプしてたり、椅子を持ってきて散髪してたりww

廊下の階段下。
散髪得意なレイと、散髪して嬉しそうなミケーレ。
ワインの勉強中。

ひゃー今考えると本当すごいジャングルの中で、生活してたなって思う...


国際的な共同生活は友達づくりがキー


あとはね、クルー専用のショップが船にはあるので、そこでシャンプーとかは買える。
トイレットペーパーとタオルはワードローブでもらえた。でも1人1セットまで。
ランドリールームの中国人の子たちと仲良くなれば、タオルを追加で何枚かもらうこともできたのであまり洗い替えに困ることはなかった。

そう、船ではいかに友達を多く持ち、自分の仕事や生活を楽に豊かにするかがキーでした。

例えば、
夜のディナー用のテーブルナプキンを昼のうちに折り紙のように作っておかなければいけないんだけど、ナプキンの数が足りないと、それを前もって準備しておくことができない。←常に戦い。
でもランドリールームの友達がいることで、Aikoの分にと別の棚にナプキンをとっておいてくれるので私は全然困ることがなかったのです。

テーブルにセットアップするためのお皿が足りない時もそう、
友達がいれば分けてくれます。船で働き始めの頃は友達もいなかったので、皿のセットアップができないことで泣いてたりしました。常に物が足りないダイニングルーム。かつ時間との戦いの中で早くセットアップしなければならない。
そのうちにイタリア語を当時話していた私は(今は忘れた)イタリア人コミュニティに助けられて、どんどん友達を増やしていき、お皿問題は解消されてスムーズに仕事できるようになって行ったりして。。

友達だけでなく、仕事の上でリスペクトされる功績を収めることも大事でした。リスペクトを持つことで協力し合えるからです。これは新しい船をオープンするオープニングチーム配属時に思ったことですが、それはまた今度!お楽しみに。


終わりに


DCLで働きたいという声をよく聞きます。
だけど、ここはパークキャストとは違い、70カ国以上の人と生活も仕事も共に6ヶ月過ごす場所なので、かなりたくましくないと続きません。
労働時間も半年間ずっと毎日13時間労働でした。体力も必要です。

私はクレイジーにもおよそ3年、6契約こなしましたが、多くの若いクルーは1契約もしくは契約途中で辞めてしまいます。
その度に私は仲良しの友達を失うのでまた新しい友達を作らなくてはいけないし、次の契約ではどの船に乗るかもわからないのでその6ヶ月間の時間を有意義に充実したものにするために人との繋がりを強く持つことは大事です。そういうことを世界中の文化いっぱいの共同生活の中で、私は学んだなと思います。

キャビンのお話でした。



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