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ゆーくー? You Cool?

クルーズクルー初日のことは今でも鮮明に覚えています。

夢いっぱいつまったスーツケースをガラガラさせながらクルーズ船に乗り込んだ私は、オリエンテーションのあと、自分の住むクルーキャビンに移動するように命ぜられた。

その時に乗っていたクルーズ船の規模は83,000トンで、乗客は2400人、クルーは950人収容、船の先端から一番尾の端までの長さは289m、幅は32mと大きな船でクルーズ船の中は迷路そのもの。

ここで紙切れ一枚渡され、自分のこれからの住まいの場所を探すミッションをくらう。長い長い廊下を両手いっぱいの荷物を持ちつつドキドキしながら歩いていく。

クルーはどこに住んでいるかというと、アンダー・ザ・シー階に住んでいます。地下階。もし窓があったら魚とか見えてたのかなと呑気なことを思ってました。クルーキャビンはお客様用のキャビンとは違って、4畳くらいのひらさに2段ベットとシャワートイレが備わっているコンパクトさで、部屋は他の国の人とシェアしなくてはいけませんでした。

この海面下のDeckにはまるでストリートナンバーのように区画があります。その区画ごとにはWater Tide Doorという黄色い鉄でできた扉があり、水が浸水したときに区画ごとに水をシャットアウトできる防水装置があります。5メートルくらいごとにこのドアがあり、寄港している時はこのドアがすべて開いていて、船の端から端まで自由に行き来ができます。ただし、陸を離れる時はドアが閉じているので、たとえば隣の区画の友達に会いに行くのに地上に一度出ていかなくてはいけなかったりします。ね、迷路でしょ。

さて、歩いている。

しかし、渡された紙にはよくわからない表現が書かれてあり自分のキャビンがどこか把握できない。

Midship shoreside corridor#14, Cabin#9012

こんな暗号で。ミッドシップ?ショアサイド? オリエンテーションでぼーっと聞いていたショアサイドとポートサイドがここで活用しなくてはいけないネタだったのかと後悔しはじめることになる。

こまったなあ。

スーツケースをガラガラ、船のど真ん中で、地下階で、迷う日本人。

すると、ガタイのいい黒人のお兄ちゃんが背後から声をかけてきた。

大きくて筋肉ムキムキで白いTシャツに、ゴールドのネックレスをつけていて、片手にCoronaビールを持っていてなんだか怖い。 ←ヒドイ笑

(勝手に船の中のスラム街か何かに来てしまったと思ってた、ギャングスターに絡まれてる!って笑。船の中だから安全なのに...)

Corona持ったギャングスターがまた私に話しかける。

よー! ゆー くー?

(え、なになに、、、怖い、わからないって怖い、、どうしよう)

Hey! You Cool?

(あ、この人、Coolかどうかってきいているのか。でもCoolってなんだろう。かっこいいとかイケてるとか、冷たいとか涼しいの意味しか学校でならったことないよ...何について私に質問しているんだろう...)

ギャングスター:Are you OK?  My name is Oneil. What's your name?(大丈夫?俺の名前はオニイル、君の名前は?)

aico: I'm Aiko.(アイコです)

Oneil:Cool! Aiko, nice to meet you.  Chinese?(クール!アイコね、はじめまして。チャイニーズか?)

aico: No, I am Japanese. ( ちがうよ、日本人だよ)

Oneil:Ok! ニーハオ

aico: No, こんにちは

Oneil:Oh, sorry... Ok Cool, aico, let me help you. let's find your cabin. (ああ、ごめんごめん、おっけ、クール!アイコ、助けてあげるよ。一緒にキャビンを探そう)

aico: Thank you.(ありがとう)

Oneil:Ok, you cool?(すべていいね)

aico: Cool! (うん!)

そしてジャマイカ人のオニイルは持っていたCoronaビールをぐいっと飲みほし瓶を置き、私の荷物を一緒に運んでキャビンまで連れていってくれました。

めでたしめでたし。

-aico-


ーToday’s  海賊英語レッスンー

You cool?   と Big time

You cool? は、How are you? みたいな感じで船でみんな使っています。How are youよりも、You coolのほうがもっと寄り添って尋ねられてる感じで好きです。

ちなみにYou cool? と聞かれたら返事は、Cool!  とか、ya-man big time!(やまん、びっぐたいむ!) と答えます。

big time とは、これは説明とか定義とかそういったものは難しく訳しづらい、感覚です。感情の量を表す時に、Big timeを使います。いーーーーーっぱい を表現するときに便利な言葉です。たぶん船の海賊たちは1時間に1回は使ってる気がする。

例えば、

「さっきのお客様めちゃくちゃハンサムだったね」

「Yeah! Big time!(めちゃくちゃイケてたね!)」 とか。

「食堂に今日アイスクリームがあるって!はやくいこーよ!」

「Big time!(えーめっちゃたのしみやーん)」 とか。

「今日のお客様、チップ払ってくれなかったんだよー」

「Oh...big time...(うわーーーめちゃくちゃへこんじゃうねー)」 とか。


のように、同意を示す時にも共感めちゃくちゃしてることを相手に表明しやすいBig time便利な言葉が、ビッグタイムです。


You Cool? 

YA-man,  Big time!



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