第19話「このタイミング、逃してたまるか!」の巻

親子通園も四週目。

園に行くことに抵抗はないようだが、三学期入ってからずっと私服で通っていた。
クラスの子達はあまり気にしてないのが、すごくありがたかった。

そろそろ離れるキッカケが欲しいと思っていた。ムスコは自分でやる!と決めたらやるタイプだ。「一人で行くよ!」と言う何かが見つけたかった。

月曜日、園に着いてこうお願いしてみた。
「お母さんダイソーに買い物行きたいから、少しだけ行ってきていい?」
ダイソーは園から近く、30分くらい離れられるか?と試みたが…
「ダメだよ!幼稚園休むよ!」と言われてしまい、逆に不安にさせてしまった。
親としては『黙って抜け出し離れる』はしたくないのだが、不安にさせるのが一番ダメだろうと考えを改めた。

火曜は、私の体調不良で休み。
せっかく行けてるのに残念だが、肺が苦しく、痰を出すための咳がだんだんキツくなってきた。夜も咳が止まず、なかなか寝れない。

水曜、少し奇跡が起こる。
朝の支度、幼稚園に返す絵本を自分でカバンに入れてね!と伝えた。幼稚園では週に一回絵本を借りてくる。ムスコを信用し、私は手を出さなかった。
園に着いて担任の先生から「あれ?ムスコちゃん。バッグに絵本が入ってないよ?」と言われた。私は「じゃあ、取りに帰ります」と一旦家に戻ることにした。その時ムスコは、自分の責任なので、私が家に帰るのを止めなかった。
『お!スムーズに離れられたぞ。ゆっくり探して遅く戻ろう』と考えていた。
家に着いても絵本はなかった。いつも置場所決めてあるので、なくした訳ではなさそう。きっと幼稚園に持って行ってるはず…
せっかく離れられるチャンスだ!お母さんずっと探してたんだよ!とお迎えギリギリまで行くのをやめよう。
園に連絡しなかったけど、担任もこのチャンスを理解してくれていた。
偶然だけど離れられた。次のステップに進んでみることにした。

木曜日、私は園内に隠れることにした。
『こっそり抜け出す』をする前に、私がいない事を知ったムスコの様子も知りたかった。
園が三学期からクールダウンに使えるよう用意してくれた場所は、2階にあり、園庭とムスコのクラスがギリギリ見える。
ここでお弁当の時間まで隠れ、問題がないと確認できれば次に進もう。
他の園児にバレないよう様子を見ていたが、母を探す様子は無かった。
クラスでボール当てをやっていたようだが、ムスコは参加せず、教室で本を読もうとしていた。
この行為は自由ととるか、ワガママととるか…
みんなと一緒が良い、とされてる世界だとムスコはしんどいかもな。

金曜日、こっそり抜け出すことにした。
外で遊びに夢中になっている時に、ムスコの視界に入らないよう気をつけながら抜け出した。
急にいなくなったら不安になるだろうと、カバンだけ置いておいた。お守りのつもりだった。
お迎えの時、園での様子を聞いたら、お弁当になっても母が帰ってこない。母のカバンを覗くとお弁当がない!そこで悟って、大泣きしパニックになったが、最後には職員室で園長とお弁当を食べたそうだ。
多分、一人で過ごすことはもう大丈夫と思う。
あとは『一人で行くこと』だけだ。

そのキッカケが意外な形でやってきたのである。それは次回!!!


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