見出し画像

「小規模特認校なら、どうだ!?」の巻

8月末、大分での学校見学を断念した。
そこで大分行きは一旦白紙にし、まだできることを探そう!と狙ったのが
「小規模特認校」という小学校だ。

「小規模特認校」とは、児童数が少ないと廃校や統合する学校がある中、
少ない人数を強みとしている学校と思っていただきたい。
詳しくは、私も分かってはいない。
けれど少人数である分、先生が(時間や心の)余裕をもって子ども達と接することができるだろうなと思った。
また、「ここのね」のような民間の学校と違って公立の学校であること。
金銭的な負担が減る分、収入や貯蓄の面で心配が少し減ると考えた。

8月26日(木)
Instagramで「#小規模特認校」で検索したところ、千葉県木更津市にある「東清(とうせい)小学校」を見つけた。
8月27日(金)
学校に電話をした。対応してくださった教頭先生が、気さくでとても話しやすかった。学校のことが分かる資料をメールで送ってもらう。
オープンスクールが、9/13(月)10/26(火)11/13(土)12/8(水)と記されていた。

8月末は、コロナ感染者が2千人を超えていた。県をまたぐ移動は歓迎されないだろうと、ワクチン接種の予約にようやく踏み切った。(今となっては、あの危機感は一体どこへいったのだろう?と思うが)1回目を9/10、2回目を10/10に打つこととなった。
9/13はワクチン接種に間に合わず、10/26だと幼稚園行事と重なる、オープンデー以外も見学を受け付けているとのことで、10月15日(金)に見学をお願いした。
やっと本題に入ります!

朝7時家を出発、京急で横浜駅まで行き、リムジンバスに乗り換え木更津駅へ。木更津駅でJR久留里線に乗り、最寄り駅「東清川」に着いたのが9時30分少し前。
2時間半で行けるなんて、近い!と思ってしまったのは、今までのハードルが高かったからに違いない。
駅から2分の学校と聞いていて、入口はどこかな?と思い歩いていたら、ヒョコッと先生らしき男性が顔を出してくれた。
電話でお話しした教頭先生だった。門のところで待っていて下さったのが、すごく嬉しかった。

外観はお世辞にもキレイとは言えなかったが、玄関に入ると正面にある棚に盾やトロフィーが整然と並んでいるのが印象に残った。大事にされているんだな、という空気を感じた。
2階へ移動中、大人のスリッパが脱げてしまうムスコに優しく声をかけてくださる。電話の印象そのまんまの教頭先生だ。
校長先生も来て下さり、我が家のためにスライドショーを使いながら学校の説明を受けた。写真が多く使われていて、学校内の行事やイベント、学外での活動が分かりやすくて良い。
他校では選抜で構成される合唱コンクールのメンバーが、少人数ゆえ全学年参加なのが面白いなぁと思った。そうなるとムスコは参加できるだろうか?と父親は心配になったそうだ。

説明を受けている間、ムスコは2時間半の移動で退屈していたせいか、落ち着きがなかった。教室を見に行こう、と移動するがあまり興味が持てないようだった。
1年生のクラスを見学。本当に児童が少ない。10人以下だった。
算数の足し算1ケタから2ケタになる問題。半円に並べられた机の前に出て、「僕(私)はこう思います。どうですか?」と発表している。それを聞いて他のクラスメートは「いいと思います」と答えている。
少人数だとこんな授業の形ができるんだ!人前で話す、意見を言う経験がたくさん持てるなぁ。

学校自体がこじんまりとしていて、1階に1~3年生に教室が一つずつ。
保健室や職員室も、その横に並んでいる。
2階には4~6年生の教室も一つずつ。図書室が奥の方にあった。
くすんだピンクの廊下、ペンキが少し剝がれている壁、木の扉、昔から使っているであろう配膳台、昭和レトロ好きな我々夫婦は、この学校の佇まいがたまらない。
他のクラスも見せてもらったが、ムスコがだんだん帰りたいモードになっていた。うーん、どこかでストレスを発散させねばなぁ…と図書室にお邪魔した。

1時間に1本しか電車がないのを心配して、教頭先生が次とその次の電車の時刻を書かれたメモを我々に渡してくださった。教頭先生優しいなぁ。
そういえば見学は1時間程度という話だった。せっかく来たのでもう少し見せてもらおうと、校庭も見学させてもらった。
少し外に出て走り回れば、ムスコも気分が発散できるだろうと思った。
校庭は広かった。砂埃が舞う校庭ではなく、雑草が一面生い茂っていた。
校長先生は「児童が少ないから、雑草が踏みつけられず土の部分が見えないんですよ」と言っていたが、こんなグラウンドならこけても痛くなさそうだ。校庭にある小山(トンネル付き)にムスコは登り、満足そうにしていた。

帰り際、校長先生と話して気になった言葉がある。
「子どもが行きたいと思える学校に行かせたい」と校長先生に話したら、「まだ子どもに決めさせるのは難しいと思いますよ」と言っていた。
親がこうしたい、こうあって欲しいと思う学校を選ぶ方が良い、という意見だった。
この見学を通して気になったのは、校長先生は小規模特認校をあまり良いものと思ってないのかな?と感じた。
赴任してきて1年目と聞いたが、校長という立場は公平な目で見ているのだろうか?

学校を後にして、駅前を散策したがうら寂しい空気を感じた。
イオンモールがあるというので、時間もあるので行ってみた。
移動の間、夫に学校どうだった?と聞いた。
夫は学校は良かったと答えたが、ここに住むのは現実的でないと言う。
車中心の街、ワクワクする場所や住まいが無いと移住したいと思えないようだ。
この答えを聞いて、私の学校探しの旅もここまでか…と空しくなった。
「子どものため」と動き回っていたけれど、結局自分が今の土地に居たくないのだ。結局、夫の経済力がなければ、生きていけないのが悔しい。

でもまだ諦めたくないので、もうすこし足掻こうと思う。
悔しいから「お父さんの勇気がないのも、どうかと思う」とチクリと言っておいた。
2022年4月、我々はどこでスタートを切っているのだろうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?