第13話「波乱万丈すぎた発表会」の巻

なんとか登園拒否は落ち着いたものの、やはり発表会前日は『行きたくない』だったので休んだ。
発表会前夜、我々夫婦の気持ちとしては『発表会は行けなくても仕方ない』だった。
当日も行きたくない様子で、無理せず休むはずでした。
咳をしてたので、朝イチで病院へ夫が連れて行ってくれた。
なんとなく私は制服の準備をしていた。いつ気が変わってもいいように。
病院の帰り『ムスコ発表会行くと言い出したよ!』と夫から電話がかかってきた。
マジで!?三回確認したとも言っていた。
この時、10時。ムスコのクラスは11時からスタートなので間に合う。
親は動揺しつつも息子を送り出そうと決心した。

この日も寒い雨。
会場へ入る順番待ちで、廊下に並んでいたら担任がやってきた。
教室でムスコは『お客さんする』と着替えを拒否していると告げられる。
私だけ息子の元へかけつけてみると、一心不乱に絵本を読んでる姿があった。
表情は強張り、精一杯、緊張と不安と戦っている様に見えた。
『あぁ、発表会をまだ受け入れてなかったんだなぁ』
ムスコの気持ちはこれだったのか…
親なりに何となく感じた瞬間でした。

本番は舞台袖でムスコに付き添い、もしかしたら舞台に立つかもしれない!と
ギリギリまで期待をしてました。
背中を押して無理やり舞台に出そうと思ったけど、それはやはりすべきじゃない。
親が一緒に舞台に立つべきか?それも他の園児の頑張りを台無しににするようでできなかった。
担任も「一瞬でも舞台に立てたら…」と漏らしていたが
舞台に立たせたいのは大人のエゴのように思え、涙が溢れてきた。
劇も合唱も、息子は舞台に立つことはありませんでした。
でも、舞台袖で少し楽器を鳴らしていたように見えました。

発表会という普段と違う環境に、色々混乱したのかもしれない。
普段は椅子に立っちゃダメなのに、練習中は許されるのが納得できなかったのかもしれない。
観たこともやったことのないことを、早口で教えられていたのかもしれない。
事あるごとに「静かにしてくださーい!」と言われイヤだったのかもしれない。
園としては必死に形にしようとしてたのだろうけど、我が子には苦痛だったのかもしれない。
他の子は何となく受け入れられることを、我が子はこだわって受け入れられなかったのだと思う。


それでもこの場に来た息子は頑張った!
舞台袖の姿を、夫に見せてあげたかった。
色んな感情が入り交じり、とても複雑な発表会となりました。

休んでいたら、今もモヤモヤしてたでしょう。
あの場に行けたから、我が子を知れた。
もっと園と話し合っていければ、来年は受け入れてくれるかなぁと思いました。

この後、もっと暗黒の時代がやってくるのでした。正直、しんどい!

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