第12話「世の中、色んな救いがあるのねん」の巻

本当にこの時期は精神がズタボロで、ムスコの体調も悪く咳に悩まされた。
ひどい時は、寝具に嘔吐する日もあった。
かかりつけの小児科に、便秘と咳の薬をよくもらいに行っていた。
診察の終わりがけに、先生が引き出しを開け、シールを選ばせてくれる。
あと、帰りに必ずポケモンパンも買わされた。シールが目当てだ。
先生は忙しくても、割とムスコの話に付き合ってくれた。
 ムスコにとって小児科は心の拠り所だったんだと思う。
だから、仮病を使ってでも行きたがったんだろうなぁ。

余談ではあるが、親の方はドラマ「おいしい給食」に癒されていた。
全力で給食を愛する甘利田先生(市原隼人)が、唯一心を無にしてくれた。
ありがとう!甘利田先生!映画で泣いたのは、感謝の涙だと思う。

それはさておき、週末に発表会をひかえた週が始まった。
行き渋ることはあったけれど、幼稚園になんとか行けた。
発表会の二日前、療育センターのワーカーよりやっと連絡がきた。
相談をお願いしてから九日後。こちらとしては、色々ありすぎて今さら感しかなかった。

スーパーで買い物してる中、登園拒否、園長と担任への信頼が落ちたこと、無理やり連れていかた不安(親との信頼関係が壊される)、自分達の思いを少しは言えるようになった(けどまだ不安あり)、頼れる先生もいることを駆け足で話した。
今、なんとか幼稚園に通えるようになった、と告げた。

これに対して「そうですか、それは安心ですね」と言われ、私は無性に腹が立った。
「安心ちゃうわ!信用失った幼稚園に通わせてる親の気持ち考えろ!」とスーパーのど真ん中で叫んだ。
園との間に入ってもらいたかったのに!連絡まってる間にもうこっちはズタボロや!ワーカーの話は、全然寄り添いを感じられず『壁』を感じていた。
私たちにはない経験や方法を知りたかったのに、プライバシーが云々とか言い出すし…
もう園訪問の話されても意味がない気がして、こっちから話を終わらせた。

その後、何度か電話があったけれど出る気になれなかった。
本気で悩んでる人に「気軽に相談して」なんて簡単に言わないで欲しい。
救いを求めた相手に突き落とされるくらいなら、自分達でなんとかする方が私には合ってる。

もう発表会なんてなければいいのに…はやく終われ!そんな気持ちになっていた。
そして、運命の発表会がやってくる。

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