第21話「おばあちゃんがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」

おばあちゃんがやってきた。
初日にヨドバシで念願の変身ベルトを手に入れた。 

あまり今時のオモチャを買わない我が家。
このベルトすごいわぁ~。
プログライズキーをシャコン!てスライドすると『ダーッシュ!!!』ていうし
そのキーをベルトでスキャンすると『オーソラーイズ!』だし、スロットに装着すると音楽と英語が流れだし、お祭り騒ぎである。
正直、うるせー!!!だけど、ムスコにとっちゃ宝物だ。
ついでにテレビの【仮面ライダーゼロワン】もみるようになった。


おばあちゃんは4日間滞在した。土曜に来て火曜(祝日)に帰る。
平日の月曜は幼稚園を休むことにし、代わりに先生と面談をお願いしていた。
おばあちゃんにはマゴとお留守番しててもらった。

なんだかんだで、幼稚園行けるようになってきた。こちらとしては、お礼のつもりで話し合いの場をお願いした。
けどなぜか、園は育児相談で巡回に来てる心理士も同席を促した。
この心理士、療育仲間の間ではすこぶる評判が悪い。
私はこの心理士とは話したく無かったが、夫も同席なので渋々了解した。


あのクリスマスの話し合いから1ヶ月半たった。
担任は「お母さんよく頑張りましたね」と言っていた。
確かに体調を崩しながら通った頑張りはある。
でも一番頑張ったのはムスコだろう。

心理士の方から困り事はないか?とたずねられる。
とりあえず夫は「制服を着たがらない」と「偏食で困っている」と答えた。
制服の件は、その内着るだろうと私は思っていた。
朝、制服と私服を用意して「どっち着る?」と選ばせていた。
心理士は、さも理解があるように「幼稚園なんて何着ててもいいんです」と言っていた。
こっちとしては、せっかく買った制服あるから汚すならこっちにしてくれ!ぐらいの気持ちである。
ただ、他の園児が「何でムスコくんは制服着ないの?」と問われた時、園はどう子ども達に伝えるかが大事だと考えていた。

偏食については、本当にしんどかった。
野菜が少しでも入っていると手をつけない。便秘症なのもあって、怒りながら無理矢理食べさせていた。
自閉症の子は感覚過敏で、少しでも苦手な味がしたり食感があったりするとNGでもある。
その点、ムスコは細かくすれば気づかず食べているので、単に食わず嫌いなのだろう。 
心理士は「食べれるモノ、食べればいいんです。レトルトや冷凍食品でも気にしないで!」がアドバイスのようだ。
確かにそれなら、喜んで食べるだろう。料理の手間と苦労は減るだろう。
けどさー!あんた母親の気持ちで考えてる!?
ムスコが食べれるものなんだろう?て探したり、買い出しや献立決めを一緒に考えて、料理の苦痛を減らす方法考えてくれる方が、私は助かるけどなー!!
心理士は立派な肩書きをもったおっちゃんのようだが、実際に子育てしてる雰囲気は感じられなかった。

なぜ園はあの心理士に全てを委せているのか?責任を取りたくないような気がしてならない。


おばあちゃんとの楽しい時間はあっという間にすぎた。
新幹線まで見送りに行くとき、ムスコはおばあちゃんのキャリーバックを一人で運ぼうと奮闘していた。
危ないよ!と手を出そうもんなら、頑なに手を払いのけられた。
彼なりにおばあちゃんへの感謝の行為だったのかもしれない。

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