第14話「もう幼稚園行きたくない、私もムスコも」の巻

発表会が終わり、二学期も残すところ2週間となった師走の頃
色んなもの傷ついて疲れ切った私は「もう幼稚園行きたくない」でした。
けれどクラス委員だったので、園行事『餅つき』に行かねばならないし
個人面談もある…ホント行きたくねー!の状態でした。

その個人面談も、何をどう話せばいいのか考えるのも苦痛で
前の日の夜、夫に「もう考えても仕方ないないからノープランで行く。泣くかもしれんし、黙って何も言わないかもしれんけど、いい?」と話していた。


そして、当日を迎える。
相変わらず担任の先生はお茶を濁すような展開で、早く帰りたかった。
ただこれだけは言っておこうと「発表会のリハで、先生がムスコに言った言葉覚えていますか?」と確認した。
無言が長く続き、首を傾げ「…がんばったね?ですかね」と言い放った瞬間、私は猛烈に怒り込み上げ、涙で声が震えた。
こんな無責任な人がムスコの何が分かんねん!
入園前から色々伝えてきた特性だってアンタちゃんと理解してんのか!
行きたくない子どもの気持ちわかってんの!?
それを乗り越えて行ったムスコを認めてやってくれよ!
もう自分で何を言ってるのか分からない状態だった…

すると、外から『トントン』とガラスを叩く音が…
次に順番待ちのお母さんから申し訳なさそうに「上の子のお迎えがあるんで…」と伝えられ、我に帰った。
面談時間を10分オーバーしていた。
他にも待っていたお母さんに謝りながら、逃げるようにその場を離れた。
園庭で療育仲間の1人に「思いの丈ぶつけられた?」と声をかけられ、もう涙が止められなくなって泣きに泣いた。
子どもがいる前で泣いてる自分かっこ悪すぎて泣けるし、面談時間オーバーして迷惑かけて申し訳なくて泣けるし、もう消えてなくなりたかった。
面談は金曜日、その翌週から事態はもっと深刻になる。

【月曜】
ムスコが「行かない」と言ったので病院行って心の休養日とした。
公園にお友達がいたので、遊んで帰る?と聞いたら
「お母さんだけ行ってきて。ぼく待ってる。」と公園に近づかない。
【火曜】
行く気が出ないようで、スモールステップでいいやと園に行ったら
門から入れなくなっていた。
何とか園に入り、クラスの子が駆け寄ってきてくれたけれど、ムスコは逃げ出した。
【水曜】
園の駐輪場で足が止まる。
園児の姿を見たら、足が動けなくなってしまった。何かに怯えているようにも見えた。日に日に悪化している。
【木曜】
二学期最後の日。家を出るのも嫌になってる。
雑誌「幼稚園」を買う約束で、何とか園へは近づけたが、駐輪場から一歩も動けなかった。担任は休みだった。
両親と園で話がしたい、と依頼した。後日、返事をもらうこととなる。

この四日間は、重症としかいえない状況だった。
これはもう幼稚園行けないな、と悟った。
とりあえず、明日から冬休みだ。やっと冬休みだ。
幼稚園のことをとにかく忘れたい。そんな気分だった。


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