第22話「今度はお母さんがダメになっちゃった〜」の巻

変身ベルトを手に入れたムスコは、一人で幼稚園へ行けるようになった。
行きたくない病になっても、なんとか言いくるめて先生にお任せできるくらいになった。

行けるようになった反面、今度は私がしんどくなる。
3学期からの、母子通園している事情を周りに一切説明していなかった。
療育仲間にさえ伝えていなかった。
毎日を過ごすのに精一杯で、時間もなかったのもある。
本音を言えば、励まされたり、心配されたり、同情されたり、意見されたりしたくなかったのだ。
仲良くしていたママ友に「しんどかったら悩み聞くよ」とか「買い物代わりに行くよ」とか言ってもらってたのだが、一切頼らなかった。
頼りたくなかった。私は頼れない性格なんだと思う。
しんどいのに、平気なフリをする余裕もなかった。
だから『何も話しかけないで』オーラ全開でずっと過ごしていた。

ムスコが幼稚園に行けるようになったのだから、事情を説明してみんなの輪に入ればいいのだが、それをしたくなかった。
多分、私の中ではまだ戦いは終わってないのだ。

そして世の中が破滅の方向に向かっていた。
新型コロナウィルスが世界中に広がり、日本はオリンピックが延期。
緊急事態宣言という未知の言葉。
スーパーからトイレットペーパーが一瞬で消える。日本も不安の中にいた。
小中学校が休校となり、幼稚園もそれに倣った。
不謹慎だけど、私はホッとしていた。
自粛で幼稚園行かずに済む!ママ友に会わずに済む!
こんな感じで幼稚園の一年目を終えることとなった。

第一章はここで終わります。
なんとか幼稚園に行けるようになった。
けれど、色々考えるキッカケができました。
第二章は、『学校選びと仕事をつくる』を書いていきます。
いつも読んでくださってるみなさま、ありがとうございます。
『スキ』に励まされて、ここまで書くことができました。
引き続き、応援よろしくお願いします!

追記  第二章を『退園、そして転園へ』に変更しました。第三章を『学校も家も仕事も探す旅』とします。2020年12月19日

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