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マニラのリアル:身近にあったドラックの闇

「薬物戦争」って言葉を聞いたことがありますか?フィリピンのドゥテルテ大統領が2016年6月に就任、ドラック対策を政権の最優先課題とし、ドラックの使用者だけでなく、密売や取引き、場所の提供など、ドラックに関わった人々を「やむなければ殺害しても良い」という強行的な姿勢を示し、Drug War(ドラック戦争)という言葉で表現しています。

ドラック戦争っていうくらいだから、日常的にドラックを使用している人が多いからなんでしょうが、周りにドラックを使っている人とか、「治安悪い!」と感じる事があまりありませんでした。アジアで1~2を争う治安の悪さと称されるマニラですが、日常生活ではむしろ、治安は意外と悪くないとさえ思います。

が…、最近なんと身近な人で2人もドラック使用が原因で仕事を失った方がいます😫 非常にショックを受けました。人当たりはよく、普通な感じ、そして人としても好きだったのに、なんとドラックテストで陽性反応が出てしまったそうです。こんなに近い人で、2人もドラック使用者…。これは隠れドラック使用者もかなり多いのではないかと感じました💦

我が家のヘルパーさん曰く、「外国人が多く住んでいるエリアは治安はいいけど、私が住んでいるバランガイ(マカティに近いマンダルヨン)は、夜は一人で歩けない。薬物をやっている人もたくさんいる。最近は覚せい剤使用者が1歳にも満たない女児を暴行殺害、ジープニーの下にその遺体を遺棄した事件もあったでしょ?ドラックを使っていると、頭がおかしくなるし、アグレッシブになる。この事件みたいに幻覚をみていたり、自分の欲望を止められなくなる。私はドラックをしている人は絶対に信用できない」と。彼女いわく、ほんの少しの覚せい剤を買うのは200~300ペソ程度だそうです。これはフィリピンの方にとっては安くはない値段だと思う。日本円にすると500~600円程度だと思うけど、感覚としては日本円で3000円くらい?覚せい剤って中毒性があるから、これを週2回も3回も買っていたら結構な値段になる。覚せい剤を買うお金で、家族を養えなくなった例も多く見てきたという彼女。こんな痛ましい事件があった事さえ知らなかった自分。😥

やはり、自分の暮らしているエリアってマニラの中では特別なエリアなんだろうな。安全な場所で暮らし、マニラを知った気になっていたけど、何もマニラを見えていなかった。マニラって意外と平和~♪と思っていたけれど、何も知らなかっただけだ。

そして衝撃的だったことが一つ。知り合いに「彼はどんなドラックを使っていたの?」と聞くと、「do you know Shabu?」と聞かれた。Shabu…、シャブ?!なんで日本語のシャブがつかわれているの?と思ったら、なんと覚せい剤は日本で生まれたもので(ヒロポンって聞いたことありまえせんか?)、資金源として日本の暴力団が目をつけて、アジアを中心に密輸、密売をした事で爆発的に広まってしまったそう。これも非常にショック…。マニラの病魔と言われているドラックが日本発だったとは…。

自分の快楽のためにシャブを打つ人も多いけど、男性から強制的に打たれて働かされている女性、そして小金欲しさに薬物売買のぱしりをするストリートチルドレンも多いそうです。その中で、空腹を紛らわすためにシャブを売ってしまう子供たち。ドラックの使用はもちろん犯罪。だけど、フィリピンでこんなにもドラックが蔓延しているのは、ストリートチルドレンの問題、絶対的な貧困、貧困の連鎖といった色んな要因が絡まり合っているのかもしれない。

大統領の強硬政策にはもちろん疑問を覚えます。殺したからといって根本的な課題解決には感じられないから。フィリピンという国にある、格差であったり貧困、教育を受けられない環境、ストリートチルドレン。そういった色々を解決していくために、何か少しでも出来る事があれば…と思うばかり。先日書いたクレイジーリッチとは真逆の世界もマニラにはあった。

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